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#10 Irrésistiblement 〜古い言い回しだけど私は既にあなたのとりこになっていた(3)
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とりあえずよかった。結局は勘違いの笑い話だ。なのに一抹の不安が拭えないのは何故だ。所在なさに耐えきれず、近くの自販機で缶コーヒーを買おうと外に出た時、ドアがピンク色になり白く光った。貴明は何の抵抗もせず吸い込まれていく。
貴明はゲートに消える。後には無音と無言、闇が部屋を支配する。そこには澄香が茫然と立ち尽くしていた。頬には一筋の涙が流れている。
「お兄ちゃん…必ず戻ってくるよね。澄香、待っててもいいよね」
貴明が飛ばされた先には、思った通りすみかがいた。
「すみかちゃん…」
疑念が深まる状況であっても、やはり彼女の顔を見ると嬉しさが先立つ。
「今日はきっと、もう一度会えると思ってました」
何かを知っているような、悟っているような表情。白い肌に碧の瞳も手伝い、日頃からすみかにはミステリアスな雰囲気がある。
「何か知っているんじゃないかと思って来た。教えてほしい。澄香は俺の…」
「妹ですよ。それは間違いない」
「そ、そうだよね。安心した…」
言い終わらないうちに、すみかは言葉を重ねる。
「貴明さんの妹だけど、実は、本当は…」
キッとしたすみかの表情に、貴明は凍りつくような感覚を覚える。
「…澄香は、私なんです」
何を言っているのか皆目見当がつかない。彼女を信頼し、盲目的に愛し始めている貴明だが、これにはつい言葉を荒げる。
「な、なに言ってんだよ!ぜんぜんわからないよ、それはどういう…」
しばしの沈黙が流れる。だが貴明は、うやむやにするわけにはいかなかった。
「わかった。君は嘘を言わない人だ。俺は何を聞いても驚かないよ。そもそも最近不思議なことが続いてるし、こうなりゃどんなことでも受け入れるさ」
改めてすみかの目をまっすぐ見つめる貴明。
「だから、全部話してほしい」
悲しげな表情。すみかは気持ちを伝えようと精一杯努力する。
「4年前あなたに出会えて、私は変われると思いました。この人と一緒にいられたらすべてをリセットできる。そう感じたの」
「うん。嬉しいよ」
「でもアザーサイドが大きな壁になりました。私どう頑張っても、貴明さんのいる世界には長時間いられないことがわかったんです。文字通り、住む世界が違ったんです」
「ドアに強制排除されるっていう以外に、何かあったの?」
「はい。私がそっちの世界に長い時間いると気持ちが悪くなって、まるで自分が消えてしまう感覚に襲われるの。今でもそう」
「すみかちゃん…」
「それでも私はあなたと一緒にいたかった。それができるなら、何がどうなってもいいと思ったんです」
「ごめん、俺は何も知らなくて。どうして君だけが辛い目に…」
「いいんです。でも簡単に会えるわけじゃないし、長く一緒にもいられない。切なくて辛くて、でも大好きな気持ちは毎日毎日毎日強くなって…」
まるで話が見えない。澄香とどんな関係が…ここで貴明がハッと気づく。待てよ、もしもその願いが「すでに叶っている」としたら?
「そうして思い詰めるうち、私はそっちの世界にもう1人の私を生み出していたんです。それはたぶん、あなたと過ごすためだけに存在する私。オーディナリー・ワールドにいる私にはできない、あなたのための私」
「それが澄香…」
「はい。澄香は私の想いが生み出したもう1人の私です。私がそっちに長くいられなくなった理由は、私たちは同じ世界に共存できないからなのだと思います」
なんてこった…澄香。澄香。澄香。澄香。さっきの悲しげな表情の謎が氷解した。
「妹はそれを知っていたの?」
「私にもおぼろげにしか意識できなかったのだから、澄香はハッキリとはわかってなかったはずです。そもそもあの娘が貴明さんの妹になったのは、ほんの4年前で…」
貴明の呼吸が荒くなる。違和感に気づいて狼狽する。
「ちょ、ちょっと待って。それはいくらなんでもおかしいだろ、澄香は18歳だよ…じゃあ子供の頃の記憶は?いや俺だけじゃない、親だって」
「澄香の記憶は、私の記憶がベースになってます。でもある程度まで関係のある人たちと澄香自身には、記憶の操作がなされたようなんです。剣崎家の娘としての記憶が、創作されて付加されたんです。もちろん私には無理だし、誰がやったかわかりません。でもそれは不完全だったようで、だから貴明さんの幼なじみは澄香を知らなかったんだと思います」
「となると、梨杏の言う神の仕業か。どこまでふざけてやがんだ」
すみかは沈痛な面持ちで、でもしっかりとした口調で話を続ける。
「私の分身なのに、どうしてあなたの妹になったのかはわかりません。でもきっと、妹なら確実にそばにいられるからかもしれない」
貴明は、もはや衝撃で意識が消えそうである。
「それが、すみかちゃんのエクストリームの力…」
「はい、梨杏さんからそう聞きました。私には特別な力があると」
「梨杏?梨杏を知ってるの?」
「ええ。あの方は世界を行き来して、私たちを見守ってくれているようです」
「あいつ!だったらなぜ黙ってた!」
「それは澄香のことを思って、じゃないでしょうか」
「‼︎」
すべてが腑に落ちた。自分が澄香に妹の存在を疑う言葉を投げかけた時の、初めて見せた悲痛な表情。
「澄香は私が無理に生み出したから、たぶん存在がとても希薄なんです。常に自身に疑念を感じていて、その不安が現実とわかれば、不安定になってこの世から消える可能性がある。梨杏さんはそれをわかっていたから、私と澄香の関係性を伏せていたんだと思います」
「そんな…だってそれじゃあ、澄香があんまりかわいそうじゃないか」
すみかは、すーっと一筋の涙を流す。
「そう…なんです。私は無意識とはいえ、とんでもないことをしてしまった。自分と同じくらいあなたを愛する女の子を生み出して、しかもその娘は、あなたと決して結ばれることのない妹になった。それはきっと、私よりも先に結ばれたら困るから」
すみかはうつむいたまま、絞り出すように言う。
「…私はずるい。ずるくて、卑怯で、残酷な人間です」
「そんな…澄香自身は、妹という自覚はあるの?」
「わかりません。どこかで私の気持ちを感じて妹を演じていたのかもしれません。でも私と同じようにあなたを愛してるのは間違いないんです。なのに妹だなんて、どんなに辛かったか…」
すみかの澄んだ碧の瞳から、改めて涙があふれる。
「澄香…お前は本当に…優しいのも程々にしろよ…」
「ごめんなさい。私は決して許されないことをしました。私はあなたに愛される資格なんてない。最低の人間です」
業を背負ったすみか。十字架を背負った澄香。2人の苦悩を知った貴明は動揺するが、すぐに本質的かつ決定的な考えに落ち着いた。
貴明はゲートに消える。後には無音と無言、闇が部屋を支配する。そこには澄香が茫然と立ち尽くしていた。頬には一筋の涙が流れている。
「お兄ちゃん…必ず戻ってくるよね。澄香、待っててもいいよね」
貴明が飛ばされた先には、思った通りすみかがいた。
「すみかちゃん…」
疑念が深まる状況であっても、やはり彼女の顔を見ると嬉しさが先立つ。
「今日はきっと、もう一度会えると思ってました」
何かを知っているような、悟っているような表情。白い肌に碧の瞳も手伝い、日頃からすみかにはミステリアスな雰囲気がある。
「何か知っているんじゃないかと思って来た。教えてほしい。澄香は俺の…」
「妹ですよ。それは間違いない」
「そ、そうだよね。安心した…」
言い終わらないうちに、すみかは言葉を重ねる。
「貴明さんの妹だけど、実は、本当は…」
キッとしたすみかの表情に、貴明は凍りつくような感覚を覚える。
「…澄香は、私なんです」
何を言っているのか皆目見当がつかない。彼女を信頼し、盲目的に愛し始めている貴明だが、これにはつい言葉を荒げる。
「な、なに言ってんだよ!ぜんぜんわからないよ、それはどういう…」
しばしの沈黙が流れる。だが貴明は、うやむやにするわけにはいかなかった。
「わかった。君は嘘を言わない人だ。俺は何を聞いても驚かないよ。そもそも最近不思議なことが続いてるし、こうなりゃどんなことでも受け入れるさ」
改めてすみかの目をまっすぐ見つめる貴明。
「だから、全部話してほしい」
悲しげな表情。すみかは気持ちを伝えようと精一杯努力する。
「4年前あなたに出会えて、私は変われると思いました。この人と一緒にいられたらすべてをリセットできる。そう感じたの」
「うん。嬉しいよ」
「でもアザーサイドが大きな壁になりました。私どう頑張っても、貴明さんのいる世界には長時間いられないことがわかったんです。文字通り、住む世界が違ったんです」
「ドアに強制排除されるっていう以外に、何かあったの?」
「はい。私がそっちの世界に長い時間いると気持ちが悪くなって、まるで自分が消えてしまう感覚に襲われるの。今でもそう」
「すみかちゃん…」
「それでも私はあなたと一緒にいたかった。それができるなら、何がどうなってもいいと思ったんです」
「ごめん、俺は何も知らなくて。どうして君だけが辛い目に…」
「いいんです。でも簡単に会えるわけじゃないし、長く一緒にもいられない。切なくて辛くて、でも大好きな気持ちは毎日毎日毎日強くなって…」
まるで話が見えない。澄香とどんな関係が…ここで貴明がハッと気づく。待てよ、もしもその願いが「すでに叶っている」としたら?
「そうして思い詰めるうち、私はそっちの世界にもう1人の私を生み出していたんです。それはたぶん、あなたと過ごすためだけに存在する私。オーディナリー・ワールドにいる私にはできない、あなたのための私」
「それが澄香…」
「はい。澄香は私の想いが生み出したもう1人の私です。私がそっちに長くいられなくなった理由は、私たちは同じ世界に共存できないからなのだと思います」
なんてこった…澄香。澄香。澄香。澄香。さっきの悲しげな表情の謎が氷解した。
「妹はそれを知っていたの?」
「私にもおぼろげにしか意識できなかったのだから、澄香はハッキリとはわかってなかったはずです。そもそもあの娘が貴明さんの妹になったのは、ほんの4年前で…」
貴明の呼吸が荒くなる。違和感に気づいて狼狽する。
「ちょ、ちょっと待って。それはいくらなんでもおかしいだろ、澄香は18歳だよ…じゃあ子供の頃の記憶は?いや俺だけじゃない、親だって」
「澄香の記憶は、私の記憶がベースになってます。でもある程度まで関係のある人たちと澄香自身には、記憶の操作がなされたようなんです。剣崎家の娘としての記憶が、創作されて付加されたんです。もちろん私には無理だし、誰がやったかわかりません。でもそれは不完全だったようで、だから貴明さんの幼なじみは澄香を知らなかったんだと思います」
「となると、梨杏の言う神の仕業か。どこまでふざけてやがんだ」
すみかは沈痛な面持ちで、でもしっかりとした口調で話を続ける。
「私の分身なのに、どうしてあなたの妹になったのかはわかりません。でもきっと、妹なら確実にそばにいられるからかもしれない」
貴明は、もはや衝撃で意識が消えそうである。
「それが、すみかちゃんのエクストリームの力…」
「はい、梨杏さんからそう聞きました。私には特別な力があると」
「梨杏?梨杏を知ってるの?」
「ええ。あの方は世界を行き来して、私たちを見守ってくれているようです」
「あいつ!だったらなぜ黙ってた!」
「それは澄香のことを思って、じゃないでしょうか」
「‼︎」
すべてが腑に落ちた。自分が澄香に妹の存在を疑う言葉を投げかけた時の、初めて見せた悲痛な表情。
「澄香は私が無理に生み出したから、たぶん存在がとても希薄なんです。常に自身に疑念を感じていて、その不安が現実とわかれば、不安定になってこの世から消える可能性がある。梨杏さんはそれをわかっていたから、私と澄香の関係性を伏せていたんだと思います」
「そんな…だってそれじゃあ、澄香があんまりかわいそうじゃないか」
すみかは、すーっと一筋の涙を流す。
「そう…なんです。私は無意識とはいえ、とんでもないことをしてしまった。自分と同じくらいあなたを愛する女の子を生み出して、しかもその娘は、あなたと決して結ばれることのない妹になった。それはきっと、私よりも先に結ばれたら困るから」
すみかはうつむいたまま、絞り出すように言う。
「…私はずるい。ずるくて、卑怯で、残酷な人間です」
「そんな…澄香自身は、妹という自覚はあるの?」
「わかりません。どこかで私の気持ちを感じて妹を演じていたのかもしれません。でも私と同じようにあなたを愛してるのは間違いないんです。なのに妹だなんて、どんなに辛かったか…」
すみかの澄んだ碧の瞳から、改めて涙があふれる。
「澄香…お前は本当に…優しいのも程々にしろよ…」
「ごめんなさい。私は決して許されないことをしました。私はあなたに愛される資格なんてない。最低の人間です」
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