46 / 73
43
しおりを挟む
寝返りを打とうとして、違和感に気付いて目が覚めた。床に寝かされていたらしく、身体中が痛い。
両腕の自由が利かない事で、後ろで縛られているのに気付いた。
周りを見てみるとここは、物置の部屋なのか木箱がたくさんあり、薄暗く埃っぽい。人の気配もない。
しかも…俺は裸だった。下着も脱がされている。かろうじて、シーツを掛けられていた事が幸いだった。
どうにかここから脱出しようと、後ろで縛られている手を動かしたり、ロープを木箱の角に擦り付けても、手首が痛くなるだけで、ロープが緩む事も切れる事も無かった。
どうして俺が、こんな所に閉じ込められているのか…まだ捕まっていない犯人の仕業なのか……
だとすれば、俺は殺されるかもしれない。
裸のままでは逃げられないし、戦ったとしてもこのままでは、すぐ斬られて終わりだ。
どうしたら良い?何か策はないか?焦りながらも、敵が来るまで考える。簡単に、殺されてやる気はないし、相手にも一発食らわせてから死にたい。
部屋の中を見て、何か使えそうな物を探した。
「あいつらはまだか!いつまで待たせるんだよ!」
1人の少年は苛立っていた。
やっと学園に姿を見せたルシオンを、拐って来たのは良いが、こんな事がバレたら俺は殺される。
寮の侍従の妹を誘拐し、ルシオンの飲むコーヒーに媚薬を入れろと、実行させたのは失敗に終った。
「聖女様が大丈夫だと…バレるはずがないと……なのに何でだ!?どうしてこうなる!」
「大丈夫だ。奴を始末してしまえば解らぬ。」
腹が出ていて、ふくよかな中年の男性が少年を宥める。
「お前は焦りすぎて詰めが甘い。今度は失敗しないさ。だから、奴等を雇ったんだ。あれを殺してしまえば、お前は聖女様にお近づきになれるし、さらには、王族を出し抜けるぞ。」
男性はニタリと嫌な笑みを浮かべた。
少年は青ざめて、震えが止まらなかった。こんなはずでは無かった。ただ、聖女様に認めて欲しくて、誉めて欲しくてした事が、取り返しのつかない事態になってしまった。だが、もう後戻りは出来ない所まで来てしまっている。少年にはどうする事も出来なかった。
ガチャッ。「へっへっへっへ。ガキはどこだ?」
「ひっひっひっひ、俺らが可愛がってやるぜ。」
体格が大きくて、山賊のような男達が入ってきた。奴等は3人。俺が素手で戦っても無理そうだが、何もしないより少しでも可能性がある方に賭けてみる。
俺は木箱に入っていた白い粉を、男達目掛けて投げる。両手を後ろで縛られている状態で、掛けたので威力は無かったが、隙は出来た。
顔に掛かった粉を男達が払っている隙に、脇から出口目指して走った。
「おい!待て!」「このやろう!」
開いていたドアを抜け部屋から出ると、そこには見覚えのない少年と腹が出ている中年の男性がいた。
「お前…。」
「チッ、顔を見られた。お前ら早く捕まえろ!」
少年は顔色が悪く驚いていたが、隣の男性は怒りだし俺を捕まえようとしてきた。
前方と後方と挟み撃ちにされては逃げ場がない。
どちらかと言えば、中年のおっさんの方が攻撃しやすいかもしれない。
俺は、そう思いおっさんに体当たりした。柔らかいおっさんの肉がクッションになって弾み、さらに踏みつけて、この小屋から脱出する。
おっさんの贅肉に感謝しながら、そのまま逃げられたはずだった。
外に見張りの男がいなければ………。
「くそっ。」
俺は、見張りの男にまんまと捕まってしまった。
後ろで縛られている所を捕まれ、また物置部屋に放り投げられた。
「いってぇ。」
ドアに鍵をかけられて、もう逃げられない状態にされてしまった。
「こざかしい真似してくれるじゃねぇか。」
「ガキのくせに。もう逃げられねぇぜ。」
山賊のような男達3人が迫ってくる。図体がデカイから迫力がありすぎる。
「こいつ、キレイな面してんなぁ。」
「殺す前に味見するのも良いかもな。」
男達は俺に近づきながら、怪しげな事を言ってくる。
俺は座り込んだまま、後退りするが壁に背が当たり焦る。くそっ。もう殺されるのか。
男達の1人が、しゃがみこみ俺に近づいてくる。足で男を蹴ろうとするが足を捕まれてしまった。
「へへへへっ、無駄だよ。ほれ、ご開帳。」
「はっはっはっは、良い眺めだ。」
「やめろ!」
両足を開かされ、尻の奥まで晒される。
さらに、両側から残りの2人の男が俺を押さえつけてくる。
「肌も白くて、すべすべだぜ。ひっひっひっ。」
「いいねぇ。若い男は女より楽しめるぜ。」
「その怯えた顔もそそる。」
男達は、そう言いながら俺の身体を撫で回しながら、べちょべちょと舐めてくる。
前からは腹や内腿を、脇からは頬や首筋、胸や脇腹を、それぞれ舐め回される。まるで、ナメクジが這っているような感覚に、気持ち悪くて震える。
「ひっひっひ、こっちの可愛いムスコは、怖くて縮こまってやがる。」
「はっはっはっ、気持ちよくしてやるよ。」
そう言って、目の前の男が俺の陰茎を口に含んで舐めてきた。
「やめてくれ…。」
両腕の自由が利かない事で、後ろで縛られているのに気付いた。
周りを見てみるとここは、物置の部屋なのか木箱がたくさんあり、薄暗く埃っぽい。人の気配もない。
しかも…俺は裸だった。下着も脱がされている。かろうじて、シーツを掛けられていた事が幸いだった。
どうにかここから脱出しようと、後ろで縛られている手を動かしたり、ロープを木箱の角に擦り付けても、手首が痛くなるだけで、ロープが緩む事も切れる事も無かった。
どうして俺が、こんな所に閉じ込められているのか…まだ捕まっていない犯人の仕業なのか……
だとすれば、俺は殺されるかもしれない。
裸のままでは逃げられないし、戦ったとしてもこのままでは、すぐ斬られて終わりだ。
どうしたら良い?何か策はないか?焦りながらも、敵が来るまで考える。簡単に、殺されてやる気はないし、相手にも一発食らわせてから死にたい。
部屋の中を見て、何か使えそうな物を探した。
「あいつらはまだか!いつまで待たせるんだよ!」
1人の少年は苛立っていた。
やっと学園に姿を見せたルシオンを、拐って来たのは良いが、こんな事がバレたら俺は殺される。
寮の侍従の妹を誘拐し、ルシオンの飲むコーヒーに媚薬を入れろと、実行させたのは失敗に終った。
「聖女様が大丈夫だと…バレるはずがないと……なのに何でだ!?どうしてこうなる!」
「大丈夫だ。奴を始末してしまえば解らぬ。」
腹が出ていて、ふくよかな中年の男性が少年を宥める。
「お前は焦りすぎて詰めが甘い。今度は失敗しないさ。だから、奴等を雇ったんだ。あれを殺してしまえば、お前は聖女様にお近づきになれるし、さらには、王族を出し抜けるぞ。」
男性はニタリと嫌な笑みを浮かべた。
少年は青ざめて、震えが止まらなかった。こんなはずでは無かった。ただ、聖女様に認めて欲しくて、誉めて欲しくてした事が、取り返しのつかない事態になってしまった。だが、もう後戻りは出来ない所まで来てしまっている。少年にはどうする事も出来なかった。
ガチャッ。「へっへっへっへ。ガキはどこだ?」
「ひっひっひっひ、俺らが可愛がってやるぜ。」
体格が大きくて、山賊のような男達が入ってきた。奴等は3人。俺が素手で戦っても無理そうだが、何もしないより少しでも可能性がある方に賭けてみる。
俺は木箱に入っていた白い粉を、男達目掛けて投げる。両手を後ろで縛られている状態で、掛けたので威力は無かったが、隙は出来た。
顔に掛かった粉を男達が払っている隙に、脇から出口目指して走った。
「おい!待て!」「このやろう!」
開いていたドアを抜け部屋から出ると、そこには見覚えのない少年と腹が出ている中年の男性がいた。
「お前…。」
「チッ、顔を見られた。お前ら早く捕まえろ!」
少年は顔色が悪く驚いていたが、隣の男性は怒りだし俺を捕まえようとしてきた。
前方と後方と挟み撃ちにされては逃げ場がない。
どちらかと言えば、中年のおっさんの方が攻撃しやすいかもしれない。
俺は、そう思いおっさんに体当たりした。柔らかいおっさんの肉がクッションになって弾み、さらに踏みつけて、この小屋から脱出する。
おっさんの贅肉に感謝しながら、そのまま逃げられたはずだった。
外に見張りの男がいなければ………。
「くそっ。」
俺は、見張りの男にまんまと捕まってしまった。
後ろで縛られている所を捕まれ、また物置部屋に放り投げられた。
「いってぇ。」
ドアに鍵をかけられて、もう逃げられない状態にされてしまった。
「こざかしい真似してくれるじゃねぇか。」
「ガキのくせに。もう逃げられねぇぜ。」
山賊のような男達3人が迫ってくる。図体がデカイから迫力がありすぎる。
「こいつ、キレイな面してんなぁ。」
「殺す前に味見するのも良いかもな。」
男達は俺に近づきながら、怪しげな事を言ってくる。
俺は座り込んだまま、後退りするが壁に背が当たり焦る。くそっ。もう殺されるのか。
男達の1人が、しゃがみこみ俺に近づいてくる。足で男を蹴ろうとするが足を捕まれてしまった。
「へへへへっ、無駄だよ。ほれ、ご開帳。」
「はっはっはっは、良い眺めだ。」
「やめろ!」
両足を開かされ、尻の奥まで晒される。
さらに、両側から残りの2人の男が俺を押さえつけてくる。
「肌も白くて、すべすべだぜ。ひっひっひっ。」
「いいねぇ。若い男は女より楽しめるぜ。」
「その怯えた顔もそそる。」
男達は、そう言いながら俺の身体を撫で回しながら、べちょべちょと舐めてくる。
前からは腹や内腿を、脇からは頬や首筋、胸や脇腹を、それぞれ舐め回される。まるで、ナメクジが這っているような感覚に、気持ち悪くて震える。
「ひっひっひ、こっちの可愛いムスコは、怖くて縮こまってやがる。」
「はっはっはっ、気持ちよくしてやるよ。」
そう言って、目の前の男が俺の陰茎を口に含んで舐めてきた。
「やめてくれ…。」
12
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる