私と貴方の宿命

アズやっこ

文字の大きさ
7 / 63

しおりを挟む

あれから食堂へは行っていないわ。フローラがいる事もあるけど、貴方をどうしても見つけ見つめてしまうから…。


今日もいつものようにデイジーとフローラと外のベンチで昼食をとっていた。

すると、私達と同じようにベンチで食べている令嬢達が、


「エドワード王子だわ」


その声に私達も目を向ける。

王子は婚約者と仲良く手を繋ぎ歩いていた。その後ろには王子といつも一緒にいる貴方の姿も…。

私は貴方の姿を見つめる。

遠く離れた所を歩く貴方が気づくはずもない。

それに他のベンチにも座っている人達は多い。

その他大勢の中の一人。

気づくはずもない。

そう、

思った。


貴方と目が合い

見つめ合う


まるで時が止まったように、

周りの声が聞こえない。

どちらも目線をはずさない。


「私、今、ランフェル様と目が合ったわ」

「私と目が合ったのよ」


違うベンチに座る令嬢の声が聞こえた。


そうよね。
貴方と見つめ合っていたと思っていたけど、貴方はたまたまこちら側を見ただけ。目が合ったと思ったのは私だけよね。

貴方が私を見る訳がないもの。



「アメリア?」

「なに、デイジー」

「なにぼうっとしているの?」

「お腹がいっぱいになるとぼうっとしない?」

「分かる!眠くなっちゃうのよね」

「ね?」

「昼からの授業、寝ちゃいそうよ」

「デイジー、寝ちゃだめよ?」

「アメリア、デイジーに言っても無駄よ。たまに寝てるから」

「え?」

「フローラ、それは言っちゃだめよ」


私達は3人で顔を見合わせ笑いあった。


「ねぇねぇ、私、昨日お菓子を作ったの。今日の帰り家に来ない?」


フローラはお菓子作りが趣味で、お菓子を作ると度々家に誘ってくれるの。


「私は大丈夫よ。私、フローラのお菓子大好き。美味しいから楽しみだわ。アメリアはどうするの?」

「私もお兄様に伝えれば大丈夫よ。私もフローラのお菓子大好きよ。楽しみだわ」



授業が終わり、

帰りの馬車を待つお兄様の元へ向かった。


「お兄様」

「アメリア」

「お兄様、今からフローラの家に行ってもいい?」

「フローラ嬢の家にか?」

「フローラがお菓子を作ったからって誘ってくれたの。だめ?」

「分かった。美味しいからって食べすぎるなよ?」

「お兄様!」

「お前この前も「食べすぎた、今日で絶対太った」って言ってただろ?」

「フローラのお菓子美味しいんだもの。ついつい食べすぎちゃうのよ」

「それでも太りたくないんだろ?」

「お兄様!」


私はちょっと怒った顔をお兄様に向けたわ。


「帰りの馬車を向かわせるからそれまでだからな?」

「分かってる」


お兄様は私の頭を撫で、


「アメリア、楽しんでこい」

「うん」


私はお兄様と別れ、フローラとデイジーの元へ向かった。

フローラの家の馬車でフローラの家に向かい、3人で楽しくお喋りしながら美味しいお菓子を食べすぎたのは…仕方がないわよね…。


しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。

『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』

鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」 幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された 公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。 その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、 彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。 目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。 だが、中身は何ひとつ変わっていない。 にもかかわらず、 かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、 「やり直したい」とすり寄ってくる。 「見かけが変わっても、中身は同じです。 それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」 静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。 やがて彼女に興味を示したのは、 隣国ノルディアの王太子エドワルド。 彼が見ていたのは、美貌ではなく―― 対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。 これは、 外見で価値を決められた令嬢が、 「選ばれる人生」をやめ、 自分の意思で未来を選び直す物語。 静かなざまぁと、 対等な関係から始まる大人の恋。 そして―― 自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。 ---

婚約破棄!ついでに王子をどん底に突き落とす。

鏡おもち
恋愛
公爵令嬢パルメは、王立学院のパーティーで第一王子リュントから公開婚約破棄を突きつけられる。しかし、周囲の同情をよそにパルメは歓喜した。

勘違いだらけの契約婚

仲室日月奈
恋愛
「血塗られし瞳を持つ忌み子」と揶揄され、厄介払い同然で売られた伯爵令嬢のミリアリア。こんな自分を望んでくれた若き侯爵へ嫁ぎ、恩を返すため忠誠を誓う。臣下として尽くす姿勢に、夫が内心ひどく狼狽しているとは知らずに──。 誤解と忠誠が交差する、契約夫婦のすれ違いラブコメ。契約で結ばれた二人が、本当の夫婦になるまでのお話。 【忠犬系ヒロイン×感情整理が追いつかない旦那様】

(完結)「君を愛することはない」と言われて……

青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら? この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。 主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。 以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。 ※カクヨム。なろうにも時差投稿します。 ※作者独自の世界です。

処理中です...