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第14話 はじめての……
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食事を終えたリリスが部屋に戻った後、クロエは洗濯に出されていたロランの服を持って問い詰めていた。
「ロラン、この服の染みは何?」
クロエが指さした先にはゴブリンの体液が付着してできた染みがある。
「え? あ……」
「まさか、リリスちゃんでしたんじゃないだろうね? 命の恩人に向かって、まさかそんなこと……」
「ち、違うよ。それはゴブリンが出したねばねばで……」
「えっ!?」
クロエの表情にはありありと嫌悪の色が浮かんだ。
「あとは? どこについたの?」
「え? あ、たぶん上だけ……」
するとクロエは大きなため息をついた。
「まったく。ちょうどいい機会だから教えておくけど、これは男が女を孕ませるためのもんだよ。大人になればアンタも出すんだからね」
「えっ!?」
ロランはリリスの態度を思い出したのか、顔を真っ青にした。
「いいかい? くれぐれもリリスちゃんに迷惑をかけるんじゃないよ? いいね?」
「う、うん」
「じゃあ、この服は捨てるよ。いくらなんでもゴブリンのアレが付いた服なんて着られないからね」
ロランはなんとも居心地が悪そうにそうしながらも、なんとか頷いたのだった。
◆◇◆
隣の部屋に人が入っていく音が聞こえた。きっとロラン君が仕事を終えて戻ってきたのだろう。
窓から見える景色はすっかり闇に包まれており、メインストリートとは反対側のこの部屋から見える光は夜空に瞬く星々だけだ。
先ほど食レポ動画の編集を終え、アップロードしたのでもう今日はやることがない。
だが問題なのは、どうにも満たされた感じがしないことだ。
夕飯はかなり量があったし、味もなかなかに美味しかった。本来ならばお腹いっぱいになっていて然るべきなのだが、まだ空腹感がある。
いや、どちらかというとまるで食べた気がしないと言ったほうが正しいかもしれない。
前世の感覚で当てはめると、単に水を飲んだだけといった感じが近い。多少腹が膨れた感覚はあるものの、それだけだ。
もともとそれほどお腹が空いていたわけではないので我慢はできるものの、ゴブリンの精気を飲んだときのほうがよほど満たされた感覚がある。
……ということは、つまりそういうことなのだろう。
この体は、精気を食べる必要がある。おそらく普通の食べ物も食べられるが、それは単なる嗜好品ということなのだろう。
なんとも頭の痛い話だ。
ただ、ここで悶々としていても始まらないし、まさか村にいる男を襲うわけにもいかない。
……よし、眠ってしまおう。
あれ以上普通の食事を食べても意味がなさそうだし、空腹だってきっと我慢し続ければそのうち大丈夫になるはずだ。
そう考え、俺はゴロンとベッドの上で横になった。
そうしていると、何やら隣の部屋からロラン君の声が聞こえてくる。
この建物は防音など考えていないであろうこの木造住宅だ。当然、隣の部屋の物音は簡単に聞こえてしまうのだ。
「リ、リリスさん……」
何やら苦しそうな気もする。
大丈夫だろうか? 助けが必要なら行ってあげたほうが……。
じっと耳を澄ましてみると、はぁはぁという荒い息遣いが聞こえてくる。
「ううっ、こんなに固く……」
ん? どういうことだ?
それからさらに何かを擦るようなしゅっしゅっという小さな音も聞こえてくる。
「う、リリスさん、リリスさん……」
あ……これってもしかして?
「リリスさん、リリスさん……」
声がうわずっていき、しゅっしゅという音もテンポが早くなっていく。
あー、うん。ロラン君、ごめんな。俺、中身男なんだ。異世界の。
「うっ」
ロラン君のうめき声が聞こえてきた。臭いは漂ってこなかった。
「ほ、本当に僕もあんな……」
ロラン君の少し驚いたような声が聞こえてくる。
ああ、うん。まあ、そうだな。とりあえず、おめでとうでいいのかな?
自分がオカズにされるというのはなんとも複雑な気分だが、まあ、なんというか、こういうのは仕方がないだろう。
クラスの女子だったりアイドルだったり、オカズは人それぞれだろうが、男であれば誰もが通った道だ。いちいち気にしていたら始まらない。
もっとも剛はそのまま二次元に走っていったわけだが……。
まあ、その、なんだ。俺のこの体、淫魔の一種なだけあって見た目だけは抜群だ。ついついオカズにしてしまうのも無理はない。
ただ、はじめてオカズの中身が男だと知ったらどんな気分になるのだろうか?
俺としてはそのことが可哀想でならない。
そんな取り留めのないことを考えていると、なんとなく空腹感が少しマシになってきた。
よし、今がチャンスだ。
そう考えた俺はそのまま目を閉じ、眠りにつくのだった。
================
次回は村の偉い人に会いに行きます。果たして受け入れてもらえるのでしょうか? お楽しみに!
「ロラン、この服の染みは何?」
クロエが指さした先にはゴブリンの体液が付着してできた染みがある。
「え? あ……」
「まさか、リリスちゃんでしたんじゃないだろうね? 命の恩人に向かって、まさかそんなこと……」
「ち、違うよ。それはゴブリンが出したねばねばで……」
「えっ!?」
クロエの表情にはありありと嫌悪の色が浮かんだ。
「あとは? どこについたの?」
「え? あ、たぶん上だけ……」
するとクロエは大きなため息をついた。
「まったく。ちょうどいい機会だから教えておくけど、これは男が女を孕ませるためのもんだよ。大人になればアンタも出すんだからね」
「えっ!?」
ロランはリリスの態度を思い出したのか、顔を真っ青にした。
「いいかい? くれぐれもリリスちゃんに迷惑をかけるんじゃないよ? いいね?」
「う、うん」
「じゃあ、この服は捨てるよ。いくらなんでもゴブリンのアレが付いた服なんて着られないからね」
ロランはなんとも居心地が悪そうにそうしながらも、なんとか頷いたのだった。
◆◇◆
隣の部屋に人が入っていく音が聞こえた。きっとロラン君が仕事を終えて戻ってきたのだろう。
窓から見える景色はすっかり闇に包まれており、メインストリートとは反対側のこの部屋から見える光は夜空に瞬く星々だけだ。
先ほど食レポ動画の編集を終え、アップロードしたのでもう今日はやることがない。
だが問題なのは、どうにも満たされた感じがしないことだ。
夕飯はかなり量があったし、味もなかなかに美味しかった。本来ならばお腹いっぱいになっていて然るべきなのだが、まだ空腹感がある。
いや、どちらかというとまるで食べた気がしないと言ったほうが正しいかもしれない。
前世の感覚で当てはめると、単に水を飲んだだけといった感じが近い。多少腹が膨れた感覚はあるものの、それだけだ。
もともとそれほどお腹が空いていたわけではないので我慢はできるものの、ゴブリンの精気を飲んだときのほうがよほど満たされた感覚がある。
……ということは、つまりそういうことなのだろう。
この体は、精気を食べる必要がある。おそらく普通の食べ物も食べられるが、それは単なる嗜好品ということなのだろう。
なんとも頭の痛い話だ。
ただ、ここで悶々としていても始まらないし、まさか村にいる男を襲うわけにもいかない。
……よし、眠ってしまおう。
あれ以上普通の食事を食べても意味がなさそうだし、空腹だってきっと我慢し続ければそのうち大丈夫になるはずだ。
そう考え、俺はゴロンとベッドの上で横になった。
そうしていると、何やら隣の部屋からロラン君の声が聞こえてくる。
この建物は防音など考えていないであろうこの木造住宅だ。当然、隣の部屋の物音は簡単に聞こえてしまうのだ。
「リ、リリスさん……」
何やら苦しそうな気もする。
大丈夫だろうか? 助けが必要なら行ってあげたほうが……。
じっと耳を澄ましてみると、はぁはぁという荒い息遣いが聞こえてくる。
「ううっ、こんなに固く……」
ん? どういうことだ?
それからさらに何かを擦るようなしゅっしゅっという小さな音も聞こえてくる。
「う、リリスさん、リリスさん……」
あ……これってもしかして?
「リリスさん、リリスさん……」
声がうわずっていき、しゅっしゅという音もテンポが早くなっていく。
あー、うん。ロラン君、ごめんな。俺、中身男なんだ。異世界の。
「うっ」
ロラン君のうめき声が聞こえてきた。臭いは漂ってこなかった。
「ほ、本当に僕もあんな……」
ロラン君の少し驚いたような声が聞こえてくる。
ああ、うん。まあ、そうだな。とりあえず、おめでとうでいいのかな?
自分がオカズにされるというのはなんとも複雑な気分だが、まあ、なんというか、こういうのは仕方がないだろう。
クラスの女子だったりアイドルだったり、オカズは人それぞれだろうが、男であれば誰もが通った道だ。いちいち気にしていたら始まらない。
もっとも剛はそのまま二次元に走っていったわけだが……。
まあ、その、なんだ。俺のこの体、淫魔の一種なだけあって見た目だけは抜群だ。ついついオカズにしてしまうのも無理はない。
ただ、はじめてオカズの中身が男だと知ったらどんな気分になるのだろうか?
俺としてはそのことが可哀想でならない。
そんな取り留めのないことを考えていると、なんとなく空腹感が少しマシになってきた。
よし、今がチャンスだ。
そう考えた俺はそのまま目を閉じ、眠りにつくのだった。
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