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僕の心へ
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僕の心へ
つまらん。それが最初に出た言葉だった。つまらん、つまらんと言葉を紡ぐたびにその真意が不思議と数珠繋ぎに見えてくるものだ。
始まりは一昨年の1月だっただろうか。僕は他の生徒より少しばかり早い一月に推薦入試で進路を決めた。それが、いやそれ以前からこの心のモヤモヤは進行していたのかもしれない…
僕は理系高校の2年生。こんな偏屈な前置きを書くようなものだから、高校生活に疑問を感じていることは書くまでもないだろう。
ただ、今思うところでは、都会に憧れを持ち、晴々とした青春を夢見たあの頃に戻りたいということである。
この2年間はいろんな意味であっという間だった。というのも、楽しい思い出をまぶしたような噛み締める時の流れなどではなく、ぶっきらぼうに時が過ぎたという意味を含んでいる。
さて、どうしたものか。僕は自室で急に我に立ち返っていた。そしてただ自らの心に問うている。僕のしたかったことは何だったのだろう。そんな事を考える。考えれば考えるほどに自責の念が風船の膨らむように強まって、弾けてチル。
虚無の空間に打ちひしがれた心は思考を停止し、段々とバカバカしくなってくるものだ。
こうして一通りの「流れ」を終えたところで私は目の前に転がったドライヤーに手を伸ばし、スイッチを入れる。ゴオオと響く音に耳が多少の違和感を感じていたが、それすら聞こえなくなるほどに僕の無意識が音を拒絶した。本当に何がしたいのだろう。
僕の話の趣旨は二つだ。第一に現環境を脱したいと考えている。言い忘れていたが、この文章は理系高校に進んだ文系生徒がなけなしの言葉をただ気の赴くままに発していると捉えてくれていい。でも一つ注意しておきたいのは、僕は決して勉強、ましてや社会生活全体に生きづらさを感じた精神疾患の持ち主ではない。おっと話がだいぶ逸れてしまったようだ。第二に高校は何のためにあるのか。その謎を解き明かしたい。
僕は正直言って自分は天才だと信じてきた。この心境については後々触れていこうと思うが、おそらくこれを聞いた者は自惚れた可哀想な奴とでも思うかもしれない。しかしそれでも構わない。僕の話を聞いてくれるのなら。もちろん、僕の話を聞いたところで考えが変わることに期待は一切していない。
ただ単にふわっとした気持ちでなんとなく聞いてくれる事を願う。環境の変化について話を戻そう。
3年前。僕は中学3年生だった。クラスでも特に目立った生徒ではなかったが、学年全員の顔と名前が一致するくらいには親交があったつもりだ。生徒会に2年連続で所属し、学校が心から好きだった。今思えばあの頃は一瞬の内に時が過ぎていたように感じられる。毎日が澄んだ川に流れる水のようになめらかに過ぎていった。学校に行くのが楽しみで仕方なかった。そういえば最後に恋をしたのも遡ればこの頃だったりする。しかし、それももう遠い記憶のカケラのように失われて今では正確に思い出すことも困難だ。この文章を書いていて思ったことがある。今の僕の原点はここにあるような気がしていること、そして、その原点から未だ一歩も進めていないということだ。むしろ些か後退したとすら感じている。では、「あの頃」と「今」では何が変わったのだろう。そんな疑問に思いを馳せてみた。環境の変化を考える上で、まず外堀から埋めていくとしよう。主に変わった点は自宅から学校までの物理的な距離。中学校は家から約1キロのところにあった。多少の勾配はあるものの、通いやすかったのを覚えている。そして現在の高校は自宅から約45キロの距離にある。中学時代の45倍の距離である。これは僕の空想だが、こうした距離が学校に対する心の距離を遠ざけていたのかもしれないと今になって思った。大事なのはここからだ。環境面でどのような変化があったのかという問題である。中学校は小学生からの友人とある程度顔ぶれが変わらないものだ。しかし高校になればその環境は一変。全く見も知らぬ生徒が集まってくる。ここで一つ気づいたことがある。もしかしたら、僕はこの高校の生徒ではなかったのかもしれないということだ。自分の本来いるべき場所はココじゃない。そう本能的に察知した瞬間だった。なぜそう思うのか、理由は単純だ。それは目的意識の差異である。僕はなんとなくでこの高校に入ってしまった。前述した通り僕は推薦入学で入った身だ。虚無と欺瞞で埋め尽くされた文章でこの高校に入学した。いや、してしまったとでもいうべきか。この事実が後の高校人生を狂わせてしまうなどとは知らずに…。僕は、広く核家族と呼ばれる家庭で育った。ごく普通に生活する分には何不自由なく育てられた身だ。そんな暮らしをさせてくれている父母には今も感謝している。だが、それが惨事を招いた。それが、と言うにはあまりにも身勝手かもしれない。なぜなら全て自分の責任であることは明確だからだ。僕は昔っから優柔不断なところがある。これは余談だが親が買ってきたケーキの種類ですら30分以上悩むほどである。こんなネイチャーの持ち主だから、高校なんて選べるはずもなく、(なんてのは言い訳だが)とうとう考える事自体を放棄してしまった。
僕は親に「お前は理系だろう」とよく言われていたと言うだけで高校を選んだのだ。
推薦入試の時に面接で話した「5G」に対する熱弁も「遠隔医療」を確立したいなんて夢も全てでっち上げだった。今思うと少なからず罪悪感に駆られてしまう。兎にも角にも要するに目的意識が僕にはなかった。だから僕は高校が孤島のように感じられ、到底分かり合えないものになってしまったのだ。ちょっと書くのも疲れたので寝ることにする。また気が向いたら書くことにする。おやすみ。「早く自分になりたい者より」
つまらん。それが最初に出た言葉だった。つまらん、つまらんと言葉を紡ぐたびにその真意が不思議と数珠繋ぎに見えてくるものだ。
始まりは一昨年の1月だっただろうか。僕は他の生徒より少しばかり早い一月に推薦入試で進路を決めた。それが、いやそれ以前からこの心のモヤモヤは進行していたのかもしれない…
僕は理系高校の2年生。こんな偏屈な前置きを書くようなものだから、高校生活に疑問を感じていることは書くまでもないだろう。
ただ、今思うところでは、都会に憧れを持ち、晴々とした青春を夢見たあの頃に戻りたいということである。
この2年間はいろんな意味であっという間だった。というのも、楽しい思い出をまぶしたような噛み締める時の流れなどではなく、ぶっきらぼうに時が過ぎたという意味を含んでいる。
さて、どうしたものか。僕は自室で急に我に立ち返っていた。そしてただ自らの心に問うている。僕のしたかったことは何だったのだろう。そんな事を考える。考えれば考えるほどに自責の念が風船の膨らむように強まって、弾けてチル。
虚無の空間に打ちひしがれた心は思考を停止し、段々とバカバカしくなってくるものだ。
こうして一通りの「流れ」を終えたところで私は目の前に転がったドライヤーに手を伸ばし、スイッチを入れる。ゴオオと響く音に耳が多少の違和感を感じていたが、それすら聞こえなくなるほどに僕の無意識が音を拒絶した。本当に何がしたいのだろう。
僕の話の趣旨は二つだ。第一に現環境を脱したいと考えている。言い忘れていたが、この文章は理系高校に進んだ文系生徒がなけなしの言葉をただ気の赴くままに発していると捉えてくれていい。でも一つ注意しておきたいのは、僕は決して勉強、ましてや社会生活全体に生きづらさを感じた精神疾患の持ち主ではない。おっと話がだいぶ逸れてしまったようだ。第二に高校は何のためにあるのか。その謎を解き明かしたい。
僕は正直言って自分は天才だと信じてきた。この心境については後々触れていこうと思うが、おそらくこれを聞いた者は自惚れた可哀想な奴とでも思うかもしれない。しかしそれでも構わない。僕の話を聞いてくれるのなら。もちろん、僕の話を聞いたところで考えが変わることに期待は一切していない。
ただ単にふわっとした気持ちでなんとなく聞いてくれる事を願う。環境の変化について話を戻そう。
3年前。僕は中学3年生だった。クラスでも特に目立った生徒ではなかったが、学年全員の顔と名前が一致するくらいには親交があったつもりだ。生徒会に2年連続で所属し、学校が心から好きだった。今思えばあの頃は一瞬の内に時が過ぎていたように感じられる。毎日が澄んだ川に流れる水のようになめらかに過ぎていった。学校に行くのが楽しみで仕方なかった。そういえば最後に恋をしたのも遡ればこの頃だったりする。しかし、それももう遠い記憶のカケラのように失われて今では正確に思い出すことも困難だ。この文章を書いていて思ったことがある。今の僕の原点はここにあるような気がしていること、そして、その原点から未だ一歩も進めていないということだ。むしろ些か後退したとすら感じている。では、「あの頃」と「今」では何が変わったのだろう。そんな疑問に思いを馳せてみた。環境の変化を考える上で、まず外堀から埋めていくとしよう。主に変わった点は自宅から学校までの物理的な距離。中学校は家から約1キロのところにあった。多少の勾配はあるものの、通いやすかったのを覚えている。そして現在の高校は自宅から約45キロの距離にある。中学時代の45倍の距離である。これは僕の空想だが、こうした距離が学校に対する心の距離を遠ざけていたのかもしれないと今になって思った。大事なのはここからだ。環境面でどのような変化があったのかという問題である。中学校は小学生からの友人とある程度顔ぶれが変わらないものだ。しかし高校になればその環境は一変。全く見も知らぬ生徒が集まってくる。ここで一つ気づいたことがある。もしかしたら、僕はこの高校の生徒ではなかったのかもしれないということだ。自分の本来いるべき場所はココじゃない。そう本能的に察知した瞬間だった。なぜそう思うのか、理由は単純だ。それは目的意識の差異である。僕はなんとなくでこの高校に入ってしまった。前述した通り僕は推薦入学で入った身だ。虚無と欺瞞で埋め尽くされた文章でこの高校に入学した。いや、してしまったとでもいうべきか。この事実が後の高校人生を狂わせてしまうなどとは知らずに…。僕は、広く核家族と呼ばれる家庭で育った。ごく普通に生活する分には何不自由なく育てられた身だ。そんな暮らしをさせてくれている父母には今も感謝している。だが、それが惨事を招いた。それが、と言うにはあまりにも身勝手かもしれない。なぜなら全て自分の責任であることは明確だからだ。僕は昔っから優柔不断なところがある。これは余談だが親が買ってきたケーキの種類ですら30分以上悩むほどである。こんなネイチャーの持ち主だから、高校なんて選べるはずもなく、(なんてのは言い訳だが)とうとう考える事自体を放棄してしまった。
僕は親に「お前は理系だろう」とよく言われていたと言うだけで高校を選んだのだ。
推薦入試の時に面接で話した「5G」に対する熱弁も「遠隔医療」を確立したいなんて夢も全てでっち上げだった。今思うと少なからず罪悪感に駆られてしまう。兎にも角にも要するに目的意識が僕にはなかった。だから僕は高校が孤島のように感じられ、到底分かり合えないものになってしまったのだ。ちょっと書くのも疲れたので寝ることにする。また気が向いたら書くことにする。おやすみ。「早く自分になりたい者より」
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