聖魔の乙女は運命を転がす~落ちこぼれ回復士の私が救世主になって魔王に愛される理由~

つかさ

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第五章

決勝戦のハプニング

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 チーム・ルキウスのリーダーであるルキウスは、魔法士であり弓使いでもある。
 だが彼の最大の武器はその分析力だった。
 ルキウスの仲間は前衛に槍と剣が1人ずつと魔法士と回復士が1人ずつ。

 ルキウスは武器種別の弓部門で優勝経験もある弓の名手である。
 だが、彼は同時に魔法も使いこなす。

 彼らは次の決勝でぶつかるチーム・ゼフォンの分析を行っていた。

「これまでの試合を分析すると、ゼフォンは雷属性の槍スキルと広い範囲に展開できる防御壁を持っている。剣士のイヴリスは魔法の代わりに精霊召喚を使うトリッキーな相手だ。しかも先日の試合では魔法攻撃を反射させるスキルを発動していた。僕の見たところ、やはりこの2人の能力が突出している」

 ルキウスはテーブルの上に広げた紙に、対戦相手の名前とスキルを書き込んでいた。
 その紙を見ながら魔法士が云った。

「驚異的なのは、彼らの魔力です。最初から最後まで強力なスキルを使用していました。それでもまったく魔力が落ちる気配がないというのはとても信じられません」
「上級魔族というものは、魔力も桁違いなのかもしれないな」
「弓のマルティスは上級クラスの使い手ですが、特に突出した能力は認められません。それよりももっと謎なのはもう1人の方です」

 回復士が発言した。

「あの、魔法具の女ですね」
「ええ。あの魔法具を使うだけなら、わざわざあのパーティにいなくても良いと思いませんか?」
「ああ、あれならば上級の魔法士を1人入れた方がもっと強くなるというのは皆が言っていることだ」

 ルキウスは観客たちが最近話題にしていることを発言した。

「なにか理由があるのだと思います。あの女でなくてはならない理由が」
「人間ならば、魔力供給ということも考えられるんだが、相手は魔族だ。それはありえない」
「ならば、先にその女を倒してみたらどうでしょう。それで役目がわかるかもしれません」
「なるほど。しかしゼフォンとイヴリスの防御と反射が厄介だぞ?」

 槍士がそう指摘すると、ルキウスが提案した。

「僕に策がある」


 そしてついに上級トーナメントの決勝戦の日。

 VIP席には魔王とサレオスの姿があった。
 ウルクとジュスターを除く聖魔騎士団もその後ろに揃っていた。

「闘士のいる闘技場のグラウンドと客席の間には見えない魔法のバリアが施されています。SS級魔法士の魔法でも破れない程のかなり強力なバリアが二重に展開されているので、闘士側からも客席側からも攻撃したり回復したり、何かを投げ込んだりできないようになっているそうですよ」

 ユリウスの説明を魔王は不機嫌そうに聞いていた。

「おまえは、我がトワの敵に攻撃するとでも思っているのか」
「トワ様に万一のことがあれば、誰かが対戦相手に手を出してしまいかねないと思いましたので、全員に周知しておいた方が良いかと」
「フン」

 魔王はそう云ったが、彼自身、もしそのような事態になった時、力を使わないという自信はなかった。

 そうしている間にも、闘技場内に闘士たちが入ってきた。
 ゼフォンやイヴリスに続いて、栗色の髪をしたトワが入ってきた。

「あれ、本当にトワ様なの?」
「ええ。髪色を変えているだけですよ」

 ネーヴェの問いにユリウスが答えた。

「よもやこんな場所でトワ様を見ることになろうとは…おいたわしい」

 カナンの意見は皆の気持ちを代弁していた。

 決勝とあって、闘技場には入りきれない程の観客が詰めかけた。
 満員の観客が見守る中、決勝戦が始まった。

 いつもの通り、開幕一番にゼフォンが強力な雷属性の範囲スキルを放つ。
 魔法士が防御壁を前衛2人の前に展開し、ゼフォンのスキルを最低限のダメージに抑えた。
 イヴリスは精霊召喚を行い、風の精霊<エアリアル>を召喚し、マルティスも弓のスキルで攻撃を開始した。

「最初から全力だな」
「相手の方もなかなかのスキルの使い手だ」

 カナンが云うと、隣にいたシトリーがルキウスの防御のスキルが高いことを褒めた。

 ルキウスは弓を構えたまま魔法壁を展開し、イヴリスに矢を射かけていた。器用に魔法と弓を使い分けているのは、精霊に対する戦い方を工夫したものだ。
 イヴリスは物理反射盾スキルを発動し、反射盾を自分の前面に展開した。
 すると今度はルキウスは魔法を撃った。
 イヴリスはそれを避けながら後退し、今度は魔法反射盾を展開する。ルキウスはイヴリスが一度に物理と魔法反射盾を展開できない弱点をついてきたのだ。

 槍士が回復士の支援を受けてゼフォンの前に出た。
 その間に剣士が弓矢を構えるマルティスの前にジャンプして来て、マルティスは苦手な接近戦を仕掛けられることになった。
 ルキウスの狙いは、敵に連携させないことだった。

 1人フリーになった魔法士は、後方にいたトワに魔法を撃とうとした。
 トワはそれを水鉄砲で防いだ。魔法士は水鉄砲を避けようと駆け出した。
 その魔法士の後を水鉄砲を構えたままのトワが追尾し始めた。

「誘いに乗るな。それは罠だ」

 客席の椅子から身を乗り出した魔王は、思わず叫んだ。

 <エアリアル>の攻撃を魔法壁で防ぎながらイヴリスに魔法を撃っていたルキウスが、弓を構えた。イヴリスは慌てて反射盾を物理に変更する。
 その一瞬の隙をついて、ルキウスは別の方向へ弓を構えた。
 イヴリスはハッとした。
 ルキウスの矢の先には、魔法士を追っていたトワの姿があった。

「しまった!」

 ルキウスの弓から矢が放たれた。
 ゼフォンもイヴリスも自分の前の敵に気を取られて、トワから目を離してしまっていた。
 マルティスも剣士の攻撃から逃げるのが精一杯で、自分から離れていたトワを追えなかった。

 矢はトワの背の肩甲骨の上に突き立った。

「きゃあっ!」

 彼女はその衝撃で倒れ込んでしまう。

 これを見ていた魔王はうめき声を上げて思わず立ち上がった。
 サレオスとアスタリスがそれを押えた。
 聖魔騎士団全員も同じように反応した。
 カナンは「素人が…!」と憎々し気に口走っていた。

 魔法士は立ち止まり、倒れたトワを振り返って、彼女に向かって魔法を詠唱しだした。
 倒れたままのトワは、魔法士から逃げることができない。

 その瞬間、闘技場と客席の間に張られていた透明なバリアがピシッ!と音を立てて破壊された。
 異変を感じた一部の観客が、「何だ?」ときょろきょろ見回していた。

「くっ…な、なんだ、体が重い…?」

 なぜか魔法士は動きを止めた。
 その隙に、トワの前にマルティスが飛び出して来た。
 その直後、詠唱を終えた魔法士の手から火炎弾が放たれた。
 マルティスは正面から炎の塊を浴びることになってしまった。

「マルティス!」

 トワは倒れたまま、痛みをこらえて彼を回復させた。
 マルティスの正面にいた魔法士は、目の前で彼が一瞬で回復したのを見て怯んだ。

「回復スキルか?!ならばこれならどうだ!」

 魔法士は立て続けに彼に向けて風、火と攻撃魔法を撃った。
 防御スキルを持っていないマルティスは、無防備にただ魔法を受け続けた。
 だが、すぐに回復されてしまう。
 魔法士はハッと気づいた。
 矢を受けて倒れてる後ろの少女が、必死で手を伸ばしていた。

「まさか、この少女が回復させているのか…?」

 何度もマルティスが魔法攻撃を受けてもその傍から回復していく様は異様な光景に見えた。
 この様子に、観客席からもざわめきが起こった。

「おい、あの娘が回復させてるんじゃないのか」
「いや、そりゃないだろ?だって魔族だぜ?」
「あの弓のヤツが回復スキル持ってるんじゃないのか?」

 そんな声があちこちから聞こえ始めて、客席はざわついていた。
 イヴリスが、<エアリアル>にルキウスの相手をさせている隙に、マルティスとトワの元へ駆けつけた。

「よくもトワ様を!」

 彼女は2人の前に魔法反射盾を展開したまま、魔法士の前に躍り出て剣を叩き込んだ。
 マルティスはイヴリスと入れ替わるように剣士に弓矢を撃ちこんだ。
 更にゼフォンが後退してきてトワたちを守ったので、ルキウスも陣形を整えようと仲間に集合を掛けた。

「無事か?」
「来るのがおせーよ。見ろ、俺の弓が焦げちまったじゃねえか」
「トワ様は?」

 マルティスがトワを抱き起す。

「しっかりしろ!つか、おまえ、矢が突き立ってんぞ。抜いてやる」
「ちょっ…待って、自分で回復…」

 マルティスがトワの背中に刺さった矢を手加減なく抜いた。
 矢を抜いたところから血が噴き出し、抜いた矢からも血が滴っていた。

「いったーーーーーい!!」

 トワの悲鳴が闘技場中に響き渡った。
 その声にゼフォンも振り返った。

「おい!乱暴すぎるぞ!」

 VIP席にいた魔王たちの視線はマルティスに注がれた。それは、それだけで人が殺せるのではないかと思う程の強く、抗議に満ちた視線だった。

「何をやってるんですか、マルティスさん!」
「あ…悪りぃ…。そっか、おまえ人間だったんだな」

 トワは自分で自分を回復したが、その痛みは彼女をキレさせた。

「何すんのよ!バカ!!あんたには思いやりってもんがないの?!」

 戦闘中にも関わらず、トワはマルティスの頬を思いっきりビンタした。

「いてぇ!」

 その様子に観客たちは爆笑した。

「うおぉぉぉぉ!」

 ゼフォンが吠えた。
 マルティスがトワにビンタを食らった直後、ゼフォンは槍士と剣士の前に躍り出た。
 イヴリスもギアを上げた。
 ルキウスは<エアリアル>の魔力が上がったことを感じ、そのスピードと手数の多さに次第に苦戦していった。
 トワに矢を放ったルキウスに、怒ったゼフォンは<嵐牙雷>を放ち、彼をマヒ状態にした。
 その後、広範囲スキル<雷迅光>を立て続けに放つと、槍士と回復士が感電状態になって倒れた。
 こうなると、もはやゼフォンは無双状態になっていた。
 かろうじて難を逃れた剣士は、ルキウスに駆け寄って彼にポーションを使った。

 魔法壁を自分に展開していたルキウスは、ダメージを減らしていたため、ポーションのおかげでいち早く麻痺から回復した。そこへマルティスがお返しとばかりに矢を放った。
 矢はルキウスの両手の甲を射抜き、その手から弓を落とさせた。

 イヴリスは魔法士を剣で倒した後、ルキウスにターゲットを変更した。

「よくもトワ様を撃ったな!」

 ルキウスは弓を持てない代わり、魔法で迎撃した。
 イヴリスが魔法反射盾を展開すると、彼は自分の撃った魔法と<エアリアル>の魔法を同時に防がねばならなかった。おまけにマルティスの矢も飛んでくる。
 ゼフォンは剣士に迫り、タイマン勝負に持ち込んだ。
 ルキウスは周囲を見回した。剣士はあきらかに劣勢で、槍士と回復士は倒れたまま、魔法士も闘技場の隅で倒れている。
 そして自分は得意な弓が使えない。
 ふと、彼らの後方に座り込んでいる少女が目に入った。
 気にしていなかったが、彼女は前方で戦っている3人に向けて、両手を広げていた。
 彼女は詠唱をしているようには見えなかったが、ルキウスにはわかった。
 ゼフォンらが全力でスキルを使って攻撃できる理由が。

「魔力の尽きない相手とじゃ勝負にならないな」

 彼はフッと笑いながら防御スキルで攻撃を防いでいる。
 そのルキウスの傍に、剣士がゼフォンに弾き飛ばされてきた。

「ルキウスさん、私はゼフォンには勝てません。これ以上は消耗するだけです」
「そうだね。僕も手が痛いし。これ以上は続けても意味がないよね。…彼らの秘密も明らかになったし、良しとしようか」

 ルキウスは手を上げて、敗北宣言を行った。

「勝者、チーム・ゼフォン!」

 審判がそう云い放つと、客席から大歓声が起こった。
 だが、ゼフォンもイヴリスも、そしていつもはアピールを欠かさないマルティスも喜んではいなかった。
 座り込んでしまっていたトワの元へ、3人が駆け付けた。

「大丈夫か?…すまん、俺の注意が散漫だった」

 ゼフォンが申し訳なさそうに彼女を気遣った。

「ううん、私が調子に乗り過ぎたから…ごめん」
「私ももっと注意を払うべきでした。それにしても、マルティスさん、ちょっと見直しました」
「だろー?」
「思いやりはないけどね…超痛かったわよ。見てよこの血」
「あー。悪かったよ。だけど庇ってやったんだからそんくらい我慢しろよ。あ、あと痛そうにしとけよ?」

 観客の歓声の中には、ざわめく声が混じっていた。
 それは、マルティスが戦闘中に回復していたのではという疑問や推測についての声だった。

「って、もう手遅れか…。これはヤバイかもな…」

 マルティスは呟いた。

 こうして一抹の不安を残したまま、チーム・ゼフォンは優勝を果たしたのだった。
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