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巴菜の新人教育
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「巴菜が原因ってどう言うこと?」
「う~ん、簡単に言うと巴菜が新人教育に力を入れすぎたかしらね」
「新人教育?またなんで」
俺の質問に兄さんは答えにくそうな、説明しにくそうな顔をして口を開いた。
「巴菜って僕が物心ついた頃にはいたんだよ。それってつまり長年僕たちの世話を一人でやって来たって事なんだよね。唯一の式神だったし」
「うん」
そう、うちに巴菜以外の式神はいない。
兄さんはともかく俺はまだ契約する術を持っていないし、姉さんは巫女家の血が濃く現れているから、契約はできない。
巫女家は霊を見送る立場にある。
その為、元霊である式神をそばに置いておくことは許されていない。
それだっら俺たち除霊家も許されないのではないのかと思うけど、何故か違うらしい。
「それで、まぁ、巴菜ったら喜んじゃって、桜夏くんにこれでもか、って色々自分の家事知識や式神としての意識なんかを詰め込んだみたいなのよ」
母さんは兄さんの言葉に続けるように困った表情で言った。
「で、頭がパンクして結果、これの状態に至るんだ。桜夏は、教えられたこと何がなんでも理解するって感じで、とんでもない勉強量だったみたいだったから。昨日今日でこうなったらわけ」
「なるほど‥‥‥。えっと桜夏はその口調とか治らないの?」
「努力はしていますが、何故か抜けなくて」
俺の質問に桜夏は申し訳なさそうに言った。
不思議すぎる。
昨日今日で口調というものは染まるものでもない。
単に桜夏が周りの環境に影響されやすかったとしてもこのスピードはおかしい。
考えられるとすれば、各式神にそれぞれ存在する力、〝能才〟だ。
能才とは霊が式神として契約する際に、主人である人に影響され、与えられる力のことだ。
この力は実際、主人の何に影響されて決まるのかは全く分かっておらず、人によっては霊が良い心を持ち主人に巡り逢えたことを祝い神からの土産という人もいるが、真相はまだ、謎のままだ。
で、もし巴菜の能才が他者に対して特定のものを刷り込むようなものならば、桜夏の口調の件も解決しそうなものだ。
「まぁ、焦る必要はないよ。ただ僕としては出会った頃の口調が親しみやすくて好きだけどね」
兄さんは桜夏の肩に手を置き言った。
「ねぇ、兄さん。桜夏の能才って何?」
「さぁ?なんだろね。能才に関しては式神とその主人にとって最高機密だからね。教えられないよ」
兄さんは悪戯った子のような顔をしていた。
まぁ、当たり前だよね。
式神の能才は契約するしている者にとっては利用されては困るものだ。
そう易々と教えてくれるわけないか。
‥‥‥待てよ。もし、桜夏の能才が変幻とかだったら?
嫌な予感しかしない。
変幻関係じゃないことを願おう。
「まぁ、能才の事はいいとして、優は戻ってほしいのよね。桜夏くんの口調を」
「うん。そうだね」
「母さん何か策があるの?」
「いや、ないわ。ただ、今一番桜夏に必要なのは同年代とのコミュニケーションだと思うわね」
俺が聞くと母さんはそう言った。
「僕たちだって桜夏とは同年代のはずなんだけど、母さんの話し方からするに僕たちじゃダメなんだね」
「そうね、どうしても優や怜は現時点でお仕えする主人とそのご家族の立場にあるでしょう?それじゃあ、どう頑張っても治らないと思うわ」
俺と兄さんは母さんの言葉に桜夏を見ながら考えた。
「どうしようか‥‥‥」
「ただいま~」
兄さんが考え込んでいると玄関の方で姉さんの暢気な声か聞こえてきた。
「姉さんが帰ってきたみたいだね」
姉さんの声が聞こえるしばらくするとリビングのドアが開き姉さんが入ってきた。
「お帰り、姉さん」
「ただいまっ!怜は相変わらず可愛い」
「颯は分かってる」
俺が声をかけると姉さんは叫びながら抱きつくとひたすらに俺の頬を引っ張っている。
兄さんはというとされるがままになっている俺を助けるわけでもなく、姉さんを肯定した。
一体俺を何歳だと思ってるんだ、二人は。
「いしゃい、姉ひゃん」
「あ、ごめん」
なんとか声を出し姉さんにギブアップだと伝えると姉さんは大人しく話してくれた。
「あの」
「‥‥‥‥‥‥‥うん?えっと、どちら様?」
桜夏も姉さんに挨拶をしようと声をかけようとするが、姉さんは桜夏を見て固まってしまった。
その様子に俺、母さん、兄さんは苦笑いを浮かべ、桜夏は困ったようだった。
「えっと、姉さんこちらの方は兄さんの式神です」
「へぇ~、兄さんの式神かぁ‥‥‥はぁ⁉︎え、兄さんそれ本当なの?」
「もちろん」
一度納得したように見えたけどやはり脳はキャパオーバーだったらしい。
「えっと名前は?」
「桜に夏で桜夏と申します。よろしくお願い致します。颯さま」
「あ、えっと、あ、はい。こちらこそ?」
コミュ力が高い姉さんでさえ桜夏の態度にどう接すれば良いのかわかっていないようだ。
「ちょっと兄さん、怜良い?」
「どうした?」
「ちょっとこっちこっち」
姉さんは俺と兄さんを手招きしながら部屋の隅に誘導した。
「どうしたの?姉さん」
「兄さん桜夏くんだっけ?いつ式神にしたの?」
「昨日の現場」
「はぁ。あの喋り方は素なの?」
「いや、巴菜に教育してもらったらああなったんだ」
「そうなんだ」
姉さんは俺と同じような質問に聞き、兄さんも同じように答える。
「姉さん、俺を呼んだ理由は?」
「もし私だけに秘密にしていたりしたら怜にも話聞かなきゃだしね」
姉さんは不敵な笑顔を見せながら話す。
もし知っていたらどうなっていたのだろう‥‥‥‥考えてただけでも悪寒がする。
「じゃあ、俺、戻っても良い?」
「だめ。ここにいて」
俺が母さんと桜夏のいるダイニングへ向かおうと姉さんに声をかけると肩を掴まれてしまった。
行こうとすれば行けるのだが、なんか怖い。
「兄さん、桜夏くんの口調を治す手立てはないの?」
「そのことなんだけどさっき母さんが同年代の子とコミュニケーショを取ることが大事なんじゃないかって言っていたよ」
「さすが母さん。そうだな、私の友だちと会ってみたりするとか?」
「まぁ、僕たちよりはましかもしれないね」
兄さんと姉さんの話は桜夏の口調を治す手立てが見つかったのか二人はああでもない、こうでもないと言い続けている。
その間姉さんの手は俺の肩にずっと乗っていた。
なので俺は動けなかった。
「母さん、決めた」
「何をかしら?」
急に姉さんと兄さんは話すのを止めて母さんに言った。
「私たち考えたんだけど桜夏くんを俳優としてデビューさせたらどうかって案がでたんだけど」
「「「うん?」」」
姉さんの口から飛び出したまさかの言葉に俺、母さん、桜夏は口を揃えてもう一度聞き返した。
「だから俳優になるってのはどう?」
「いやいやいやいや」
桜夏は高速で否定すると姉さんは不服そうな顔をなった。
「やっぱりダメだったろ?桜夏に演技なんで才能ないよ」
「主人様酷いですよ。思い出せませんけど演技には自身があります」
式神は生前の記憶を持っていないことがほとんどだ。
死んだ衝撃で記憶が全部飛んだだとか、式神として新しい命を授かるから古い記憶は捨てるべきだと神が判断したなど色々寓話があるが、要は記憶があるかないかの問題なだけだ。
「兄さん、桜夏が演技に自信があるんなら良いと思わない?」
「う~ん。最終的な決定権は桜夏自身にあるからね。もし桜夏がやりたいというなら止めはしないよ。けど母さんが言っていた同年代の子とのコミュニケーションを取るっていう点が達成出来ていないように思えるんだけど」
兄さんはそう言いながら姉さんと桜夏の方へ顔を向けた。
「そうなんだけどさ、同じ場所を見つめる仲間が出来て桜夏くんの口調が治るかもしれないし。まぁ兄さんが言った通り最終的な決定権は桜夏くんにあるんだけどね」
そう言って姉さんは桜夏の方を向いた。
「私は演技がしたい気がします」
桜夏はゆっくりと口を開くと遠慮がちに言った。
「分かった。母さん、今日父さんが帰ってくるのはどのくらい?」
桜夏の気持ちを知ると兄さんは真面目な顔をして母さんに聞いた。
「そうね、十時くらいかしらね。桜夏くんのこと相談するんでしょう?」
「まぁね。父さん俳優の厳しさを知ってしるし、式神のことも聞きたいことあるから」
「だったら來くんが認めるような言い文句を考えておいた方がいいわよ。來くん式神にも俳優業にも一過言あるからね」
「頑張るよ」
母さんのアドバイスに兄さんは笑顔の中に緊張を見せていた。
その後、どんな説得劇があったのかは俺は知らないけど、どうも父さんが桜夏を推すという形で桜夏は俳優デビューを果たしたのだった。
「う~ん、簡単に言うと巴菜が新人教育に力を入れすぎたかしらね」
「新人教育?またなんで」
俺の質問に兄さんは答えにくそうな、説明しにくそうな顔をして口を開いた。
「巴菜って僕が物心ついた頃にはいたんだよ。それってつまり長年僕たちの世話を一人でやって来たって事なんだよね。唯一の式神だったし」
「うん」
そう、うちに巴菜以外の式神はいない。
兄さんはともかく俺はまだ契約する術を持っていないし、姉さんは巫女家の血が濃く現れているから、契約はできない。
巫女家は霊を見送る立場にある。
その為、元霊である式神をそばに置いておくことは許されていない。
それだっら俺たち除霊家も許されないのではないのかと思うけど、何故か違うらしい。
「それで、まぁ、巴菜ったら喜んじゃって、桜夏くんにこれでもか、って色々自分の家事知識や式神としての意識なんかを詰め込んだみたいなのよ」
母さんは兄さんの言葉に続けるように困った表情で言った。
「で、頭がパンクして結果、これの状態に至るんだ。桜夏は、教えられたこと何がなんでも理解するって感じで、とんでもない勉強量だったみたいだったから。昨日今日でこうなったらわけ」
「なるほど‥‥‥。えっと桜夏はその口調とか治らないの?」
「努力はしていますが、何故か抜けなくて」
俺の質問に桜夏は申し訳なさそうに言った。
不思議すぎる。
昨日今日で口調というものは染まるものでもない。
単に桜夏が周りの環境に影響されやすかったとしてもこのスピードはおかしい。
考えられるとすれば、各式神にそれぞれ存在する力、〝能才〟だ。
能才とは霊が式神として契約する際に、主人である人に影響され、与えられる力のことだ。
この力は実際、主人の何に影響されて決まるのかは全く分かっておらず、人によっては霊が良い心を持ち主人に巡り逢えたことを祝い神からの土産という人もいるが、真相はまだ、謎のままだ。
で、もし巴菜の能才が他者に対して特定のものを刷り込むようなものならば、桜夏の口調の件も解決しそうなものだ。
「まぁ、焦る必要はないよ。ただ僕としては出会った頃の口調が親しみやすくて好きだけどね」
兄さんは桜夏の肩に手を置き言った。
「ねぇ、兄さん。桜夏の能才って何?」
「さぁ?なんだろね。能才に関しては式神とその主人にとって最高機密だからね。教えられないよ」
兄さんは悪戯った子のような顔をしていた。
まぁ、当たり前だよね。
式神の能才は契約するしている者にとっては利用されては困るものだ。
そう易々と教えてくれるわけないか。
‥‥‥待てよ。もし、桜夏の能才が変幻とかだったら?
嫌な予感しかしない。
変幻関係じゃないことを願おう。
「まぁ、能才の事はいいとして、優は戻ってほしいのよね。桜夏くんの口調を」
「うん。そうだね」
「母さん何か策があるの?」
「いや、ないわ。ただ、今一番桜夏に必要なのは同年代とのコミュニケーションだと思うわね」
俺が聞くと母さんはそう言った。
「僕たちだって桜夏とは同年代のはずなんだけど、母さんの話し方からするに僕たちじゃダメなんだね」
「そうね、どうしても優や怜は現時点でお仕えする主人とそのご家族の立場にあるでしょう?それじゃあ、どう頑張っても治らないと思うわ」
俺と兄さんは母さんの言葉に桜夏を見ながら考えた。
「どうしようか‥‥‥」
「ただいま~」
兄さんが考え込んでいると玄関の方で姉さんの暢気な声か聞こえてきた。
「姉さんが帰ってきたみたいだね」
姉さんの声が聞こえるしばらくするとリビングのドアが開き姉さんが入ってきた。
「お帰り、姉さん」
「ただいまっ!怜は相変わらず可愛い」
「颯は分かってる」
俺が声をかけると姉さんは叫びながら抱きつくとひたすらに俺の頬を引っ張っている。
兄さんはというとされるがままになっている俺を助けるわけでもなく、姉さんを肯定した。
一体俺を何歳だと思ってるんだ、二人は。
「いしゃい、姉ひゃん」
「あ、ごめん」
なんとか声を出し姉さんにギブアップだと伝えると姉さんは大人しく話してくれた。
「あの」
「‥‥‥‥‥‥‥うん?えっと、どちら様?」
桜夏も姉さんに挨拶をしようと声をかけようとするが、姉さんは桜夏を見て固まってしまった。
その様子に俺、母さん、兄さんは苦笑いを浮かべ、桜夏は困ったようだった。
「えっと、姉さんこちらの方は兄さんの式神です」
「へぇ~、兄さんの式神かぁ‥‥‥はぁ⁉︎え、兄さんそれ本当なの?」
「もちろん」
一度納得したように見えたけどやはり脳はキャパオーバーだったらしい。
「えっと名前は?」
「桜に夏で桜夏と申します。よろしくお願い致します。颯さま」
「あ、えっと、あ、はい。こちらこそ?」
コミュ力が高い姉さんでさえ桜夏の態度にどう接すれば良いのかわかっていないようだ。
「ちょっと兄さん、怜良い?」
「どうした?」
「ちょっとこっちこっち」
姉さんは俺と兄さんを手招きしながら部屋の隅に誘導した。
「どうしたの?姉さん」
「兄さん桜夏くんだっけ?いつ式神にしたの?」
「昨日の現場」
「はぁ。あの喋り方は素なの?」
「いや、巴菜に教育してもらったらああなったんだ」
「そうなんだ」
姉さんは俺と同じような質問に聞き、兄さんも同じように答える。
「姉さん、俺を呼んだ理由は?」
「もし私だけに秘密にしていたりしたら怜にも話聞かなきゃだしね」
姉さんは不敵な笑顔を見せながら話す。
もし知っていたらどうなっていたのだろう‥‥‥‥考えてただけでも悪寒がする。
「じゃあ、俺、戻っても良い?」
「だめ。ここにいて」
俺が母さんと桜夏のいるダイニングへ向かおうと姉さんに声をかけると肩を掴まれてしまった。
行こうとすれば行けるのだが、なんか怖い。
「兄さん、桜夏くんの口調を治す手立てはないの?」
「そのことなんだけどさっき母さんが同年代の子とコミュニケーショを取ることが大事なんじゃないかって言っていたよ」
「さすが母さん。そうだな、私の友だちと会ってみたりするとか?」
「まぁ、僕たちよりはましかもしれないね」
兄さんと姉さんの話は桜夏の口調を治す手立てが見つかったのか二人はああでもない、こうでもないと言い続けている。
その間姉さんの手は俺の肩にずっと乗っていた。
なので俺は動けなかった。
「母さん、決めた」
「何をかしら?」
急に姉さんと兄さんは話すのを止めて母さんに言った。
「私たち考えたんだけど桜夏くんを俳優としてデビューさせたらどうかって案がでたんだけど」
「「「うん?」」」
姉さんの口から飛び出したまさかの言葉に俺、母さん、桜夏は口を揃えてもう一度聞き返した。
「だから俳優になるってのはどう?」
「いやいやいやいや」
桜夏は高速で否定すると姉さんは不服そうな顔をなった。
「やっぱりダメだったろ?桜夏に演技なんで才能ないよ」
「主人様酷いですよ。思い出せませんけど演技には自身があります」
式神は生前の記憶を持っていないことがほとんどだ。
死んだ衝撃で記憶が全部飛んだだとか、式神として新しい命を授かるから古い記憶は捨てるべきだと神が判断したなど色々寓話があるが、要は記憶があるかないかの問題なだけだ。
「兄さん、桜夏が演技に自信があるんなら良いと思わない?」
「う~ん。最終的な決定権は桜夏自身にあるからね。もし桜夏がやりたいというなら止めはしないよ。けど母さんが言っていた同年代の子とのコミュニケーションを取るっていう点が達成出来ていないように思えるんだけど」
兄さんはそう言いながら姉さんと桜夏の方へ顔を向けた。
「そうなんだけどさ、同じ場所を見つめる仲間が出来て桜夏くんの口調が治るかもしれないし。まぁ兄さんが言った通り最終的な決定権は桜夏くんにあるんだけどね」
そう言って姉さんは桜夏の方を向いた。
「私は演技がしたい気がします」
桜夏はゆっくりと口を開くと遠慮がちに言った。
「分かった。母さん、今日父さんが帰ってくるのはどのくらい?」
桜夏の気持ちを知ると兄さんは真面目な顔をして母さんに聞いた。
「そうね、十時くらいかしらね。桜夏くんのこと相談するんでしょう?」
「まぁね。父さん俳優の厳しさを知ってしるし、式神のことも聞きたいことあるから」
「だったら來くんが認めるような言い文句を考えておいた方がいいわよ。來くん式神にも俳優業にも一過言あるからね」
「頑張るよ」
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