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ログハウスの外へと出てきた日門たち。
とある開けた場所まで行き、そこで日門は《ボックスリング》から二つの《魔石》を取り出した。
一つはルビーのような色彩を放つ石。
一つはサファイアのような色彩を放つ石。
「この赤いのが《火魔石》。んで、こうして手に持って――」
日門はある想像を脳裏に呼び起こす。すると、石が淡く発光した後、そこから火が溢れ出し、まるで火球を手で掴んでいるような状態になる。
「す、凄い……!?」
小色は単純にその現象に対して感動して目を輝かせているが、それとは逆に理九はどこか痛々しそうな目つきをこちらに向けながら「それって熱くないのかい?」と聞いてきた。
「大丈夫大丈夫。《魔石》の使用者には害はねえんだよ。この石は別名《願い石》とも呼ばれててな、使用者の願ったような形で具象化を起こすんだ。だから願い人である使用者にはダメージはねえ」
そうして次はサファイア色の《魔石》を使い、今度はそこから水を噴出させた。これで《魔石》の能力は理解できただろう。
「なるほど……理解できない原理だけど、納得はできたよ。……ん? 《願い石》ってことは、あの時、小色が使うことができたのも小色が願ったから、ってことかい?」
「そういうこった。小色、あん時、多分小色は、強く願ったはずだ」
そう日門に言われ、小色は思い出すかのように語り出した。
巨大ナメクジに攫われ、理九たちに危険が迫ったその時、小色は確かに強く願ったのだ。
「あの時、わたしにも日門さんのような魔法が使えたら……って」
すると同時に《魔石》が発光し、その直後、危機から身を守るように放電現象が起きた。
「なるほどな。つまりその《雷魔石》は小色の想いに反応し、力を発揮したってわけだ」
「け、けどあの時の放電は凄かったよ? 壁みたいに広がって僕たちを守ってくれたし」
「言ったろ? それは使用者の想像、願いを具象化するって。小色の守りたいっていう強い願いがそんな形で発現したんだよ。まあ、これも見せれば分かるか」
もう一度日門は《火魔石》を使用した……が、今度は火球を掴んでいるような形ではなく、その周囲に渦巻くように燃え盛る炎が出現した。
「今俺は自分の身を守るように想像した。その結果がコレってわけだ」
「これはスゴイな……この石さえあれば、確かに自分自身には戦う術がなくてもどうにかできるかもしれない」
理九の言う通りだ。だからたとえ子供になって魔法使用に制御がかかったとしても、《魔石》を活用することで戦うことは十分に可能なのだ。
「というか、こんな力があるなら、渡す時に言っておいてほしかったよ」
「あはは、まあこっちはお守りのつもりだったしな。けど確かに言わなくて悪かったよ」
実は少し懸念もあったのだ。異世界好きの小色のことだから、使い方を教えれば、好奇心からどこかで試したりするのではないかと。
そうなれば誰かに見つかって問題になったり、必要な時に貯蓄されている魔力が足りなくて使い物にならなくなる危険性だってあった。だから敢えて黙っていたという理由も一つにはあったのである。
「じゃあコレを持っていれば、わたしもいつでも雷を使うことができるってことですよね!」
そんなキラキラした好奇心丸出しの目をして……。
まあ気持ちは分かる。ファンタジーに憧れるのは何も彼女だけではないだろうから。
「あー今は使えねえよ、それ」
「えっ!? ど、どうしてですか!?」
「蓄積されてる魔力が空っ血になってるからだよ。使うには魔力を注ぐ必要がある。貸してみ?」
小色が「は、はい」とこちらに向かって《魔石》を差し出してきた。それを受け取った日門は魔力を練ると、そのまま《魔石》へと流していく。
「うし、これでまた前みたい使えるぜ。ちょうどいいから理九にも渡しておくか」
そう言いつつ、小色、理九それぞれに幾つかの《魔石》を渡しておいた。
「あーでもさすがに嵩張るよなぁ。どうすっか……そうだ、いいもんがあった」
そのまま持ち歩くにはゴツゴツした石はハッキリ言って邪魔になる。一つだけならまだしも複数となると取り出したりするのも面倒だろう。
「そこで――コレだ」
またもや《ボックスリング》に収納しておいたあるものを二人の前で見せた。
「それは――ベルト?」
理九の言うように、一見してベルトと分かるもの。ただし側面には小さなホルダーが備わっている。それを二人に身に着けさせた。
左右の腰部分には、それぞれ二つずつ細長いホルダーが設置されていて、ホルダーは上からも下からも開けられる仕様になっている。
入れるのは上からで、取り出すのは下からという使い方が可能なわけだ。
小色たちは、ホルダーに一つずつ受け取った《魔石》を入れていき、それぞれが四つずつの《魔石》を扱える準備はできた。
「あとはどんな状況でも素早く取り出せるように練習するのと、《魔石》の扱いに慣れることだな。ということで、だ」
再度《ボックスリング》から取り出したモノを見て、小色が「わあ!」と嬉しそうに笑う。何故ならそこには先ほど小色がその愛らしさから我を忘れたほどのペンギンと同等の人形が現れたからだ。
しかしペンギンではなく、見た目は明らかにコアラである。しかしベレー帽を被り、その身には軍服を着込んでいるので違和感は強いが。
「コイツは――〝教官コアラ〟。今日からお前らの先生だな」
「は? この人形が、僕たちの先生? 一体どういう……」
理九の疑問はもっともだが、それには答えずに早速日門はコアラに魔力を注いでいく。
すると、ぐったりと人形然としていたコアラだったが、目に光が点った直後に自らの力で立ち上がると――。
「――アテンションプリーズッ!」
突然コアラが大声を張り上げたことで、理九は「うわぁ!?」と大げさに尻もちをついてしまった。対して小色はいまだ笑顔で、「可愛い声~」と無意識に呟いている。
(ククク、確かに教官コアラの声は可愛らしいけど……)
日門が含み笑いを浮かべていると、教官コアラが理九に近づいて、その小さな腕を振りかぶりそして――。
「へぶぅっ!?」
その頬を思いっきり叩いたのである。
とある開けた場所まで行き、そこで日門は《ボックスリング》から二つの《魔石》を取り出した。
一つはルビーのような色彩を放つ石。
一つはサファイアのような色彩を放つ石。
「この赤いのが《火魔石》。んで、こうして手に持って――」
日門はある想像を脳裏に呼び起こす。すると、石が淡く発光した後、そこから火が溢れ出し、まるで火球を手で掴んでいるような状態になる。
「す、凄い……!?」
小色は単純にその現象に対して感動して目を輝かせているが、それとは逆に理九はどこか痛々しそうな目つきをこちらに向けながら「それって熱くないのかい?」と聞いてきた。
「大丈夫大丈夫。《魔石》の使用者には害はねえんだよ。この石は別名《願い石》とも呼ばれててな、使用者の願ったような形で具象化を起こすんだ。だから願い人である使用者にはダメージはねえ」
そうして次はサファイア色の《魔石》を使い、今度はそこから水を噴出させた。これで《魔石》の能力は理解できただろう。
「なるほど……理解できない原理だけど、納得はできたよ。……ん? 《願い石》ってことは、あの時、小色が使うことができたのも小色が願ったから、ってことかい?」
「そういうこった。小色、あん時、多分小色は、強く願ったはずだ」
そう日門に言われ、小色は思い出すかのように語り出した。
巨大ナメクジに攫われ、理九たちに危険が迫ったその時、小色は確かに強く願ったのだ。
「あの時、わたしにも日門さんのような魔法が使えたら……って」
すると同時に《魔石》が発光し、その直後、危機から身を守るように放電現象が起きた。
「なるほどな。つまりその《雷魔石》は小色の想いに反応し、力を発揮したってわけだ」
「け、けどあの時の放電は凄かったよ? 壁みたいに広がって僕たちを守ってくれたし」
「言ったろ? それは使用者の想像、願いを具象化するって。小色の守りたいっていう強い願いがそんな形で発現したんだよ。まあ、これも見せれば分かるか」
もう一度日門は《火魔石》を使用した……が、今度は火球を掴んでいるような形ではなく、その周囲に渦巻くように燃え盛る炎が出現した。
「今俺は自分の身を守るように想像した。その結果がコレってわけだ」
「これはスゴイな……この石さえあれば、確かに自分自身には戦う術がなくてもどうにかできるかもしれない」
理九の言う通りだ。だからたとえ子供になって魔法使用に制御がかかったとしても、《魔石》を活用することで戦うことは十分に可能なのだ。
「というか、こんな力があるなら、渡す時に言っておいてほしかったよ」
「あはは、まあこっちはお守りのつもりだったしな。けど確かに言わなくて悪かったよ」
実は少し懸念もあったのだ。異世界好きの小色のことだから、使い方を教えれば、好奇心からどこかで試したりするのではないかと。
そうなれば誰かに見つかって問題になったり、必要な時に貯蓄されている魔力が足りなくて使い物にならなくなる危険性だってあった。だから敢えて黙っていたという理由も一つにはあったのである。
「じゃあコレを持っていれば、わたしもいつでも雷を使うことができるってことですよね!」
そんなキラキラした好奇心丸出しの目をして……。
まあ気持ちは分かる。ファンタジーに憧れるのは何も彼女だけではないだろうから。
「あー今は使えねえよ、それ」
「えっ!? ど、どうしてですか!?」
「蓄積されてる魔力が空っ血になってるからだよ。使うには魔力を注ぐ必要がある。貸してみ?」
小色が「は、はい」とこちらに向かって《魔石》を差し出してきた。それを受け取った日門は魔力を練ると、そのまま《魔石》へと流していく。
「うし、これでまた前みたい使えるぜ。ちょうどいいから理九にも渡しておくか」
そう言いつつ、小色、理九それぞれに幾つかの《魔石》を渡しておいた。
「あーでもさすがに嵩張るよなぁ。どうすっか……そうだ、いいもんがあった」
そのまま持ち歩くにはゴツゴツした石はハッキリ言って邪魔になる。一つだけならまだしも複数となると取り出したりするのも面倒だろう。
「そこで――コレだ」
またもや《ボックスリング》に収納しておいたあるものを二人の前で見せた。
「それは――ベルト?」
理九の言うように、一見してベルトと分かるもの。ただし側面には小さなホルダーが備わっている。それを二人に身に着けさせた。
左右の腰部分には、それぞれ二つずつ細長いホルダーが設置されていて、ホルダーは上からも下からも開けられる仕様になっている。
入れるのは上からで、取り出すのは下からという使い方が可能なわけだ。
小色たちは、ホルダーに一つずつ受け取った《魔石》を入れていき、それぞれが四つずつの《魔石》を扱える準備はできた。
「あとはどんな状況でも素早く取り出せるように練習するのと、《魔石》の扱いに慣れることだな。ということで、だ」
再度《ボックスリング》から取り出したモノを見て、小色が「わあ!」と嬉しそうに笑う。何故ならそこには先ほど小色がその愛らしさから我を忘れたほどのペンギンと同等の人形が現れたからだ。
しかしペンギンではなく、見た目は明らかにコアラである。しかしベレー帽を被り、その身には軍服を着込んでいるので違和感は強いが。
「コイツは――〝教官コアラ〟。今日からお前らの先生だな」
「は? この人形が、僕たちの先生? 一体どういう……」
理九の疑問はもっともだが、それには答えずに早速日門はコアラに魔力を注いでいく。
すると、ぐったりと人形然としていたコアラだったが、目に光が点った直後に自らの力で立ち上がると――。
「――アテンションプリーズッ!」
突然コアラが大声を張り上げたことで、理九は「うわぁ!?」と大げさに尻もちをついてしまった。対して小色はいまだ笑顔で、「可愛い声~」と無意識に呟いている。
(ククク、確かに教官コアラの声は可愛らしいけど……)
日門が含み笑いを浮かべていると、教官コアラが理九に近づいて、その小さな腕を振りかぶりそして――。
「へぶぅっ!?」
その頬を思いっきり叩いたのである。
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