能天気男子の受難

いとみ

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ルシオンは、冷たい床に寝かされた状態で、両足を押さえ付けられ陰茎を舐められていた。
その間も身体中を、両脇にいる男達に触られ舐められている。

気持ち悪いのに、乳首を弄られ、陰茎をべちょべちょと舐められ、しだいに快感の波が迫ってくる。

「へっへっへっ、硬くなってきたぜ。こっちも可愛がってやるよ。」

さらに足を開かされ、腰を持ち上げられると、尻の奥を舐めてきた。

「や、やだ!」

「嫌じゃねぇだろ?ヒクヒクしてるぜ。」

陰茎を手で擦られ、肛門に舌を入れて舐められれば、嫌で嫌で感じたくないのに、俺の下半身は疼いて気持ち良くなってくる。
感じたくないのに、強制的に感じさせられていく。
さらに尻の中に、指も入れられ、かき混ぜられて、ある1ヶ所に当たった。

「ぁあっ。んっ。」

感じる場所を強く刺激される。

「や、あっ、イヤだ。んっ。」

「思った通り、色っぽいな。」
「やべぇ、興奮してきた。」
「早く入れようぜ。」

嫌だ。こんな男達に良いようにされて、怖いのに、感じてる自分が浅ましく悔しかった。

目の前の男が、指を抜いてズボンを下ろす。硬くなってそそり立ったモノを入れて来ようとした時…。

バターンッ、ドタドタ、ガッ、ドガッ、と凄まじい音が聞こえてきた。

「何だ!?」「何が起こった!」「なっ!」

バターンッ!
「ルシオン!無事か!?」

俺からは見えないが、助けが来てくれたようだ。

「お前ら。」ドガッ「このっ!」ガッ「うおぉぉ!」ドスッ。「くそっ。」ガッ。
この狭い、物置部屋に怒声と殴り合う音が響く。

俺は、身体を小さくしながら見守るしかなかった。
しばらくすると、山賊のような男達は倒れ静かになった。気絶しているように見えるが…死んでないよな?

「ルシオン、大丈夫か?」

助けに来てくれたのは、去年まで同室だったヒューリだった。他にも自警団と思える方々が数人。

「どうして?ヒューリが…。」

ヒューリは俺の身体を見て、ため息をつく。

「くそっ。取り敢えず、ここから出るよ。」

ヒューリは縛られていたロープを切り、俺の身体に自分の上着を掛け抱き上げた。

「俺、歩けるから。」
「ダメだ、露出が激しい。他の奴を刺激しないでくれないか。もう黙って。」

刺激って…何?

仕方なく、ヒューリにお姫様抱っこされた状態で、運ばれる事になった。恥ずかしい。
小屋の外に出ると、林が繁っていた。少し歩くと、林がなくなり道に馬車が停まっていて、それで帰るらしい。そして、馬車の中に入ったが、何故かヒューリの膝の上に横抱きのまま座らされる。この子供みたいな格好、恥ずかしいんだけど。

「怖かっただろ。」

ヒューリはそう言って、俺の背中を撫でてくれる。
ただ、それだけなのに、ひどく安堵した。

「でも…どうして、ヒューリが……。」

ヒューリは文系で運動はダメなんだと思ってたから、正直あんなに戦えるなんてビックリした。もしかすると、俺より強いかもしれない。自信なくすなぁ。

「お前の護衛だしな。」
「は?…ヒューリが?何で、いつから?」

「それがな………。」
ヒューリは元々、ただの同室という存在だった。
だが、俺が光属性を持ってしまった事で、ヒューリに身辺警護を、国から依頼されたらしい。
平民で貴族とも繋がりがなく、たまたま同室だった事で都合が良かったらしい。俺の知らない所で、こんな危ない事をしていたなんて…申し訳ない。

「何か…ごめん。」
「君が謝る事じゃないよ。ルシオンだから引き受けたんだから。」

ヒューリに頭を撫でられる。俺、子供扱い?
だが、頭を撫でられているうちに、疲れが出たのか眠くなってきて、目を開けていられなくなる。
しだいに俺は眠りに落ちた。



馬車が停まる振動で身が覚めた。
俺は、ヒューリの膝枕で眠っていた。

「うわっ、ごめん。」
「役得だ。」

ん?ヒューリって、こんなキャラだったか?
メガネをかけていて、冷静に物事を判断するガリ勉って感じで…朝が弱いから、同室の時は起こしてたっけ。
今みたいに柔らかく微笑んだり、戦ったり…知らない間に、男っぽくなっちまって。何だか、置いていかれたようで寂しい。

馬車を下り、また抱き上げられ移動する羽目になった。
そもそも俺は裸のままだし、靴も履いていないから仕方ないんだけど。軽々と持ち上げられると、ちょっとショックだ。

俺の部屋に着き、勝手知ったるなんとやらで、リビングのソファに座らされる。

「まず、シャワーを浴びて温まってきてきて。その後に怪我の様子を見てもらうから。」

そう言われて、改めて自分の身体を見る。あちこち傷だらけで、血が出て固まっている所もあった。
しかも全身、男達のよだれでベトベトで臭くて、気持ち悪かった。

「ありがとう。」

俺は、有り難く浴室に向かい、この気持ち悪いものを洗い流す。お湯が傷に沁みたが、男達のよだれがまだ、まとわりついているようで、洗っても洗っても、綺麗にならない。
泡をつけ力一杯洗いながら、全身の傷の痛さと、自分の身体の汚さに、涙が出てきた。
今さらになって、男達のニヤついた笑いを思い出し、身体が震え、熱いシャワーを浴びながら、俺は泣いていた。



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