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「キャーーーーーー!」
お兄様の部屋が騒がしく私も急ぎ足で向かう途中、今度は誰かの悲鳴が聞こえた。
お兄様の側にいつもいる護衛騎士が部屋に入る扉の前で真っ青な顔でただ一点を見つめ立っていた。
「何があったの」
「お、王女、王女殿下、王女殿下…」
屈強の騎士が私の顔を見た途端、崩れるように床に座った。
私は急いで部屋の中に入った。
「……………………」
声に
声にならない。
震える足
震える体
それでも一歩一歩と進む。
とても長い
とても長い道のり
私は二人の前で崩れるように座った。
私の護衛騎士が私を支える。
「お、お、兄、様…?」
心臓を己の剣で一突きしている。
「お兄様ーーーーー!!」
涙が溢れてきた。
それでもやらなければいけない。
私が
私が
やらなければいけない。
「説明しなさい!今すぐ説明しなさい!」
お兄様の護衛騎士がフラフラになりながら私の元へ来た。
「殿下は…殿下は……」
「どうしてこのようになったか説明しなさい!」
「はい。政務に向かう途中、部屋から大きな物音が聞こえ部屋に入るとエティーシア様が喉を押さえ唸っていました。殿下は「誰が毒を盛った」と」
「毒?」
「はい」
「この部屋の中にはお兄様とエティーシア、後は?」
「メイドが」
部屋の済でガタガタと震えているメイド、テシーの代わりにエティーシアに仕えていたメイドだ。
「そこの貴女!」
「は、はい」
「どういう事か説明しなさい」
「わ、私にも、わ、分かりません」
「分からない?」
「は、はい」
「貴女はエティーシアに仕えるメイドでしょ!」
「わ、私は、あの娼婦に仕えてるのではなく殿下に、殿下に仕えるメイドです」
「何を言ってるの?貴女はエティーシアに仕えるメイドとしてこの部屋にいるのよ!」
「違います!私は殿下に選ばれた殿下のメイドです!」
「はあ?」
「殿下はおっしゃいました。殿下の婚約者は私でも良いと。それに毎日部屋に飾れと花を貰いました。それをあの娼婦がいるおかげで!殿下と私の邪魔をするあんな娼婦、死んで良かったんです!それなのに、それなのに、殿下まで………」
「エティーシアに毒を盛ったのは貴女?」
「あんな女、生きてても価値がないじゃないですか。それなら殺した方が殿下も喜ぶと。殿下もあの娼婦がいるから私との時間が取れなかったんです」
「お兄様は貴女を婚約者になど絶対にしないわ」
「殿下は私を婚約者にしようと…」
「お兄様はエティーシアを愛していたの」
「嘘です」
「本当よ。確かにお兄様は口数が少ないわ。それでも、貴女が自分に贈られたと思った花はエティーシアに毎日贈っていた花なの。毎日欠かさず毎日贈っていた花なの」
「違います!殿下はいつも「飾ってくれ」と」
「エティーシアの部屋にね」
「違います…違います…あれは…私にです…」
「お兄様が貴女を愛していたなら、どうして!己の手で!己の心臓を刺して!死ぬの!!」
私はメイドを見て、
「貴女はお兄様の愛する人を殺し、お兄様を殺した…」
お兄様の護衛騎士が、
「王女殿下、「毒を盛ったのは誰だ!シアに毒を盛った奴を今直ぐ殺せ!」と、殿下はおっしゃっていました」
「そう」
「い、や、いや、いや、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「今更謝ってもお兄様もエティーシアも生き返らないわ」
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「この女を牢屋へ連れて行って!」
「はい、王女殿下」
お兄様の護衛騎士とメイドが部屋から出て行き、
「お兄様………お兄様………………。そんなにエティーシアと離れたくなかったの?」
お兄様の腕の中、お兄様がエティーシアを抱きしめている。
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