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番外編 ⑨
5歳になったフィルは産婆さんが言ったようにとてもお喋りになった。
「母様、僕、ようやく父様に剣を教えてもらったんだ」
「そう、良かったわね」
「僕が騎士になったら母様とフェスをまもるんだ」
「フィルも頼もしくなったわね」
「僕、父様とはライバルなんだ。父様ね、母様とフェスをまもるのは俺だって言うんだ。だから僕は父様に負けない騎士にならないといけないんだ。それに赤ちゃんの兄様になるし、もっともっと強くなるから見ててね?」
フィルは私のお腹を撫で、
「母様、赤ちゃんは男の子かな?女の子かな?僕ね男の子がいい。だってフェスだと剣のけいこも出来ないし、木登りだって出来ないもん。この前なんてフェスに木登りさせようとしたら父様にものすごくおこられたんだよ?女の子に何をさせるんだって。だから今度は男の子がいい。母様、男の子うんでね?」
「ふふっ、それは分からないわ。産まれてからのお楽しみよ? 父様が怒ったのはまだフェスが木登りするには小さいからよ?それにフェスは女の子だから木登りはしないと思うわ」
私はフィルの頭を撫で、
「母様、フィルが騎士になるの楽しみにしてるわね?母様とフェスを護ってくれるのでしょ?」
「うん。でも爺ちゃまの跡も継がないと。爺ちゃまと約束したんだ」
「あらあらフィルは大変ね?」
フィルは私のお腹に顔を近づけ赤ちゃんに話しかける。
「兄様だよ、聞こえる?兄様がまもってあげるからね、心配しないでね」
「おい!フィル!」
「父様?」
「稽古をさぼって母様と何をしてるんだ」
「母様とお話。それに今はきゅうけいって父様が言ったんだよ?」
「さあ休憩は終わりだ。素振りをやってみろ」
フィルは私の前で素振りをしている。ルトは私の横に座り、
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
ルトは少し目立つ様になったお腹を優しく撫でる。
「ルトは休憩の間どうしてたの?」
「フェスの寝顔を」
「また?」
「どれだけ見ても可愛い娘なんだ、いいだろ?」
「別に良いけど、やっぱり私は娘とルトを取り合うのよね」
「俺の愛しい姫はリーだけだ」
「はいはい、フィルが待ってるわよ?」
「リー」
「フィルもよく喋るようになったわ」
「だから言っただろ?いつか話すようになるって」
「そうだけど」
「子供の成長って早いわよね」
「父様!」
「あぁ、悪い」
ルトはフィルの元へ行き、私はフェスの様子を見に行こうと立ち上がった。
「リーどこに行く」
「フェスの様子を見てくるわ」
「危ないから駄目だ。少し待っててくれ」
「大丈夫よ。ルトはフィルを見てあげてね」
「リー!」
私はルトを無視し歩き出した。先日一人で庭の散歩中、小石に躓いて転けてすり傷を作ってから一人の散歩は禁止された。
その日、ルトはお父様と出掛けてて、フェスは昼寝中でお母様が見ててくれ、フィルはレイに剣を習っていた。ルトが最近忙しくてなかなかフィルの剣の稽古を見る事が出来ず、代わりにレイが見てくれる事になったからだ。
勝手知ったる我が家の庭だし、フィルの時もフェスの時も庭の散歩は毎日欠かさずしていた。フィルの時はルトやレイと。フェスの時は歩くのが楽しいフィルと手を繋いで。後ろにルトかレイはいたけど…。
その日は本当にたまたま一人で散歩していて、伸びをしながら歩いたから小石に躓いた。すり傷っていっても手のひらにうっすらと血が滲む程度。
私は手の傷よりもお腹の赤ちゃんが心配で医師を呼んだんだけど…。それがいけなかった。医師からお父様に伝わり、お父様からルトに…。帰って来たルトに一人で歩くのは禁止と言われた。
フェスの部屋に入り、寝ているフェスを見て、
「レイありがとう。代わるわ」
「お嬢様、もしかして一人で庭からお戻りになられたのですか?」
「そうよ」
「ジークルト様は何をしているのですか。またお嬢様が転けたらどうするつもりなのでしょう」
「ほら、ルトはフィルに剣の稽古つけてる所だから」
「それでも」
「フィルは父様に教えて貰えるのが嬉しいみたいだし」
「そうですけど」
「私なら大丈夫よ?ゆっくり歩いて来たし、ね?」
「分かりました」
「レイも休憩して?フェスの夜泣きは落ち着いたけど今でもフィルやフェスと一緒に寝てるでしょ?なかなかゆっくり眠れてないんじゃないの?」
「いえ、お二人共朝までぐっすりお眠りですから」
「それでもこの子が産まれたらまた子守りよ?もうそろそろフィルやフェスにもメイドを付けないといけないわね。お父様に相談してみるわ」
「お嬢様!」
「何?」
「私の楽しみを奪わないで下さい。フィル坊っちゃんとフェス嬢様と過ごすのが私の幸せなのです。後、お嬢様のお世話も誰にも譲りません」
「レイ、貴女は一人しかいないのよ? 何度も言ってるけどフィルやフェスの世話だけでも大変なの。だから私にはシアがいるから大丈夫」
「シアには譲りませんから。お嬢様を世話し護るのは私の生き甲斐です」
「分かったわ」
シアも私付きのメイドでレイはシアの教育係だった。だから私付きになったのだけど…。レイはシアでさえ私を触らせようとしない。着替えるのもお化粧も髪を結う事も。このままではレイが倒れてしまうわ。
「母様、僕、ようやく父様に剣を教えてもらったんだ」
「そう、良かったわね」
「僕が騎士になったら母様とフェスをまもるんだ」
「フィルも頼もしくなったわね」
「僕、父様とはライバルなんだ。父様ね、母様とフェスをまもるのは俺だって言うんだ。だから僕は父様に負けない騎士にならないといけないんだ。それに赤ちゃんの兄様になるし、もっともっと強くなるから見ててね?」
フィルは私のお腹を撫で、
「母様、赤ちゃんは男の子かな?女の子かな?僕ね男の子がいい。だってフェスだと剣のけいこも出来ないし、木登りだって出来ないもん。この前なんてフェスに木登りさせようとしたら父様にものすごくおこられたんだよ?女の子に何をさせるんだって。だから今度は男の子がいい。母様、男の子うんでね?」
「ふふっ、それは分からないわ。産まれてからのお楽しみよ? 父様が怒ったのはまだフェスが木登りするには小さいからよ?それにフェスは女の子だから木登りはしないと思うわ」
私はフィルの頭を撫で、
「母様、フィルが騎士になるの楽しみにしてるわね?母様とフェスを護ってくれるのでしょ?」
「うん。でも爺ちゃまの跡も継がないと。爺ちゃまと約束したんだ」
「あらあらフィルは大変ね?」
フィルは私のお腹に顔を近づけ赤ちゃんに話しかける。
「兄様だよ、聞こえる?兄様がまもってあげるからね、心配しないでね」
「おい!フィル!」
「父様?」
「稽古をさぼって母様と何をしてるんだ」
「母様とお話。それに今はきゅうけいって父様が言ったんだよ?」
「さあ休憩は終わりだ。素振りをやってみろ」
フィルは私の前で素振りをしている。ルトは私の横に座り、
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
ルトは少し目立つ様になったお腹を優しく撫でる。
「ルトは休憩の間どうしてたの?」
「フェスの寝顔を」
「また?」
「どれだけ見ても可愛い娘なんだ、いいだろ?」
「別に良いけど、やっぱり私は娘とルトを取り合うのよね」
「俺の愛しい姫はリーだけだ」
「はいはい、フィルが待ってるわよ?」
「リー」
「フィルもよく喋るようになったわ」
「だから言っただろ?いつか話すようになるって」
「そうだけど」
「子供の成長って早いわよね」
「父様!」
「あぁ、悪い」
ルトはフィルの元へ行き、私はフェスの様子を見に行こうと立ち上がった。
「リーどこに行く」
「フェスの様子を見てくるわ」
「危ないから駄目だ。少し待っててくれ」
「大丈夫よ。ルトはフィルを見てあげてね」
「リー!」
私はルトを無視し歩き出した。先日一人で庭の散歩中、小石に躓いて転けてすり傷を作ってから一人の散歩は禁止された。
その日、ルトはお父様と出掛けてて、フェスは昼寝中でお母様が見ててくれ、フィルはレイに剣を習っていた。ルトが最近忙しくてなかなかフィルの剣の稽古を見る事が出来ず、代わりにレイが見てくれる事になったからだ。
勝手知ったる我が家の庭だし、フィルの時もフェスの時も庭の散歩は毎日欠かさずしていた。フィルの時はルトやレイと。フェスの時は歩くのが楽しいフィルと手を繋いで。後ろにルトかレイはいたけど…。
その日は本当にたまたま一人で散歩していて、伸びをしながら歩いたから小石に躓いた。すり傷っていっても手のひらにうっすらと血が滲む程度。
私は手の傷よりもお腹の赤ちゃんが心配で医師を呼んだんだけど…。それがいけなかった。医師からお父様に伝わり、お父様からルトに…。帰って来たルトに一人で歩くのは禁止と言われた。
フェスの部屋に入り、寝ているフェスを見て、
「レイありがとう。代わるわ」
「お嬢様、もしかして一人で庭からお戻りになられたのですか?」
「そうよ」
「ジークルト様は何をしているのですか。またお嬢様が転けたらどうするつもりなのでしょう」
「ほら、ルトはフィルに剣の稽古つけてる所だから」
「それでも」
「フィルは父様に教えて貰えるのが嬉しいみたいだし」
「そうですけど」
「私なら大丈夫よ?ゆっくり歩いて来たし、ね?」
「分かりました」
「レイも休憩して?フェスの夜泣きは落ち着いたけど今でもフィルやフェスと一緒に寝てるでしょ?なかなかゆっくり眠れてないんじゃないの?」
「いえ、お二人共朝までぐっすりお眠りですから」
「それでもこの子が産まれたらまた子守りよ?もうそろそろフィルやフェスにもメイドを付けないといけないわね。お父様に相談してみるわ」
「お嬢様!」
「何?」
「私の楽しみを奪わないで下さい。フィル坊っちゃんとフェス嬢様と過ごすのが私の幸せなのです。後、お嬢様のお世話も誰にも譲りません」
「レイ、貴女は一人しかいないのよ? 何度も言ってるけどフィルやフェスの世話だけでも大変なの。だから私にはシアがいるから大丈夫」
「シアには譲りませんから。お嬢様を世話し護るのは私の生き甲斐です」
「分かったわ」
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