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「私達は幼い頃一緒に遊んだじゃない」
「遊んだ覚えはない」
「そうか!」
「エド、何だ!」
「フローラ、君の母上は元侯爵令嬢だね?」
「はい。お母様の実家でお茶会があるとお母様と私はいつも参加していました。そこでフェルに初めて会いました」
「俺は覚えていない」
「お前は興味もなかったからな」
「私の初恋です。その時フェルを好きになりました。久しぶりに学園で会って貴方を、成長した貴方に、貴方の姿に、私は貴方を愛しました。
貴方も同じだと、貴方の初恋も私だと、貴方も私を愛していると、」
「待てよ!君の母上の実家、侯爵家、ランフェル!」
「何だ」
「お前の元婚約者の家だ」
「はあ!?」
「元婚約者とフローラは従姉妹だ、そうだね?」
「はい…。貴方は望まなかった、そうですよね?」
「待て!元婚約者も関係しているのか?」
「それは…」
「フローラ、あのキャンディーは誰から貰った?もしかして修道院に入ったエリーゼからかな?」
「……はい…」
「そうか」
「エド!」
「今から行くぞ。ダニエル、急いで修道院へ私の名で通達を出してくれ」
「承知しました」
ダニエルが部屋を出て行き、
「ランフェル」
「はい」
「冷静か?」
「はい」
俺は握り拳に力がずっと入っている。手のひらには爪が食い込んでいる。だからこそ冷静でいられる。でなければ、目の前にいるフローラ嬢を今頃殴っているだろう。
女には手を出さない。
それでも、
それでも、
アメリアを、
愛しいアメリアを、
傷つけ、
今なお意識が戻らないアメリアを思うと…、
自然に握り拳に力が入る。
リアムも同じ思いだ。
アメリアの友だと
そう
思っていた
だから
油断した
俺もリアムも…。
俺とエドはマックスと数人の護衛を付けて急いで修道院へ向かった。
1日中馬を走らせ修道院へ着いたのは次の日の夕方近くだった。
修道院の一部屋で待っていると、
ガチャ
「何の用ですか。殿下まで一緒に来て」
「エリーゼ、君に聞きたい事がある。君はフローラと従姉妹だ」
「そうですが、何か」
「フローラにキャンディーを渡したのは君か?」
「キャンディー…」
「フローラは魔法のキャンディーだと言っていたが」
「あぁ、あのキャンディーですか。ええ、渡しましたよ」
「あれは本当に魔法入りなのか?」
「殿下、魔法入りのキャンディーが本当にあると思いますか?」
「フローラは媚薬の類いだと言っていたが」
「私は媚薬が入ってるなんて一言も言ってませんよ」
「だが、フローラは媚薬の類いだと言っていたが」
「私が言ったのは「思い通りになるキャンディー」と言っただけです。それをどうして媚薬入りなんて思ったのかしら。バカな子とは思っていたけど、本当にバカな子だったのね」
「エリーゼ、あのキャンディーは、」
「毒入りですよ」
「お前!!」
「あれは私の為に準備したものです。修道院へ入る前に調達しました。ここでの暮らしが耐えれなくなった時用に。それを少しあの子に分けただけです。自分用に調達し自分で使用する為のもの。あの子に分けたのも面白半分です。それで咎められても困ります」
「エリーゼ、もう面白半分では済まされない。あのキャンディーで犠牲者が出た。毒入りと知っていてむやみに他人に渡した以上、君にも罪はある」
「死刑ですか?」
「それはまだ分からないが」
「なら死刑が決まったら教えて下さい」
「それこそ毒入りキャンディーを食べれば済む話ではないのか?」
「ふふっ、殿下、それはそれですよ」
「お前な!!」
「なにか?」
「ランフェル!」
「すみません」
「ちなみに、犠牲者はフローラですか?」
「違う」
「それなら誰です?」
「君に教えるつもりはない」
「ふふっ、ふふっ、はははっ」
「おい!!」
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