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休み明け学園に行き、馬車を下りた所で、
「アメリア嬢」
突然声をかけられた。
「ランフェル様? おはようございます」
「ああ、おはよう。あれから調子はどうだ」
「はい、その節は助けて頂きありがとうございました」
「いや、大丈夫なら良いんだ」
「はい、ありがとうございました」
「アメリア」
「はい、お兄様」
「どういう事だ?」
「お兄様と一緒に昼食した後に調子が悪くなってランフェル様に助けて頂いたの。医務室まで送り届けて頂いたの」
「それは妹が申し訳ありませんでした」
「いや」
休み明け、声をかけると言われていた。でも朝とは思わなかったけど。
ラフェ様は左手の小指に昨日買ったお揃いの指輪をはめていた。私はチェーンに通し首から下げている。
私は首から下がる指輪を握り、
ラフェ様と目が合う。
ラフェ様は自分の左手の小指を見て、私の握る手を見て、優しい微笑みで私を見つめる。私も同じようにラフェ様に微笑み返し、
「アメリア、遅刻するぞ」
「はい、お兄様。では、ランフェル様お先に失礼します」
「ああ」
私はお兄様とラフェ様に見送られながら先に教室へと向かった。
ラフェ様はそれからも度々私を見かけると「調子はどうだ?また倒れていないか?」と気にかけ話しかけてくれる。
デイジーはその光景を満足したように眺めている。
「良かったわね」
「デイジーのおかげよ。ありがとう」
今日は久しぶりに食堂へ来た。いつものように並び、お兄様がいる席に座る。
「アメリア、デイジー」
「リアム様お待たせ」
「さあ食べよう」
デイジーとお兄様は仲良く話していて、私は2人の話を聞きながら昼食を食べる。デイジーとお兄様は今とても良い雰囲気。お兄様もデイジーに好意を持っていると思う。けど、なかなか先に進まない。デイジーも今の関係も楽しいと、今はゆっくりと温め中らしいわ。
「リアム」
「おう、ランフェル」
「俺も一緒にいいか?」
「おう、座れよ」
ラフェ様がお兄様の隣、私の前に座り、
「俺も一緒にいいか?」
「あ、はい、どうぞ」
私はお兄様を見た。
「アメリアどうした?」
「アメリア嬢、また調子が悪いのか?」
「ち、違います。あの、お兄様とお知り合いなのですか?」
「ああ、リアムと友になった」
「そう、ですか」
「アメリア嬢を助けたお礼を言われた時に仲良くなったんだ」
「そうなのですね。ですが、ランフェル様はここで昼食をとってもよろしいのでしょうか」
「俺はエドの側近ってだけで護衛じゃない。俺がどこで食べようと構わない」
「はい」
昼食を食べ終わり、
「だだ漏れですね」
デイジーの小さい声が聞こえ、
「ああ、遠慮はやめた」
ラフェ様の呟きが聞こえ、
「それで良いと思いますよ?」
「だろ?」
「兄と友、なら妹と話していても自然にみえますもの」
「ああ」
「ですが、だだ漏れですよ」
「だが止められん」
「まあそうでしょうね」
「ああ」
私は小さい声で続く2人の声に、そしてお兄様の視線に、
「帰りの馬車でな」
「はい」
周りからは兄と妹、そしてそれぞれの友達が座り話しているように見える。学園の中では爵位は関係ないとはいえ、ラフェ様は公爵、そして私達3人は男爵、傍から見ればおかしいと思う。
私は刺さる視線が気になるのだけど、3人は全く気にしていない。
「アメリア、デザート買いに行きましょ」
「ええ」
私はデイジーとデザートを買う為に並んでいる。
「アメリア、気にしたら負けよ」
「でも」
「堂々としているから、なんだ友達の妹なのね、で終わるの。反対に気にしすぎると、何かあるのかしら、と思うのよ?だから堂々と仲良く話せば良いの。分かった?」
「分かったわ」
私達はデザートを手に席に戻った。
「何を買ったんだ?」
「ゼリーを」
「甘いか?」
「ケーキよりは甘くはないですが美味しいですよ?」
「そうか」
私はゼリーを食べ始め、それを見ていたラフェ様。
目の前に座る人を見るのは不自然ではないけど、見られていると食べづらい。
最後の一口を食べようと、
スプーンを持つ私の手を握り、ラフェ様は自分の口にそのままスプーンを入れ、
「確かにそこまで甘くないな」
「ちょ、ちょっと、」
「美味しそうに見えたんだ」
「だからと言って、」
「駄目だったか?」
「駄目、と言うか、」
「そう怒るな」
「怒っていません」
「フッ」
「ふふっ」
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