エロフに転生したので異世界を旅するVTuberとして天下を目指します

一色孝太郎

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第85話 捜査の準備?

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 それから俺はヴィヴィアーヌさんとレオニーさんに連れられ、少し離れた場所にある婦人服店にやってきた。

 そこで俺の貧民街への潜入捜査用の服を買う予定だったのだが……。

「どれも似合う~」

 レオニーさんが次から次へと服を持ってきて試着をさせられている。最初のころは長い耳を隠せるようにきちんとフードの付いた地味な服が多かったのだが、徐々にファッションショーへと変化していったのだ。

「ねえねえ、リリスちゃん! 次はこれ着てみて!」

 もはや完全に着せ替え人形状態で、言われるがままに服を着てはレオニーさんとヴィヴィアーヌさんに披露する。

「ヴィヴィちゃん、さっきの服と今の服、どっちのほうが似合ってると思う?」
「え? ええ、そうね。さっきのほうがいいかな? 今の肩出しスタイルも可愛いけど、ちょっとセクシーすぎるんじゃないかしら?」
「ええっ? こんなのまだまだセクシーじゃないでしょ? セクシーって言うのは、こういうのを言うんだから! さ、次はこれ!」

 レオニーさんが差し出してきたのは生地のやたらと薄い青みがかった淡いグレーのワンピースだ。

「ほらほら、女しかいないんだから大丈夫だって!」
「え? あ、で、でも……」
「いいからいいから。ね? ちょっとだけだから」

 レオニーさんに拝み倒され、たじろいでいるとレオニーさんがするりと後ろに回りこんだ。そして慣れた手つきで俺の服をするりと脱がせにかかる。

「え? れ、レオニーさん?」
「はい、手を上にあげてくださ~い」
「え? え?」

 あれよあれよという間に服を脱がされ、その薄いワンピースを着せられてしまった。

「う……」
「ヤバい! リリスちゃん超セクシー!」

 レオニーさんが興奮した様子でそう叫んだ。

 ああ、うん。まあ、鏡に映る自身の姿を見れば同意せざるを得ない。

 着せられたワンピースはおへその形まで見えそうなほどにピタッとしている。そのうえ胸元だけが白いレースになっており、完全に胸の谷間が透けて見えているのだ。しかもどうしてこんなサイズがあったのかと疑問に思うほど体にフィットしており、綺麗な乳袋までできている始末だ。

 さらにスカートには骨盤の近くまでスリットが入っているため、油断すれば中身が見えてしまうことは間違いない。

「こ、これはちょっと……」

 あまりの恥ずかしさに顔から火が出てしまいそうだ。

「ヴィヴィちゃん、どうどう? 最高にセクシーじゃない?」
「あ、う、うん。そうね。でも、そういうのはさすがに旦那さんに見せるくらいしか使えないと思うかな……」

 ヴィヴィアーヌさんもこの過激な服には困っている様子だ。

「そうかぁ。そうだね。じゃあ、これはリリスちゃんが将来着るように買っておこっか」
「へっ?」
「何言っているの? いざってときのために一着くらいはこういの、持ってないとね」

 そう言われ、なぜかレティシアとミレーヌと一夜を明かしたときのことを思い出す。

「あ! その表情は心当たりアリだ!」
「そ、そんなこと……」
「いいからいいから。アタシ分かってるから。皆まで言わなくていいよ。さあ、次着てみよっか」

 ニヤニヤしながらレオニーさんは俺を次の服に着替えさせるのだった。

◆◇◆

 それから何時間にもわたってひたすら着せ替え人形にされ、最終的にヴィヴィアーヌさんが選んでくれた地味な町娘風の服を三着とフード付きのゆったりとしたマントを購入して俺たちは服屋を出た。

 あれだけ試着しまくったのはいったいなんだったのだろうか?

 ちなみにお代は合計でなんと五十八トーラ、なんとパン屋での日当に換算すると十一日以上だ。にわかには信じられないくらい高かったわけだが、服屋に行くのはこれが初めてなのでぼったくられたのかどうかは分からない。

 とはいえ警備隊の兵士と近衛兵がいて何も言わなかったのだから、ぼったくられたということはいくらなんでもないはずだ。ということは、女物の服が高いというのはこの世界でも変わらないということなのだろう。

 まあ、日本にいるときに俺が買った女物の服は妹が小学生のときまでだが……。

 それはさておき、地味な町娘風の服にマントを着てフードを被って町を歩いていると、普段と違って通行人の視線があまり集まっていないことを実感できる。

 もちろん胸は隠しきれていないが、マントの前を閉じてしまえばそのまま生地が下に流れるおかげでシルエットが隠せている。だがそれは裏を返せば体型が判別できなくなったため、突き出た胸の影響で太っているように見えるということでもあるのだ。

 別に体を見せつけたいという気持ちはまったくないのだが、デブだと思われていると考えるとなんとも微妙な気分になる。

 ではマントなど着なければいいじゃないかと言われそうだが、それもそれで微妙なのだ。というのも、町娘風の服はどれもサイズが合っていないのだ。一番マシなサイズを選んでもらったものの、それでも胸の部分が少しきつい。にもかかわらず肩幅や腰はぶかぶかで、それをベルトで無理やり締めているのでかなり微妙な状態となっているのだ。

 ファッションにあまり詳しくない俺ですら分かるレベルで微妙なため、あまりその格好では出歩きたくない。だから潜入捜査をしている間はなるべくマントを着ていようと思っている。

 とまあ、そんなわけで久しぶりに他人の視線を気にせず快適に町を歩き、宿泊しているホテルへ戻ってきた。フードを取り、中に入るとフロントマンが出迎えてくれる。

「リリス・サキュア様、おかえりなさいませ。こちら、ルームキーでございます」
「ありがとうございます」

 差し出されたルームキーを受け取ると、同行してくれたヴィヴィアーヌさんにお礼を言う。

「ヴィヴィアーヌさん、今日は服を選んでくれてありがとうございました。それにレオニーさんも。これからしばらくの間、よろしくお願いします」
「ええ。リリス様、お役に立てて何よりです」
「ふふっ。勝負服も買えたし、これからよろしくね」

 ん? 勝負服? なんのことだ? 記憶にないが……まあ、いいか。

「はい。それではまたあとで」

 これからホテルにチェックインするというヴィヴィアーヌさんとレオニーさんを残し、俺は自室に戻った。そしてすぐさまベッドに体を投げ出すと、何やらビックリマークだけが表示されている小さなウィンドウが浮かんでいることに気付く。

 なんだ? これは? 初めて見るな。

 ビックリマークをタップするとウィンドウが大きくなり、『アバター衣装として登録可能な服を入手しました。登録しますか?』と表示されている。

 え? 服を買うとアバターにできるのか? それはありがたい!

 俺はすぐさま『はい』をタップした。すると『一着の衣装が登録されました。登録した衣装に着替えますか?』と表示されたので、『はい』をタップしてみる。

 すると着ていた町娘の服がベッドの脇にきちんと畳まれた状態で置かれ、俺はなんとあのスケスケの薄いドレスを身に纏っていた。

「っ!?!?!?」

 何が起きたのか分からずフリーズしていると、部屋の扉がノックされた。

「リリス様、チェックインが終わりました。入ってもよろしいですか?」
「えっ? あ、はい……?」

 ガチャリと扉が開き、ヴィヴィアーヌさんとレオニーさんが中に入ってきた。

 え? あ! 今なんで俺ははいって言ったんだ? ちょ、ちょっと待っ――。

「あ! リリスちゃん、やっぱりその勝負服、気に入ったんだ!」

 レオニーさんがニヤニヤしながら俺のほうに近づいてきた。

「うーん、やっぱり五十トーラの勝負服は違うね~」

 は? 五十トーラ? ということは高かったのってこれが入ってたから!?

「こ~んな美人にこんな服着てもらえるなんて、彼氏がうらやましいなぁ~」
「※#$%&~~~!?」

 俺はそのまま頭を抱え、ベッドの中に潜り込んだのだった。
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