麗しの騎士様の好きな人

アズやっこ

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番外編 13

 今日は庭でルトがフィルに剣の稽古を指導している。それを私は木陰に椅子を置いて見ている。

 ファルは…、

 うん、そこらへんをコロコロ転がってるわ。 この子抱っこ嫌いらしくて、抱っこすると泣くのよね。移動する時は仕方なく諦めてるみたいだけど、移動以外の時は…転がってるわね…。

 フェスはシアに部屋の中で絵本を読んでもらってるわ。


「若奥様」

「ニック、どうしたの?」

「若奥様、俺にも幸せを頂けませんか」

「そうよね」

「はい、お願いします。若奥様だけなんです」

「分かってる」

「おい!!ニック!! 俺のリーだぞ!お前分かってるよな!剣を抜け!」

「ルト!待って!」

「リーは口を挟むな!これは男と男の戦いだ!」

「ルト!」

「なんだ!」

「ルトは勘違いしてる」

「してない!こいつはリーだけだと言った!俺のリーだ!俺の愛しい妻だ!俺の愛しいお姫様だ!」

「違うの!ルト聞いて!」

「リーはこいつの味方か!」

「ジークルト!!」

「ッ!」

「私の話を聞いて下さいますね?ジークルト様」

「すまない」

「私の話を聞いて下さいますか?」

「ああ、聞く。だから…」

「なら剣をおしまい下さい」

「わ、分かった、すぐしまう」


 ルトは慌てて剣をしまった。


「ニック」

「はい、若奥様」

「貴方も言葉足らずだわ」

「すみません」

「ルト、ごめんなさいね」

「リー」


 ルトは私を抱きしめた。


「ニックはね、レイと結婚したいのよ」

「は?」

「え?気付いてなかったの?」

「は?レイってあのレイ?」

「レイは一人しかいないわね」

「レイとニックがな…」

「それでね、ニックはもうそろそろ結婚したいの。だけどレイがね…」

「レイは結婚なんかしないだろ」

「そうなのよ。だからニックが頼んで来たわけなの。分かった?」

「ああ」


 ルトはギュッと私を抱きしめ、私を離した。


「それで?」

「だからね、レイを説得してって頼まれてたの。だけどレイも頑なでね…」

「ニックも大変だな」

「そう思うなら若旦那様も協力して下さい」

「ニック、ルトに頼んでも無理よ?だってルトだってレイに勝てないもの」

「まぁな…悪い」

「ニック、私に任せて?何とかレイを説得するから」

「お願いします」


 私達の所にレイが来て、


「ファル様の昼寝の時間ですが」

「あの子寝るかしら。

それより、レイ、もういい加減ニックと結婚してあげたら?そりゃあ私が口出す事じゃないわよ?それでもニックも可哀想じゃない、ね?」

「ならニックは別の女性と結婚すれば良いかと」

「レイ、私ね?最近思うの。レイの子供がフィルやフェス、ファルの側にいてくれると嬉しいなって。

男の子ならファルの友達になれるかもしれないじゃない?それにもし騎士になったらフィルの護衛騎士としてずっと護ってもらえるでしょ?

レイとニックの子供なら強い子になるわ」

「お嬢様」

「もし女の子ならレイみたいにメイド件護衛になるかもしれないじゃない?そしたらフェスだって安心だわ。フェスがお嫁に行っても今度はフィルの奥さんやファルの奥さん、その子供達も護ってもらえるじゃない?私安心だわ」

「お嬢様」

「私が口出す事ではないし、二人で決める事だからこれ以上言う気はないわ。それでもレイにも幸せになってもらいたいの。

レイが結婚してもメイドとして働きたいっていうなら結婚しても私の側にいて?」

「お嬢様、分かりました。私、ニックと結婚して子供産みます」

「そ、そう」

「出来れば双子が良いのですが、そればかりは分かりませんから頑張りますね」

「レイ?子供は授かりものよ?分かってる?」

「お嬢様を思う気持ちで出来る気がします」

「レ、レイ?」

「ニック、早く結婚して子作りしないと。どんどんお嬢様のお子様達が大きくなってしまうわ」

「なら結婚してくれるか?」

「するわ」

「おっし!」


 ニックがレイを抱きしめた。

 え?これで良いの?


「ニック?」

「若奥様ありがとうございます」


 良いみたいね…。



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