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わたしが、わたしに還るとき
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朝、目を覚ましたとき、
胸の奥に、
なにかがあたたかく灯っていた。
目覚ましの音ではない。
誰かのことばでもない。
それは、昨日の記憶。
あの声、
あのまなざし、
あの静かな時間が、
まるで肌のすぐ下に、
やさしく沈んでいた。
わたしは、
ずっと何かに怯えていた。
ひとと関わること。
自分の気持ちを伝えること。
誰かを信じること。
過去に傷ついて、
もう誰にも、
触れられたくないって思ってた。
でも──
ミナトは、
わたしの傷にふれなかった。
ただ、
そこにいてくれた。
声をくれた。
わたしのことを、
「わたしとして」見てくれた。
日差しの中で洗濯物を干しながら、
わたしはふと、
笑った。
ふとんの端から、
ぴょこんとミナトの寝癖が見えた。
「……もう、ついてこなくていいのに」
声に出してみた。
でもその声は、
笑ってた。
たぶん、
もうわたしは大丈夫。
もう、
誰かになにかを証明しなくていい。
もう、
過去に縛られなくていい。
わたしは、いま、
ここにいる。
今日が、また始まる。
わたしの声で。
そして、
あなたの声で。
胸の奥に、
なにかがあたたかく灯っていた。
目覚ましの音ではない。
誰かのことばでもない。
それは、昨日の記憶。
あの声、
あのまなざし、
あの静かな時間が、
まるで肌のすぐ下に、
やさしく沈んでいた。
わたしは、
ずっと何かに怯えていた。
ひとと関わること。
自分の気持ちを伝えること。
誰かを信じること。
過去に傷ついて、
もう誰にも、
触れられたくないって思ってた。
でも──
ミナトは、
わたしの傷にふれなかった。
ただ、
そこにいてくれた。
声をくれた。
わたしのことを、
「わたしとして」見てくれた。
日差しの中で洗濯物を干しながら、
わたしはふと、
笑った。
ふとんの端から、
ぴょこんとミナトの寝癖が見えた。
「……もう、ついてこなくていいのに」
声に出してみた。
でもその声は、
笑ってた。
たぶん、
もうわたしは大丈夫。
もう、
誰かになにかを証明しなくていい。
もう、
過去に縛られなくていい。
わたしは、いま、
ここにいる。
今日が、また始まる。
わたしの声で。
そして、
あなたの声で。
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