私と貴方の宿命

アズやっこ

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私はジンガリオ王国の王子として産まれた。

15歳の時、隣合うマーメイル国へ行き一人の少女に目を奪われた。


「お兄様」


その少女がお兄様と呼ぶ男に見せた笑顔に私は心が奪われた。

私にもその笑顔を向けてほしい

私もその笑顔が見たい


昼餐会で会った少女は王女らしく微笑むだけだった。





17歳の時、私は公爵家の令嬢と婚約した。彼女と婚約し、学園を卒業と同時に王太子になった。

彼女とは穏やかに愛を育てた。少しづつ互いを知り、少しづつ思いを通わせていった。

愛しい、心からそう思った。彼女となら良き夫婦に、温かい家族が築けると、彼女となら仲睦まじい国王、王妃になれると…疑わなかった。

彼女が学園を卒業したら直ぐに婚姻式が挙げれるように各国へ招待状も送った。
少しづつ婚姻式へ向けて準備をし始めた。ドレス、婚姻後の夫婦の部屋、

そんな時、隣国マーメイル国の王太子が学園の最終学年の1年だけ留学に来る事になった。王太子にも婚約者がいる。こちらの国で預かる以上、何かあっては友好国といえど争いの種になる。私はもう学園を卒業している。妹のキャルではクラスの中で補佐ができない。そこで私の婚約者が同じ歳という事で補佐役になった。婚約者もいずれ王妃になる。隣国の王太子で外交の練習ではないが、補佐をしながら外交も出来るならと、彼女は快く承諾してくれた。

学園では常に王太子と共に過ごし、王太子が令嬢と話す時には気を配り、放課後図書室で教え合いながら勉強をし、休みの日は街を案内し、補佐役をしっかり努めていた。

私と会う時も初めは王太子の話が多かったが、初めて他国の事を知る機会に喜んでいた。特にマーメイル国を支える銀細工に興味を持っているようだった。

ある時、彼女の左手の子指に銀細工の指輪がはまっていた。聞いたら、王太子から貰ったと。銀細工に興味があると伝えたら、補佐をしてくれているお礼だと。折角頂いたのだからはめているだけだと。

私は彼女に補佐役を任せて良かったと思った。隣国の王太子と交流し補佐役として努め、やはり彼女は王妃になるに相応しいと心からそう思っていた。外交も申し分ないと。

だが、いつからだろう、

彼女が私と会っていても、王太子の事を話さなくなったのは、

彼女が私と会っていても、上の空になったのは、

彼女が私と会っていても、どこかよそよそしくなったのは、


彼女が学園を卒業したら婚姻式を挙げる、その3ヶ月前突然彼女が居なくなった。

隣国の王太子も同じく彼女と一緒に姿を消した。

私は公爵家に行き事情を聞く。

公爵家も何が何だか分からないようだった。ただ、殴り書きで


「ごめんなさい」


とだけ。

このとき初めて彼女の部屋に入った。

私が今迄贈った宝石、髪飾り、ドレス、全て残されていた。

訳も分からないまま彼女を捜し出すように命を出した。


何かに巻き込まれたのか、

王太子妃として攫われたのか、


だが、直ぐに判明した。

彼女は私より隣国の王太子を取ったのだ。

王太子と彼女はまるで恋人のようだったと。距離が恋人のように近く、時に二人して姿が見えない時があったと。抱きしめ合う二人を見たと。口付けを交わす二人を見たと。「愛してる」とお互い言っているのを聞いたと。

そして、彼女がはめていた指輪、王太子も同じ柄の腕輪をしていたのを見たことがあると。

そして、彼女を診察した医師を、街医者を見つけた。


「懐妊していました」


その言葉で私は直ぐに隣国へ宣戦布告を出した。

そして隣国へ向けて戦を開始した。

先鋭部隊には王太子の身柄確保を最優先とした。

直ぐに身柄確保をし、国王家族の前で王太子の首を落とした。

だが、私は王太子の首だけで済ますつもりは無かった。


国を潰す!


ただそれだけを心に決めた。

国王も息子の首は諦めていたのだろうが国は違う。国を民を護る為に戦った。


私の愛する婚約者を陵辱した王太子も王太子が育った国も全て消し去りたかった。名を残す事もそれさえも許せなかった。




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