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これは…
娘のローゼ目線
「おじちゃんどうしたの?どこか痛いの?」
「…ネット」
「何?私はローゼよ? おじちゃん泣いてるの?はいハンカチあげる」
「ローゼ!置いてくぞ!」
「兄様待って~」
私は泣いてるおじちゃんの元から兄様の元へ走って行った。私は母様にそっくりって言われるの。母様にそっくりって言われるのがものすごく嬉しいの。だって母様綺麗なんだもの。それに父様に愛されてる母様は幸せなの。だから私も父様みたいに母様を一途に愛する人を見つけるの。私は母様みたいになりたいんだ。
仲良く手を繋いでイチャイチャラブラブしてる父様と母様を見つけ、
「父様~、母様~」
二人の元に走っていくの。
◇◆◇
………目線
目の前を愛しい人が通って行った。
自然と涙が溢れた。
二人の息子だろう男の子が
「父様、今日は俺の剣も買って下さい。俺は父様みたいな騎士になりたいんだ。父様みたいに強くなりたい」
と、父親に言っている。
俺も子供の頃父上の様な騎士に、強い騎士になりたいと憧れ尊敬した。
そして、俺も自分の子供に父上の様に尊敬される騎士になりたいと遠い昔に願った。
「あ~、兄様ばっかりずるい!父様、私もぬいぐるみ買って~」
と、二人の娘だろう女の子が話してる。
「愛しい人に似た女の子…」
俺は涙が止まらない…。
息子に尊敬される父になりたい、愛しい人によく似た娘がほしい、俺が望んだ家族の姿が目の前にあった。
俺が自ら壊した。己の愚かさで全てを失くした。
愛しい妻も、尊敬される父も、妻に似た可愛い娘も。
俺に残ったのは何だ。
愛しい妻に贈ったドレス、アクセサリー、神の前で誓い互いにはめた結婚指輪…。
俺は後悔した。失って気づいたってもう遅い。誰を一途に愛しているか。
今でも愛して愛して愛してやまない愛しい人。
今度は間違えない、もしまた愛しい人が俺を信じてくれて俺と共に歩んでくれるなら、今度は絶対に間違えない。
だから愛しい人よ、
もう一度俺にチャンスを…。
もう一度俺に愛する資格を…。
もう一度俺の側にいてほしい…。
毎日願い望んだ。
俺が毎日願い望んだ事はもう叶わないと…。
俺の望んだ家族はもう手に入らないと…。
胸元に入ってるあの日渡せなかったネックレス。
見つけた瞬間愛しい人の瞳だ、と、
贈るにはこれしかない、と、
こんな事はこれで最後にしよう、と、
愛しい妻の元に戻ろう、と、
思った…。
俺は己の指輪と愛する妻の指輪を握り締め、流れる涙を拭う事なく、
目の前の幸せな家族を只々見つめ絶望した………。
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