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58:死んでしまいたいほどに。 side:セオドリック
しおりを挟むミラベルをベッドにそっと押し倒し、覆いかぶさり、軽く触れるようにキスをした。
そっと柔らかな膨らみに手をやると、ミラベルの体が一瞬硬直したような気がしたが、そのまま続けると甘い吐息が漏れ出した。
「ん、テオ、さま」
キスの合間に名前を呼ばれて、正気に戻ってしまった。
ミラベルは覚悟しているのだろうか?
流されているだけなのでは?
王侯貴族は結婚式の後に初夜をすると思い込んでいたが、ミラベルはそれをとても大切な儀式だと思っていた節がある。
ちゃんと確認しておかねば。
途中で拒否されたら…………立ち直れない気がする。
「っ、ふぅぅぅぅぅ……ミラベル、たぶんもう止まれない。ミラベルは、覚悟があってここにいるんだよな?」
――――笑って? はい、と言って?
「え……っと、その……たぶん、あの二人の独断でここに入れられたようです……」
――――流されていた? 本意じゃなかった?
「……そういう事ではない。こんな格好をしているうえに、ベッドに共に入って、組み敷かれているんだ。覚悟したと思っていいんだよな?」
「かくご……」
「あぁ」
――――お願い。
ミラベルが戸惑うような、悩むような、そんな顔をした。
これは、無理かもしれないな、そう思って今回は諦めようとした時、ミラベルの細くて柔らかい手がするりと伸びてきた。
優しくそっと頬を撫でられ、心臓が甘く疼いた。
「はい」
「っ!」
――――ミラベル!
ミラベル、ミラベル、ミラベル!
可愛いミラベル、綺麗になったミラベル、柔らかいミラベル、固まるミラベル、小さいミラベル、大きいミラベル、微笑むミラベル、悲しむミラベル、怒るミラベル、弱気なミラベル、強気なミラベル、賢いミラベル、抜けているミラベル。
ミラベル、知ってたかい?
ミラベルの全てが愛おしいんだよ。
「もう、いま、死んでしまいたい」
――――幸せすぎる。
感極まって涙目になってしまったのを誤魔化すように、ミラベルの首筋に顔を埋めた。
ミラベルは何故かとても楽しそうにクスクスと笑い出していた。
「出来れば、お互いがシワだらけになっても、共に生きたいですわ」
「勿論だっ!」
「煩いですわ」
溢れる嬉しさをキスと声に乗せたのに、呆れたような顔で煩いと言われた。
「このタイミングで煩いとか言うな……」
「「……ふっ」」
二人でくすくすと笑い合う。
またミラベルと以前のような関係に戻れて良かった。
そして、以前よりも進んで、男と女、共に想いを伝えあい、触れ合える関係になれて良かった。
ミラベルを待たせないようにと、全速力で服を脱いだ。
決して、がっついているわけじゃあない。
全裸になった瞬間ミラベルが息を呑む音が聞こえた。
「っ……おっきぃ」
全力で煽らないで欲しい。
さっき一度出したとはいえ、暴発する危険はまだ大いにあるというのに。
ミラベルに覆いかぶさりキスをした。
鎖骨に、胸の谷間に、どんどんと紅い花びらを散らした。
エロエロな寝衣の上から胸をやわやわと揉むと、上擦ったような声が聞こえてきた。
恥ずかしそうに手の甲で口元を押える姿が余計に、ソソる。
「もっともっと鳴いて」
私で感じているんだと、実感させて?
「ひあっ!」
「もっと」
「やっ、やぁぁっ」
ぷっくらと膨れ上がり主張が激しくなった突起をジュウジュウと音を鳴らしながら吸いつつ、そっと寝衣のリボンを解いた。
「んっ」
「大丈夫だ、ゆっくり進める」
ミラベルが少し不安そうな顔をしたので、大丈夫だと伝えると、ホッとしたように微笑んでくれた。
この期待は、裏切ってはいけないやつだな。
……たとえ、実はかなりパニックを起こしていたとしても。
本でしか勉強していなかった。
娼婦の相手も、未亡人の相手も嫌だった。
私はミラベルがいい。
ミラベルとしか嫌だ。
参考書の内容を思い出しながら、秘裂にゆっくりと指を近付けた。
ぬちゅり、と艶めかしい水音が聞こえた。
とろとろとした愛液がミラベルの恥部全体を潤ませていた事にホッとした。
――――私に感じてくれているっ!
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