私と貴方の宿命

アズやっこ

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「結局貴方は私を愛する事は無いのよ」

「どういう意味だ」

「貴方と初顔合わせをした時、貴方は私に何て言ったか覚えてる?」

「婚姻に感情は必要ない。婚約者など誰でも良い」

「そう。貴方はまた同じ事を言ったの。だから私も貴方と婚約したの。今度は感情なんて持っていなかったから」

「どういう意味だ」

「別に貴方を愛したいとも愛してほしいとも思ってないわ。だって貴方は一人の女性しか愛せない人だから。それなら私も私で他で遊べば良いと思ったの。その中の一人と恋をするかもしれないでしょ?愛するかもしれないでしょ?

だって私達に愛は存在しないもの」

「お前は俺との婚約を嫌がっていただろ?」

「当たり前よ。どうしてまた惨めな婚約者にならないといけないのよ」

「さっきからまた、とは何だ」

「え?貴方も覚えているのよね?」

「だから何を覚えているんだ」

「はははっ、本当に何も覚えていないのね」

「何を言ってる」

「エティーシア」

「エティーシア?」

「娼婦の名よ」

「娼婦?」

「はははっ、本当に覚えてないのね。

マーメイル国」

「マーメイル国……エティーと言う名の王女、そしてシア…エティーシアが本当の名か」

「どこまで覚えているの?ルーベン殿下」

「ルーベン?あぁ、あの青年の名か」

「は?」

「たまに青年の夢を見るだけだが」

「はははっ、

ねぇ、貴方の恋人ってリアムの妹さんでしょ?」

「お前に言う必要はない」

「なら、もしかして犠牲者ってリアムの妹さん?」

「お前に言う必要はない」

「そう、やっぱりね」

「どうして分かった」

「だって貴方は一人の女性しか愛せないもの。だからちょっと仕返ししただけよ」

「お前、まさか」

「そのまさかよ。わざとリアムに近づいたの。

彼女を見た時直ぐに分かったわ。エティーシアだと、あの娼婦だと。リアムは妹をとても大切に大事にしていたわ。だから彼女の大切に大事にしているもの、大好きなお兄様を今度は私が奪おうって思ったの。今の彼女から奪っても意味なんて無いけど、それでも大好きなお兄様を傷つけたら少しは気が晴れるでしょ。

あの女だけ愛されるなんておかしいじゃない」

「それだけで、」

「それでも私だって今と前では違う人間だわ。彼女も違う人間。それでもちょっとくらい仕返ししても良いでしょ。

殿下、お願いがあります」

「何だろう」

「私に罪があると言うのなら私を処刑して下さい」

「処刑?」

「首を落として下さい」

「何言って、」

「この二人に振り回されるのはもう嫌なの。この二人の歯車に巻き込まれるのはもう嫌なの。もう私は逃れたい………」

「エリーゼ、君は、」

「もう私を自由にしてほしい…」

「おい!詳しく教えてくれないか!」

「知らない方が良いと思うわ。それに私もそこまで詳しくないの」

「それでも良い。頼む、教えてくれないか」

「はぁぁ、私が覚えているのはルーベン殿下がエティーシア元王女を自分の部屋に囲っていて、周りは皆、エティーシアはルーベン殿下の娼婦だと思っていたくらいよ。ルーベン殿下は愛していたけどエティーシアの気持ちは知らないわ」

「最期はやっぱり毒殺だったのか」

「そうよ。メイドが毒を盛ったの。あのメイドもフローラと一緒で単純で扱いやすかったわ」

「どういう意味だ」

「メイドはルーベン殿下の腹立ち紛れに言い放った言葉を鵜呑みにしたの。だから私は毒を手渡して囁いただけよ。そしたらメイドはエティーシアに毒を盛ったわ。まぁメイドは秘密裏に処刑されたけど。

メイドもフローラも貴方を本気で愛したりするから、ほんとバカな子よ。

前世の私はルーベン殿下を本気で愛していたわ。だから最期に願ったの。来世でも貴方に会いたい、来世でも婚約者になりたい、そう願ったの。来世なら愛し合えるとそう信じて。

私、貴方の婚約者に選ばれた時、本当はすごく嬉しかったの。それでも貴方と初顔合わせをした日までだけど。その日私は前世を思い出したわ。

前世の私はルーベン殿下の乳兄妹を殺した罪で厳しい修道院に入れられたわ。死にたくなるような環境の中でも死ぬ事は許されなかった。地獄の毎日だったわ。だから殿下を思う事で生きていたの。

殿下を愛したばかりに、願ったばかりに、こうしてまた貴方と絡まったわ。今の貴方を愛さなければ回避できると思っていたのに、結局私は前世と同じね。修道院で最期を迎えるの」

「エリーゼ、君は前世を思い出したから自分で毒を用意したんだね」

「ええ。死にたい時に死ねるように。地獄の毎日を生きる為に生かされ続けるのはもう嫌だったから。それでも今は過ごしやすいですけど」

「君の罪はまた伝える」

「分かりました」




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