私と貴方の宿命

アズやっこ

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それからも貴方は毎日部屋に来て私を抱いた。

以前はただ入れるだけ。それが体のあちこちに口付けを落とし、私の体を触る。

貴方は男根を取り出し私の中へ入れる。


「……シア………シア……」


貴方が私の名を呼ぶ声に、

愛されてると錯覚してしまう。愛される訳がないのに、それでも私は貴方を見つめてしまう。

貴方をこっそり見つめ、

貴方と目が合うと

私は目を反らす


貴方を見つめてはいけない

貴方と目を合わせてはいけない

貴方の視界に入ってはいけない


私は貴方の憎むべき相手…


それなのに、


貴方を見つめたい

貴方と目を合わしたい

貴方の視界に入りたい


これは隠さないといけない思い…


貴方は私の中に後を残すように子種を出す。

私は避妊薬を飲んでいるから子は宿らない。

それでも

望んでしまう

貴方の子を…




貴方の私に触れる手の違いに気付いてから私の内に宿った。


私の頭を優しく撫でる手

私を抱きしめる温もり


いつだったか気を失った私の意識が戻った時、貴方に抱かれ、貴方の温もりを感じ、貴方の優しい声を聞いた。


「エティーシア、すまない。こういうやり方でしかお前を俺に縛りつけれない。乱暴にしたくない、優しくしたい、なのに俺は……すまない、すまない、すまない」


貴方は抱きしめる私をギュッと抱きしめ私の頭を優しく撫でた…


「エティーシア、シア………すまない、どうかこんな俺を許してくれ……すまないシア、すまない、すまないシア………」


貴方は私を抱きしめたまま眠りについた。寝息が聞こえ、


「馬鹿な人。私にこんなに謝って…。でも…今は憎みきれないの。ごめんなさい、ごめんなさい…」


私は貴方の温もりを肌で感じ、私も眠りについた。

それからも貴方は私が気を失うといつも気を失っている私に囁いていた。


私は貴方の

触れる手に

名を呼ぶ声に

愛しさを宿した


ごめんなさい

ごめんなさい


この気持ちは隠し通すわ

だから

貴方を見つめる私の目に

どうか

どうか

気づかないで………


貴方が部屋を出て行く時だけ私は貴方の背中を見つめる。


振り向いて

振り向かないで


貴方は私の視線に気づかず部屋を出て行った。


気づいて欲しかったの?

隠し通すのでしょ?









「すまないが少し横にならせてくれないか」

「どうぞ」


突然入って来た貴方。

貴方は私の膝の上に頭を乗せる。

少し顔色が悪い。

どうしたのかしら…

寝息が聞こえ、

私は貴方の髪を撫でる。

今このときだけは…

寝ている時だけは…

貴方に触れる事を許して…

私は貴方の髪を優しく撫でる。




ここに来て一年が過ぎた頃、気を失い目が覚めるといつも枕元の花瓶には花が活けてあった。毎日違う花が活けられていた。

私はテシーの優しさに涙が溢れた。

この部屋の中は安らぎとは程遠い部屋だから。部屋の中にいて、いつもビクビクと怯えながら過ごす。


いつあの人が来るか

また無理矢理犯されるのか


私は心を手放す寸前だった。

そんな時、花を見て心が安らいだ。


殺風景のこの部屋に

憎悪が宿るこの部屋に


一時の温もりを感じた。




気を失った時に温かいものに包まれ頭を撫でられて私はお兄様だと思っていた。


それが貴方だと気づいた時、

花を贈ってくれていたのが貴方と気づいた時、

貴方が私を触れる手の違いに気づいた時、


私は貴方を…


「ルー」


心で呼ぶ貴方の名前…

寝ている貴方にしか言えない…


「ルー」


私は寝ている貴方の頭を撫でた。




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