麗しの騎士様の好きな人

アズやっこ

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 王太子様に連れられルトが離れて行ったので私はどうしようか迷っていたら、王女様が話しかけてきた。


「サリーリ様、おめでとうございます。ジークをお願い致しますわね」

「ありがとうございます」

「わたくしの我儘でお二人の婚姻を早めてしまい申し訳ありませんわ」

「いえ、私も早く婚姻したかったので、感謝致します」

「ケイニーお兄様の婚姻も見れ、ジークの幸せな顔も見れ、もう思い残す事は御座いませんわ」

「王女殿下もお幸せにおなり下さいませ」

「ええ、勿論ですわ」


 私はルトの方を見つめた。


「兄上にも困ったものだ。ジークの花嫁を一人にさせて」

「ケイニーお兄様、それは仕方ありませんわ。エリオお兄様とジークは幼馴染みであり長年の友ですもの。個人的にお話もありますわよ」

「俺もジークにお祝いを言いたいのだが」

「それはわたくしもですわ。待つしか御座いませんわね」

「サリーリ嬢、婚姻おめでとう。ジークと幸せにな」

「ありがとうございます」


 王女様と元第二王子様と話していたら、王太子様とルトが帰って来た。


「兄上、ジークを独り占めするのは止めて下さい」

「悪かった」

「ジーク、おめでとう。ようやくジークにも幸せがやって来て嬉しいよ」

「ありがとな」

「これからはお互い当主として頑張っていこう」

「俺はこれからだ。マリーを見送ってから本格的に指導して貰う事になっている。いずれは義父上の跡を継ぐが、今は義父上の足元にも及ばないさ。それに俺は剣を振ることしか出来ない能無しだ」

「元々頭は良いんだ。大丈夫だよ」

「だと良いが」

「ジーク、おめでとう」

「ありがとな、マリー」

「最後にジークの幸せな顔を見れて本当に良かったわ」

「心配かけた」

「そうね。サリーリ様がわたくしのお茶会に来るといつも落ち着きなくて、記憶が戻ったら心ここにあらずでやる気が無くて、婚約したら離れたくないと日々やつれていったわ。貴方、わたくしの護衛って分かってる?って何度思ったか。

それでも長年サリーリ様を慕って、サリーリ様以外の女性とは懇意に話す事もせず、側に寄り付かせる事もさせず、休みの日は花壇の前で辛そうな顔をしていつも遠くを見ていた。サリーリ様を長年慕う気持ちは本物だと、わたくしはジーク兄様の幸せを見届けないと嫁げないと思ってたわ」

「マリーすまない」

「ジーク兄様が幸せになれてわたくし、本当に嬉しいの」

「ああ。今度はマリーの番だ」

「そうね」

「王子は優しい。それにマリーを心から慕っている。だけど隣国に嫁げば味方はいない。マリーを命がけで護る騎士もいない。そんな中に可愛い妹を送り出すのは心配だ」

「そこはわたくしの頑張り次第だわ。それにわたくし、負けっぱなしは嫌いなの」

「マリーはお転婆だからな。木の上に登って皆を困らすなよ」

「いつの話よ」

「マリー、幸せになれ。俺はマリーなら王子と幸せに暮らしていけると信じてる」

「勿論ですわ」


 婚姻の挨拶も終わり、私達は王宮を出て、伯爵家へ向かった。


「リー、付き合わせて悪かったな」

「大丈夫よ。流石に王族を婚姻式に呼べないもの」

「だな。だけど、俺にとって幼馴染みであり友であり家族みたいな大事な人達だ。彼奴等のお陰で婚姻式も早められた。そのお礼と幸せな俺達の姿をどうしても見せたかった」

「分かってるわ」


 ルトは隣に座る私の手を引いて、膝の上に座らせた。後ろから抱きしめられ、


「幸せだ……」

「私も」

「ようやく花嫁にできた」

「幼い私が夢に見たルトの花嫁さんにようやくなれたわ」

「花冠も似合ってる」

「わざわざ王宮の花壇まで取りに行ってくれてありがとう」

「これが無いと花嫁にした気になれなくてな」

「ううん、嬉しかった。私も花冠を乗せてルトのお嫁さんになりたかった」

「リー、もう離さない。愛してる」

「私ももう離れない。ルト、愛してる」


 ルトの大きな手が私の頬を優しく撫でる。見つめる瞳には優しさと愛しさが滲み出てる。

 ルトの唇が私の唇と重なり、口付けをした。重なる唇から舌が入り込み、私の舌を絡めとる。身体中熱くなり、頭がボーっとして、ルトを見つめる。

 私を見つめるルトの瞳。熱のこもった熱い眼差しが私を射るように見つめる。獲物を見つけたハンターの様に必ず仕留めると、絶対に逃さないと、この獲物は俺の物だと主張するような。 逃げ場を失ったのは獲物の私…。 それでも、全てを委ねても構わないと思う程、狩ってほしいと思う程、私の身体も反応しているのが分かる。

 あ~、今日食べられる…。


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