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番外編 15
ケイニス様の息子さん達がケイニス様に連れられてやって来た。
ケイニス様はルトと少し話をして帰られた。
「リー、フィル、この子達がケイニーの息子だ。長男のワンス、次男のエンスだ」
「ワンス君にエンス君ね。よろしくね?」
「「よろしくおねがいします」」
「ワンスは7歳、エンスはフィルと同じ5歳だ」
「フィルにもお友達が出来そうね」
「ああ」
「早速剣の稽古をするぞ」
「「「はい」」」
「エンスはニック、基礎から教えてくれ」
「分かりました」
ニックとエンスは二人で少し離れた所に移動した。
「お嬢様」
「ありがとう」
レイは私を木の影がある椅子へ案内してくれた。ファルもそこで一緒にいる。
木刀を手をしたルトがフィルとワンスに渡し、二人の稽古を見つめている。
「父様、僕も基礎からですか?」
「体を慣らす為にも基礎からだ」
「僕はもう終わってます」
「駄目だ。ワンスと一緒にするんだ」
「チェッ」
「フィル!」
「はい」
フィルには厳しくすると聞いていたし、フィルの為にも友と一緒に何かをする楽しみを感じてほしいと私も思っている。
暫くして、基礎から始めた二人がルトと打ち合いを始めた。
「ではワンスから」
「はい、おねがいします」
ルトとワンスをフィルは見つめている。
「次はフィル」
「はい」
ルトとフィルの様子をワンスは見つめている。
「では次は二人で」
「「はい」」
「フィル、ワンスと互角に戦え」
「父様分かりました」
「では始め!」
フィルとワンスが打ち合い、フィルがワンスの木刀を弾いた。
転がる木刀…
「フィル!」
「はい父様」
「俺は何と言った!互角に戦えと言ったはすだ」
「父様、互角にと言っても僕の方が強い」
「何度も言わせるな!互角に戦え!」
フィルは少しふてくされながらワンスと木刀を合わせる。
打ち合い、フィルはまたワンスの手から木刀を弾いた。
「フィル!互角とはどういう意味だ、言ってみろ!」
「同じ力で…」
「そうだ」
「でも父様、同じ力じゃない。僕の方が強い」
「だから何だ」
「なら父様、僕と互角に戦って下さい」
「分かった」
ワンスが二人から離れ、ルトは木刀を手にしフィルと向かい合う。
二人が打ち合い…
大人のルトの方が、元近衛騎士のルトの方が強いのは戦わなくても歴然としてる。
それでも…
互角にフィルと戦っている。
決して手を抜いている訳ではない。
剣を扱わない私にも分かる。
互角の勝負
「お嬢様」
「レイ」
「ジークルト様はフィル様の力の分だけでフィル様と戦っています」
「それなら手を抜いているように見えるはずよ?」
「間合い、交わし、攻める時、護る時、冷静な判断でフィル様と戦っています」
「だから互角に見えるのね」
「フィル様は力任せな所がありましたから」
「そうね」
「ワンス様と剣を交える事で何か気付き学び、そしてまた成長する。きっとジークルト様もそれを望んでいるのだと思います」
「そうね」
「かつてご自分がそうだったように」
「ん?」
「私相手に力任せではなく相手に合わせる。あの時は成長というよりは、ジークルト様を護る為でしたが」
「そうね…」
「それでもその時があったからこそ騎士として成長したはずです」
「ええ」
「それに口で説明するより体で覚える、フィル様はジークルト様に似ていますから」
「ふふっ、それもそうね」
私は未だに続いている二人の打ち合いを見つめ、父と子、親子の戦いを微笑ましく思った。
だってルト、とっても嬉しそうな顔しているもの!
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