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一日かけて土を耕し、そして種蒔きまで終わらせた日門は、朝食を取りながら次にやることを考えていた。
ちなみに農業ペンギンたちの朝は早く、すでに畑で作業をしている。畑の拡張や薪拾いなども行ってくれるので本当にありがたい。
彼らは注いだ魔力が切れるまで動き、その質で行動のクオリティも変化する。日門の魔力量は膨大であり、質もまた上等なので、一度注ぎ込めば続けて三日は働いてくれるのだ。
「今日は何すっかなぁ~」
トーストしたパンにピーナッツバターを塗って堪能しながら思案する。
異世界にいた時は、何だかんだいって毎日忙しくやるべきことなど余るほどあったが、この世界では完全に自由であり逆に何をしようかと悩んでしまう。
「やっぱオーソドックスに物資集めかねぇ」
一応《ボックスリング》の中には潤沢な物資があるとはいっても、いずれそれも尽きるし、何よりもそれは異世界で手に入れたものばかり。
この世界にしか存在しないものも多く、それらを入手したいと考えていた。
「特に娯楽だよなぁ。ゲームに漫画はコレクションしておきたいし」
そうしておけば、いつでも好きな時に遊べるし暇を潰せるので優先したい事項である。
「んぐんぐんぐ…………よし、思い立ったが吉日だし、今日は物資探索に行くか」
朝食を終えると、出かけてくることを農業ペンギンたちに伝え、ここに来た時と同じく《風の飛翔》を使って本土へと戻ることにした。
物資がありそうな場所ならどこでも良かったが、何となく自分が育った街へと戻って来ていた。
高層ビルの屋上から地上を見下ろしながら、物資がありそうな場所を物色していく。
「確かあそこらへんはショッピングモールがあったよなぁ。例の地震とやらで崩壊してるっぽいけど」
そこにはこの街で最大規模のモールがあったが、ここから見る限りは瓦礫の山と化していた。
(古本屋に行きゃ、漫画だけじゃなくゲームとかいろいろ売ってるし、そこを当たってみっかなぁ)
とはいっても、日門が知っている古本屋は限られる。その数店舗を見て回るつもりで地上に降り立つと、背後からゾンビが襲い掛かってきた。
別段焦ることもなく「ほいっと」と軽く後ろ回し蹴りで頭部を破壊する。しかしその一体だけではなく、次々と現れては接近してきた。
「あー降りるとこ間違えたなこりゃ」
ポリポリと頬をかきつつも、迫ってくるゾンビたちを一掃していく。
一通り暴れて静かになった後、記憶にある古本屋に向かって歩き出す。しかし不意に嫌なニオイが鼻をつく。
顔をしかめながら、嗅ぎ覚えのあるニオイが強くなっていく方角へと進む。するとそこでどこかで見たような大穴が見つかった。
「この穴って確か……」
それはまだ小色や理九と一緒にいた時だ。路地に似たような穴が開いていたのである。
そん時と同じように、穴から臭気が漂いその周りが溶解していた。ただよく見れば、溶解している跡がどこかへと繋がっている。
何となく気になり跡を追ってみると――。
「――――これは」
そこで見つけたものに目を細める。
明らかに人骨と思わしきものが散在していたのだ。
「ゾンビの骨……いや、ゾンビのものにしてはまだ綺麗だよな」
奴らの骨ならば、綺麗な白ではなくどす黒く濁っているものがほとんどだ。それに腐食が激しくすぐにボロボロと崩れてしまう。
しかしここで見つけた骨は、腐食しているところはあるがまだ新しいように見える。それに気になるのは――。
「ここにも穴……か」
人骨の少し前にも大きな穴が開いている。そして溶解の跡はその穴から途切れていた。
考えられるのは、穴から出てきた何かがここで人間を捕食し、再び地下へと戻って行ったということ。
(これがゾンビの仕業なのか、それとも……)
とりあえず今は何の気配もない。周りも見回して、ここがどういった場所だったのか確かめた。
「確かここってコンビニがあった場所だよな。見事に潰れとるが」
これでは物資は見つからないだろうと溜息を吐く。
この謎の大穴と、そこから出てきたであろうナニカの存在は気にかかるが、積極的に調査するつもりはない。こういう場合、藪を突いて蛇を出す行為だと異世界で学んだからだ。
そもそも自分に被害がないのだから放置しておいた方が楽。そういうことで再度古本屋探しに戻ることにした。
そうして記憶を頼りに道を行くと、その先に半壊した古本屋を見つけることができた。
無意味に広い駐車場は地割れをしていて無残なことになっているが、店そのものはまだ形が残っていることに期待感が膨らむ。
入口ではなく割れたガラス窓から中へと侵入すると、そこには日門が思わず笑みを浮かべる光景が広がっていた。
壊れた棚や崩れた壁などに下敷きになっているものもあるが、それでもお目当ての漫画やゲームなどがそこかしこに散らばっている。
「お、おお! いっぱいあんじゃんか!」
思わず喜び勇んで足早に動くと、ギシギシと建物から不穏な音が聞こえてくる。
「おっと……いつ崩れてもおかしくねえか」
なるべく大きな音を立てないようにしながら、散乱している娯楽物を物色していく。
この古本屋には、本やゲームだけでなく玩具やトレーディングカード、フィギュアやプラモデルなども売られていた。
暇潰しにプラモデルはいいなと思い、それも含めてさっそく目に入ったものを《ボックスリング》へと収納していく。
整理はあとで行うとして、とりあえずそんな感じで次々と懐に入れていった。ただたまに懐かしい玩具や漫画を見て時間を費やすこともしばしば。
そうして気づけば二時間以上が経っていた。
しかし日門はホクホク顔である。何せ目的のものを大量に手にすることができたのだから。
「いやぁ、良い仕事したなぁ~」
別に仕事ではないが、こういう上機嫌の時はついつい口にしてしまう。
「次は食料に日用品か。でもこっちはなかなか難しいだろうな」
こんな状況で漫画などの娯楽が放置されるのはおかしくないが、食料や日用品などは生きるために必要なので見つけるのは困難を極めるだろう。
「けどまあ時間もあるし、適当にぶらつきながら探してみっか」
そう次の方針を決めて動こうとした矢先――突然地面がぐらりと揺らいだ。
ちなみに農業ペンギンたちの朝は早く、すでに畑で作業をしている。畑の拡張や薪拾いなども行ってくれるので本当にありがたい。
彼らは注いだ魔力が切れるまで動き、その質で行動のクオリティも変化する。日門の魔力量は膨大であり、質もまた上等なので、一度注ぎ込めば続けて三日は働いてくれるのだ。
「今日は何すっかなぁ~」
トーストしたパンにピーナッツバターを塗って堪能しながら思案する。
異世界にいた時は、何だかんだいって毎日忙しくやるべきことなど余るほどあったが、この世界では完全に自由であり逆に何をしようかと悩んでしまう。
「やっぱオーソドックスに物資集めかねぇ」
一応《ボックスリング》の中には潤沢な物資があるとはいっても、いずれそれも尽きるし、何よりもそれは異世界で手に入れたものばかり。
この世界にしか存在しないものも多く、それらを入手したいと考えていた。
「特に娯楽だよなぁ。ゲームに漫画はコレクションしておきたいし」
そうしておけば、いつでも好きな時に遊べるし暇を潰せるので優先したい事項である。
「んぐんぐんぐ…………よし、思い立ったが吉日だし、今日は物資探索に行くか」
朝食を終えると、出かけてくることを農業ペンギンたちに伝え、ここに来た時と同じく《風の飛翔》を使って本土へと戻ることにした。
物資がありそうな場所ならどこでも良かったが、何となく自分が育った街へと戻って来ていた。
高層ビルの屋上から地上を見下ろしながら、物資がありそうな場所を物色していく。
「確かあそこらへんはショッピングモールがあったよなぁ。例の地震とやらで崩壊してるっぽいけど」
そこにはこの街で最大規模のモールがあったが、ここから見る限りは瓦礫の山と化していた。
(古本屋に行きゃ、漫画だけじゃなくゲームとかいろいろ売ってるし、そこを当たってみっかなぁ)
とはいっても、日門が知っている古本屋は限られる。その数店舗を見て回るつもりで地上に降り立つと、背後からゾンビが襲い掛かってきた。
別段焦ることもなく「ほいっと」と軽く後ろ回し蹴りで頭部を破壊する。しかしその一体だけではなく、次々と現れては接近してきた。
「あー降りるとこ間違えたなこりゃ」
ポリポリと頬をかきつつも、迫ってくるゾンビたちを一掃していく。
一通り暴れて静かになった後、記憶にある古本屋に向かって歩き出す。しかし不意に嫌なニオイが鼻をつく。
顔をしかめながら、嗅ぎ覚えのあるニオイが強くなっていく方角へと進む。するとそこでどこかで見たような大穴が見つかった。
「この穴って確か……」
それはまだ小色や理九と一緒にいた時だ。路地に似たような穴が開いていたのである。
そん時と同じように、穴から臭気が漂いその周りが溶解していた。ただよく見れば、溶解している跡がどこかへと繋がっている。
何となく気になり跡を追ってみると――。
「――――これは」
そこで見つけたものに目を細める。
明らかに人骨と思わしきものが散在していたのだ。
「ゾンビの骨……いや、ゾンビのものにしてはまだ綺麗だよな」
奴らの骨ならば、綺麗な白ではなくどす黒く濁っているものがほとんどだ。それに腐食が激しくすぐにボロボロと崩れてしまう。
しかしここで見つけた骨は、腐食しているところはあるがまだ新しいように見える。それに気になるのは――。
「ここにも穴……か」
人骨の少し前にも大きな穴が開いている。そして溶解の跡はその穴から途切れていた。
考えられるのは、穴から出てきた何かがここで人間を捕食し、再び地下へと戻って行ったということ。
(これがゾンビの仕業なのか、それとも……)
とりあえず今は何の気配もない。周りも見回して、ここがどういった場所だったのか確かめた。
「確かここってコンビニがあった場所だよな。見事に潰れとるが」
これでは物資は見つからないだろうと溜息を吐く。
この謎の大穴と、そこから出てきたであろうナニカの存在は気にかかるが、積極的に調査するつもりはない。こういう場合、藪を突いて蛇を出す行為だと異世界で学んだからだ。
そもそも自分に被害がないのだから放置しておいた方が楽。そういうことで再度古本屋探しに戻ることにした。
そうして記憶を頼りに道を行くと、その先に半壊した古本屋を見つけることができた。
無意味に広い駐車場は地割れをしていて無残なことになっているが、店そのものはまだ形が残っていることに期待感が膨らむ。
入口ではなく割れたガラス窓から中へと侵入すると、そこには日門が思わず笑みを浮かべる光景が広がっていた。
壊れた棚や崩れた壁などに下敷きになっているものもあるが、それでもお目当ての漫画やゲームなどがそこかしこに散らばっている。
「お、おお! いっぱいあんじゃんか!」
思わず喜び勇んで足早に動くと、ギシギシと建物から不穏な音が聞こえてくる。
「おっと……いつ崩れてもおかしくねえか」
なるべく大きな音を立てないようにしながら、散乱している娯楽物を物色していく。
この古本屋には、本やゲームだけでなく玩具やトレーディングカード、フィギュアやプラモデルなども売られていた。
暇潰しにプラモデルはいいなと思い、それも含めてさっそく目に入ったものを《ボックスリング》へと収納していく。
整理はあとで行うとして、とりあえずそんな感じで次々と懐に入れていった。ただたまに懐かしい玩具や漫画を見て時間を費やすこともしばしば。
そうして気づけば二時間以上が経っていた。
しかし日門はホクホク顔である。何せ目的のものを大量に手にすることができたのだから。
「いやぁ、良い仕事したなぁ~」
別に仕事ではないが、こういう上機嫌の時はついつい口にしてしまう。
「次は食料に日用品か。でもこっちはなかなか難しいだろうな」
こんな状況で漫画などの娯楽が放置されるのはおかしくないが、食料や日用品などは生きるために必要なので見つけるのは困難を極めるだろう。
「けどまあ時間もあるし、適当にぶらつきながら探してみっか」
そう次の方針を決めて動こうとした矢先――突然地面がぐらりと揺らいだ。
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