私と貴方の宿命

アズやっこ

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学年が違えば貴方と会う事はないと思っていたの。

だって、どうしても貴方を探してしまうから。

身分違い

そんな事分かっているわ。

それでも貴方を探してしまうの。




「アメリア、今日は食堂で食べましょ」

「良いわよ」

「初めてで何かドキドキするわね」

「そうね」

「何食べようかな~?」

「私も何食べよう」

「楽しみね」

「私も楽しみよ」


昼食は食堂で食べるか、家から持ってくるか、サンドイッチとか軽食が置いてある売店で買って外のベンチで食べるか、皆好きなようにしてるわ。

それに食堂はいつも満員で席を取るのも一苦労なの。

私達のように爵位も下で学年も下だと中々入りにくいわね。

それでも食堂でしか食べれないメニューもあるから並んででも、席を待ってでも食堂に行きたいとクラスの子が話してたわ。



食堂に着くともういっぱいだった。

私も友達のデイジーと並んだわ。今日、子爵令嬢のフローラは学園を休んでいるの。
フローラは大勢が集まる食堂は苦手みたいでいつも3人で外のベンチで食べてるから、初めて来る食堂に私も少しワクワクしているわ。


「アメリア、やっぱりいっぱいね」

「仕方がないわよ。並んでいればいつかは入れるわ」

「それもそうね。今のうちに何食べるか決めましょ」

「そうね」


私達は順番を待ってようやく食堂へ入り、注文した。

出来上がった料理を持って席を探す。


「アメリア、あそこ空いてる」

「空いてて良かったわね」


私達は席に座り、


「私はハンバーグにしたの。アメリアは?」

「私はオムライスよ。クラスの子が美味しかったって話してたのが聞こえたの」


私達は食べ始めた。


「ねぇねぇアメリア」

「なに、デイジー」

「あそこ見て」


私はデイジーが目線を向けた場所を見た。


「王族は特等席ね」

「それは仕方がないわよ。安全面とか色々あるもの」

「そうだけど」

「ほらデイジー食べましょ」


食堂の一角、この国の第一王子と婚約者、側近の方達が座り昼食を食べていたの。


「ランフェル、遅いぞ!先に食べ始めたぞ!」


ランフェル、その名にドキッとした。

声のする方を見ると第一王子のエドワード王子が私達を通り越した後ろに居るであろう貴方に声を掛けた。


「黙れ」


その声は直ぐ後ろから聞こえたように思えた。

貴方の声を聞いた時、

私は背筋に冷たいものが走った。

体が強張り、

変な汗が流れた。


私達の隣を通り過ぎる貴方に気づかれないように息をひそめる。


気づかれてはいけない


咄嗟にそう思った。

それでも、


気づいて


心の奥深く、

私の内にある何かがそう訴える。



私達の横を通り過ぎた貴方に、

ホッと胸を撫で下ろし、

私は目の前にあるオムライスを食べ始めた。


「アメリア、オムライス美味しい?」

「美味しいわよ。デイジーも一口食べる?」

「良いの?」

「良いわよ」


私達は話しながら、時に笑って昼食を食べた。

私達が食べ終わる頃には食堂も空いてきて、


「何かデザートでも食べようかな?」

「デイジーまだ入るの?」

「デザートは別腹でしょ!」

「ふふっ」


デイジーはデザートを買いに行ったわ。

私はデイジーの姿を眺め、


ふふっ


デイジー、ものすごく悩んでるわ。


ふふっ




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