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#10 Irrésistiblement 〜古い言い回しだけど私は既にあなたのとりこになっていた(2)
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「あ、貴明ちゃん。私終電で帰ればいいから、2時間くらいは時間あるよ」
「よかった。でも本気で飲むには中途半端だな。ここらのファミレスでいい?」
「どこでもいいよ。というかそんなの初めて。むしろ行きたい」
「はは、阿寒にはまだないのか」
などと話しながら、一番先に目に入ったジョナサンに入店。ウェイトレスが爽やかな営業スマイルで迎える。
「いらっしゃいませ、ジョナサンへようこそ!」
「あどもどもー、おばんですー、今日はお世話さまですう…」
「よすんだ響子。なんかうまく言えないけどよすんだ」
響子は広い店内や、大きくてカラフルなメニュー表、ウェイトレスの可愛いユニフォームに関心たっぷり。なにせ人生初のファミレスだ。
「チャンバラ屋?…ムース…フォーム?化粧品じゃないよね、これ食べ物なの?」
「ははは、朝はお粥もあるよ」
「す、すごいね、ファミリーは胃に優しいね。阿寒にもできないかなファミリー」
「いや略すならファミレス…」
取り止めのない話をしつつ、貴明は生ビール、響子は赤ワインを片手に再会を楽しむ。
「貴明ちゃんが引っ越してから、景護がずいぶん寂しそうだったんだよ。あなたたち、微妙に気まずいまま別れたでしょ。心残りだったみたい」
「それは俺も同じだよ。おかげで今でも、あいつには簡単に会おうとも言いにくくてさ。それにこっちにいると、やっぱ阿寒はなまら遠くてな」
「男の意地?面倒くさいよね。私なんか今回初めて東京来たけど、真先に貴明ちゃんに会いたいと思ったんだから」
「女の行動力はすごいわ。俺は…俺はさ」
「ん?」
再会と酔いの勢いで、普段は言わない言葉が口をつく。殻に閉じこもった幼少時の記憶とともに。
「俺はさ、子どもの頃からみんなの輪に入れなくて、無駄に強がってたけど本当は寂しかったんだ。自然に受け入れてくれたのは景護と響子だけだったんだよね。感謝してる」
「やー、なんか恥ずかしいしょやー!でも不思議だよね、私と景護は元々そんなに仲良くなかったのに、貴明ちゃんが来てから、なぜか3人でいるのが楽しかったんだー」
「へえ、それは初めて聞いたな。2人は今も阿寒にいるんだろ?」
「そだね。景護は観光協会。私はウチの旅館で修行中だから、ほとんど毎日会ってるわ」
「そっかー。2人が付き合ったりすると、俺的には面白いんだけどな。へへ」
「うーん、実は付き合ってた時期もあるんだけど…」
「まじ?」
「結局ついたり離れたりでイマイチ。貴明ちゃんがいた時はもっと素直になれたのにな。貴明ちゃんって本人は気難しいのに、実は人を結びつける力があるよね」
「そんな素敵な力、俺にあるわけないよ。そうだな、それがあるとしたら妹の方かな」
響子は、キョトンと不思議そうな表情で貴明に尋ねる。
「いもう…と?」
「うん、澄香だよ。2個下の」
「貴明ちゃん…妹なんて、いたっけ?」
…噛み合わない?漠然とした不安が湧いてくる。
「何言ってんのさ、ウチに遊びに来た時会ってるしょ。澄香は小さかったから、顔は覚えてないかもだけど」
「ごめん、わからない。ていうか私も2個下に妹がいるけど」
「ああ、明日菜ちゃんだっけ。澄香とは同級生になるのかな」
「…貴明ちゃんの妹のことなんて、明日菜から一度も聞いたことないよ?」
あれ?なんでだろう。いや響子の勘違いだ。たまたま会ったことがないだけだ。なのに、なぜか頭の中心がグラグラ揺れる感覚はなんなんだ。
「そ、そうか…じゃあいつか紹介するよ。澄香ってんだ、はは」
「そだね。よろしく伝えておいて」
せっかくの再会なのに妙な空気が流れる。さすがの貴明もちょっとまずいと思い、唯一わかる音楽の話で取り繕う。幸いにも響子のフェイバリットがシンディ・ローパーやTOTOなど守備範囲のミュージシャンだったので、それをキッカケに話がはずんだ。
「シンディ好きならフーターズは聴かなきゃだめっしょ!『タイム・アフター・タイム』もフーターズだよ」
「そうなの?でも私、『トゥルー・カラーズ』の方が好きなんだよね」
「いいね!だったらナイル・ロジャースやマーヴィン・ゲイも…」
貴明の面倒くさいトークが炸裂し、あっという間に終電間際になった。
響子を見送り、釈然としない思いで帰途につく。小学校の生徒が100人までいない田舎で妹を知らない?ありえないだろう。
部屋に帰ると、澄香がとびきりの笑顔で待っていた。この無邪気さにどれだけ癒されてきただろうか。
「お帰りお兄ちゃん!飲んできたと思うけどお茶漬け食べない?澄香、ちゃんと出汁取ったんだよ。美味しい梅干しも持ってきたよ」
「あ、ああ、美味そうだな。風呂入ってから食べるよ」
「はーい!」
生まれてこの方、この妹がそばにいない時期なんてほとんどない。なのに、一番仲の良い幼なじみが妹を知らないのはどうかしてる。澄香本人に確かめる?いや、何をだ。
風呂から上がった貴明は、澄香が用意してくれた梅茶漬けの前に座る。
「はいお兄ちゃん、もっかいかんぱーい!」
澄香は烏龍茶、貴明は缶ビールでささやかなライブの打ち上げ。手作りのお茶漬けを食べ終えて、貴明は切り出した。
「なあ澄香」
「んん?」
うつぶせで寝そべってファッション雑誌を読み、短パンからすらりと伸びた脚をパタパタさせる、可愛い癖。
「澄香はさ、俺の妹だよな?」
澄香は一瞬ずっこけたようで、不自然な方向に脚が曲がる。
「あ痛たた、何言ってんのお兄ちゃん!呆れて脚がグネって。ほらグネって」
「当たり前だよな。だけどさ」
「?」
「今日、10年ぶりに阿寒の幼なじみに会ってさ」
澄香の表情が、心なしか一瞬曇る。
「お前のこと知らないって言うんだぜ。ありえないだろ、あんな田舎でさ」
「そ、そりゃおかしいねー」
「だろ、お前ともよく一緒に阿寒湖で遊んだもんな。何でか忘れたけど、冬の湖でお前がわんわん泣いたこともあったよな。その時に響子がいたかは覚えてないけどさ」
「いないと思うよ、私も響子ちゃん?って人とは遊んだ覚えがないもの」
「そっか、たまたま会わなかっただけだよな、うん」
安心しようとする貴明。だが、澄香が不安げな表情を浮かべていたことには、悲しいかな気づいていた。いつもの澄香らしからぬ様子は、貴明を困惑させるに十分だ。
「お兄ちゃん。す、澄香は眠くなりました…」
決まり文句もどことなく弱々しい。
「ごめんな、変な話しちゃって」
「うん、お休みお兄ちゃん」
寝室のドアを閉めてから、澄香は改めて、聞こえない程度に貴明に呼びかける。
「お休みなさい…私の大切な…もう、だめなのかな…」
「よかった。でも本気で飲むには中途半端だな。ここらのファミレスでいい?」
「どこでもいいよ。というかそんなの初めて。むしろ行きたい」
「はは、阿寒にはまだないのか」
などと話しながら、一番先に目に入ったジョナサンに入店。ウェイトレスが爽やかな営業スマイルで迎える。
「いらっしゃいませ、ジョナサンへようこそ!」
「あどもどもー、おばんですー、今日はお世話さまですう…」
「よすんだ響子。なんかうまく言えないけどよすんだ」
響子は広い店内や、大きくてカラフルなメニュー表、ウェイトレスの可愛いユニフォームに関心たっぷり。なにせ人生初のファミレスだ。
「チャンバラ屋?…ムース…フォーム?化粧品じゃないよね、これ食べ物なの?」
「ははは、朝はお粥もあるよ」
「す、すごいね、ファミリーは胃に優しいね。阿寒にもできないかなファミリー」
「いや略すならファミレス…」
取り止めのない話をしつつ、貴明は生ビール、響子は赤ワインを片手に再会を楽しむ。
「貴明ちゃんが引っ越してから、景護がずいぶん寂しそうだったんだよ。あなたたち、微妙に気まずいまま別れたでしょ。心残りだったみたい」
「それは俺も同じだよ。おかげで今でも、あいつには簡単に会おうとも言いにくくてさ。それにこっちにいると、やっぱ阿寒はなまら遠くてな」
「男の意地?面倒くさいよね。私なんか今回初めて東京来たけど、真先に貴明ちゃんに会いたいと思ったんだから」
「女の行動力はすごいわ。俺は…俺はさ」
「ん?」
再会と酔いの勢いで、普段は言わない言葉が口をつく。殻に閉じこもった幼少時の記憶とともに。
「俺はさ、子どもの頃からみんなの輪に入れなくて、無駄に強がってたけど本当は寂しかったんだ。自然に受け入れてくれたのは景護と響子だけだったんだよね。感謝してる」
「やー、なんか恥ずかしいしょやー!でも不思議だよね、私と景護は元々そんなに仲良くなかったのに、貴明ちゃんが来てから、なぜか3人でいるのが楽しかったんだー」
「へえ、それは初めて聞いたな。2人は今も阿寒にいるんだろ?」
「そだね。景護は観光協会。私はウチの旅館で修行中だから、ほとんど毎日会ってるわ」
「そっかー。2人が付き合ったりすると、俺的には面白いんだけどな。へへ」
「うーん、実は付き合ってた時期もあるんだけど…」
「まじ?」
「結局ついたり離れたりでイマイチ。貴明ちゃんがいた時はもっと素直になれたのにな。貴明ちゃんって本人は気難しいのに、実は人を結びつける力があるよね」
「そんな素敵な力、俺にあるわけないよ。そうだな、それがあるとしたら妹の方かな」
響子は、キョトンと不思議そうな表情で貴明に尋ねる。
「いもう…と?」
「うん、澄香だよ。2個下の」
「貴明ちゃん…妹なんて、いたっけ?」
…噛み合わない?漠然とした不安が湧いてくる。
「何言ってんのさ、ウチに遊びに来た時会ってるしょ。澄香は小さかったから、顔は覚えてないかもだけど」
「ごめん、わからない。ていうか私も2個下に妹がいるけど」
「ああ、明日菜ちゃんだっけ。澄香とは同級生になるのかな」
「…貴明ちゃんの妹のことなんて、明日菜から一度も聞いたことないよ?」
あれ?なんでだろう。いや響子の勘違いだ。たまたま会ったことがないだけだ。なのに、なぜか頭の中心がグラグラ揺れる感覚はなんなんだ。
「そ、そうか…じゃあいつか紹介するよ。澄香ってんだ、はは」
「そだね。よろしく伝えておいて」
せっかくの再会なのに妙な空気が流れる。さすがの貴明もちょっとまずいと思い、唯一わかる音楽の話で取り繕う。幸いにも響子のフェイバリットがシンディ・ローパーやTOTOなど守備範囲のミュージシャンだったので、それをキッカケに話がはずんだ。
「シンディ好きならフーターズは聴かなきゃだめっしょ!『タイム・アフター・タイム』もフーターズだよ」
「そうなの?でも私、『トゥルー・カラーズ』の方が好きなんだよね」
「いいね!だったらナイル・ロジャースやマーヴィン・ゲイも…」
貴明の面倒くさいトークが炸裂し、あっという間に終電間際になった。
響子を見送り、釈然としない思いで帰途につく。小学校の生徒が100人までいない田舎で妹を知らない?ありえないだろう。
部屋に帰ると、澄香がとびきりの笑顔で待っていた。この無邪気さにどれだけ癒されてきただろうか。
「お帰りお兄ちゃん!飲んできたと思うけどお茶漬け食べない?澄香、ちゃんと出汁取ったんだよ。美味しい梅干しも持ってきたよ」
「あ、ああ、美味そうだな。風呂入ってから食べるよ」
「はーい!」
生まれてこの方、この妹がそばにいない時期なんてほとんどない。なのに、一番仲の良い幼なじみが妹を知らないのはどうかしてる。澄香本人に確かめる?いや、何をだ。
風呂から上がった貴明は、澄香が用意してくれた梅茶漬けの前に座る。
「はいお兄ちゃん、もっかいかんぱーい!」
澄香は烏龍茶、貴明は缶ビールでささやかなライブの打ち上げ。手作りのお茶漬けを食べ終えて、貴明は切り出した。
「なあ澄香」
「んん?」
うつぶせで寝そべってファッション雑誌を読み、短パンからすらりと伸びた脚をパタパタさせる、可愛い癖。
「澄香はさ、俺の妹だよな?」
澄香は一瞬ずっこけたようで、不自然な方向に脚が曲がる。
「あ痛たた、何言ってんのお兄ちゃん!呆れて脚がグネって。ほらグネって」
「当たり前だよな。だけどさ」
「?」
「今日、10年ぶりに阿寒の幼なじみに会ってさ」
澄香の表情が、心なしか一瞬曇る。
「お前のこと知らないって言うんだぜ。ありえないだろ、あんな田舎でさ」
「そ、そりゃおかしいねー」
「だろ、お前ともよく一緒に阿寒湖で遊んだもんな。何でか忘れたけど、冬の湖でお前がわんわん泣いたこともあったよな。その時に響子がいたかは覚えてないけどさ」
「いないと思うよ、私も響子ちゃん?って人とは遊んだ覚えがないもの」
「そっか、たまたま会わなかっただけだよな、うん」
安心しようとする貴明。だが、澄香が不安げな表情を浮かべていたことには、悲しいかな気づいていた。いつもの澄香らしからぬ様子は、貴明を困惑させるに十分だ。
「お兄ちゃん。す、澄香は眠くなりました…」
決まり文句もどことなく弱々しい。
「ごめんな、変な話しちゃって」
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