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お泊まり会
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「優、颯、怜ただいま」
予定より早く帰ってきた父さんは各自の部屋から降りてきた俺たちを見て言った。
「お帰り父さん」
「お帰りなさい、早かったね」
「巴菜も一緒?」
兄さん、俺、姉さんが順々に声を父さんにかける。
「巴菜も一緒だ。もう、キッチンに居ると思うが。というか颯、普通お帰りが先だろ?」
「いや、もし巴菜と一緒に帰ってきたら週刊誌とかに撮られて大変でしょう?」
「巴菜は俺といる時は霊体だから見えないし写真にも映らないからな」
「あ、そうだったね」
「ったく、もう」
父さんは苦笑いをしながはツッコミをすると、それに対して姉さんもボケるという変な構図になっていた。
「面白い会話をしているのね」
母さんが巴菜と笑いながら一緒に料理を持って来た。
「巴菜お帰り。父さんの人使いの荒さには困っちゃうよね」
「いえ、私は來様の式神ですので。それに正確には人ではないですからね」
巴菜は姉さんの言葉を静かに訂正する。
「まぁ、確かに?」
「何で巴菜にはお帰りって言うんだよ。あとな、人使い荒いも余計だぞ」
「いたっ、痛いよ」
父さんは姉さんの頭を突っつきながら言い、姉さんは必死に逃げようとしている。
「さ、席について。頂きましょうか」
母さんは料理を机の上に置きながら言う。
今日のメニューはサバの塩焼きだ。
朝昼夕のメニューは巴菜が前日、前々日と被らないようにしている。
あと、和、洋も被らないようにしているらしい。
「「「「いただきます」」」」
席に着き手を合わせて声を揃えて言うと一斉に食べ始めた。
ちなみに式神である巴菜や桜夏の食事は使役されている主人の霊力だが、それは食べたくなければ食べなくても良い。
元人間の霊のため食事は必要としない。
それは式神となっても変わらない。
ただ霊力を吸収することで多少なりとも力が増えるらしい。
「桜夏、席に座って」
「え?」
兄さんが桜夏に席に座るように声をかけると当の本人は戸惑ったように式神の先輩である巴菜を見た。
「九条家のしきたりなのですよ」
「わ、分かりました。失礼します」
巴菜の返答に恐る恐る兄さんの隣の空いている椅子に座った。
この家のダイニングテーブルは椅子が多い。
現在、家には父さん、母さんなど計七名がいるが、椅子はあと四脚ほど残っている。
俺たちが座る椅子はそれぞれ決まっているからその四脚は未だ、お客さん以外に見たことがない。
「うん、流石、巴菜の料理は美味しい」
「あら、來くん?妻である私がいるというのに」
母さんは口を不貞腐れたように顔を膨らませた。
「あ、いや、もちろん想佳の料理ももちろん美味しいさ」
「ありがとう、來くん」
母さんは父さんの慌てたような口ぶりに笑いながらお礼を言った。
「もぅ、父さんも母さんもいちゃいちゃはお腹いっぱいだから」
「確かに子供の前ですることじゃないかもね」
「うん」
俺たち、子供にダメ出しをされると母さんと父さんはしょんぼりとした表情になった。
「そこまで言わなくてもいいのに‥‥怜まで‥‥」
しょんぼりしたままの父さんがこぼすように言う。
何故か俺が言ったことが大変ショックだったらしい。
でも言ったっていうけど俺、兄さんの言葉に反応しただけなんだけど?
「怜は可愛いからに決まってるでしょ?」
「その通りだよ。颯、僕も怜に言われたらショックだなぁ」
兄さんは想像しているのか空を見ながら言う。
だから!俺!兄さんの言葉に頷いただけだよ?
何も言ってないんだけど?
「主さま方、いい加減になさったほうがよろしいかと思いますよ。怜さまが限界でございます」
巴菜がそう父さんの耳に囁くと父さんはわざとらしい咳払いをした。
その咳払いに兄さんたちも一瞬で静かになり、一斉に俺の方を向いた。
「怒っているのかい?」
「ごめん、許して。わざとじゃないの」
「なんでも好きなもの買ってあげるからさ」
兄さん、姉さん、父さんの順に俺を見ながら言う。
いや、そこまで怒ってないし、別に許さないとか言ってないから。
というか父さん‥‥俺は小さな子供じゃないんだが?
「怒ってないから。父さんも買ってくれなくていいから。それよりご飯食べよう?冷めちゃうよ」
「そうだな。せっかく巴菜と想佳の作った料理が冷めてしまう」
父さんが何かに気付いたようにそういうと、俺たちは食事を改めて開始した。
「あ、そういえば父さん」
「なんだ?颯」
食べ始めてしばらく経ち、全員の皿に残っている料理が無くなり始めた頃姉さんが何かを思い出したように声を発した。
「家に怜のクラスメートを泊めてもいい?」
「別にいいが、なんでそれを颯が言うんだ?」
「実はね‥‥‥」
不思議そうに聞き返す父さんに姉さんは今日のことを思い出しているのか少し顔を歪めていた。
そして父さんも姉さんが話すことを聞いていくうちにどんどんの顔が歪んでいく。
あぁ、なんか嫌な予感しかしない。
予定より早く帰ってきた父さんは各自の部屋から降りてきた俺たちを見て言った。
「お帰り父さん」
「お帰りなさい、早かったね」
「巴菜も一緒?」
兄さん、俺、姉さんが順々に声を父さんにかける。
「巴菜も一緒だ。もう、キッチンに居ると思うが。というか颯、普通お帰りが先だろ?」
「いや、もし巴菜と一緒に帰ってきたら週刊誌とかに撮られて大変でしょう?」
「巴菜は俺といる時は霊体だから見えないし写真にも映らないからな」
「あ、そうだったね」
「ったく、もう」
父さんは苦笑いをしながはツッコミをすると、それに対して姉さんもボケるという変な構図になっていた。
「面白い会話をしているのね」
母さんが巴菜と笑いながら一緒に料理を持って来た。
「巴菜お帰り。父さんの人使いの荒さには困っちゃうよね」
「いえ、私は來様の式神ですので。それに正確には人ではないですからね」
巴菜は姉さんの言葉を静かに訂正する。
「まぁ、確かに?」
「何で巴菜にはお帰りって言うんだよ。あとな、人使い荒いも余計だぞ」
「いたっ、痛いよ」
父さんは姉さんの頭を突っつきながら言い、姉さんは必死に逃げようとしている。
「さ、席について。頂きましょうか」
母さんは料理を机の上に置きながら言う。
今日のメニューはサバの塩焼きだ。
朝昼夕のメニューは巴菜が前日、前々日と被らないようにしている。
あと、和、洋も被らないようにしているらしい。
「「「「いただきます」」」」
席に着き手を合わせて声を揃えて言うと一斉に食べ始めた。
ちなみに式神である巴菜や桜夏の食事は使役されている主人の霊力だが、それは食べたくなければ食べなくても良い。
元人間の霊のため食事は必要としない。
それは式神となっても変わらない。
ただ霊力を吸収することで多少なりとも力が増えるらしい。
「桜夏、席に座って」
「え?」
兄さんが桜夏に席に座るように声をかけると当の本人は戸惑ったように式神の先輩である巴菜を見た。
「九条家のしきたりなのですよ」
「わ、分かりました。失礼します」
巴菜の返答に恐る恐る兄さんの隣の空いている椅子に座った。
この家のダイニングテーブルは椅子が多い。
現在、家には父さん、母さんなど計七名がいるが、椅子はあと四脚ほど残っている。
俺たちが座る椅子はそれぞれ決まっているからその四脚は未だ、お客さん以外に見たことがない。
「うん、流石、巴菜の料理は美味しい」
「あら、來くん?妻である私がいるというのに」
母さんは口を不貞腐れたように顔を膨らませた。
「あ、いや、もちろん想佳の料理ももちろん美味しいさ」
「ありがとう、來くん」
母さんは父さんの慌てたような口ぶりに笑いながらお礼を言った。
「もぅ、父さんも母さんもいちゃいちゃはお腹いっぱいだから」
「確かに子供の前ですることじゃないかもね」
「うん」
俺たち、子供にダメ出しをされると母さんと父さんはしょんぼりとした表情になった。
「そこまで言わなくてもいいのに‥‥怜まで‥‥」
しょんぼりしたままの父さんがこぼすように言う。
何故か俺が言ったことが大変ショックだったらしい。
でも言ったっていうけど俺、兄さんの言葉に反応しただけなんだけど?
「怜は可愛いからに決まってるでしょ?」
「その通りだよ。颯、僕も怜に言われたらショックだなぁ」
兄さんは想像しているのか空を見ながら言う。
だから!俺!兄さんの言葉に頷いただけだよ?
何も言ってないんだけど?
「主さま方、いい加減になさったほうがよろしいかと思いますよ。怜さまが限界でございます」
巴菜がそう父さんの耳に囁くと父さんはわざとらしい咳払いをした。
その咳払いに兄さんたちも一瞬で静かになり、一斉に俺の方を向いた。
「怒っているのかい?」
「ごめん、許して。わざとじゃないの」
「なんでも好きなもの買ってあげるからさ」
兄さん、姉さん、父さんの順に俺を見ながら言う。
いや、そこまで怒ってないし、別に許さないとか言ってないから。
というか父さん‥‥俺は小さな子供じゃないんだが?
「怒ってないから。父さんも買ってくれなくていいから。それよりご飯食べよう?冷めちゃうよ」
「そうだな。せっかく巴菜と想佳の作った料理が冷めてしまう」
父さんが何かに気付いたようにそういうと、俺たちは食事を改めて開始した。
「あ、そういえば父さん」
「なんだ?颯」
食べ始めてしばらく経ち、全員の皿に残っている料理が無くなり始めた頃姉さんが何かを思い出したように声を発した。
「家に怜のクラスメートを泊めてもいい?」
「別にいいが、なんでそれを颯が言うんだ?」
「実はね‥‥‥」
不思議そうに聞き返す父さんに姉さんは今日のことを思い出しているのか少し顔を歪めていた。
そして父さんも姉さんが話すことを聞いていくうちにどんどんの顔が歪んでいく。
あぁ、なんか嫌な予感しかしない。
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