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一章
探索
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「それじゃあ、分かれて探索しようかー」
ケイさんの言葉に全員顔を見合わせた。
「スズ、一緒に探索しないか?」
「あぁ、そうだな」
もちろんと言うべきか、スズエさんとシルヤ君は行動を共にするようだ。
「ボクも一緒にいいかな?」
二人に声をかけるとシルヤ君はスズエさんの後ろに隠れたが、
「えぇ、いいですよ。一緒に回った方が安心しますし」
スズエさんはそう言って微笑んだ。それを見た彼もおずおずと前に出てきた。
エレンさんはケイさん、ゴウさん、ミヒロさんと一緒に探索するようだ。カナクニ先生と女性陣はフウ君と少女を見ながら探索してくれると言ってくれた。
三人で探索しに向かう。最初に来たのはモニター室だった。
「これは……」
スズエさんがパソコンを触っている間、ボクとシルヤ君は他のところを探してみる。DVDを見つけ、なんだろうと思っていると、
「その、ユウヤさん……」
シルヤ君に話しかけられた。
「どうしたの?」
「……その……オレ、記也って言うっす……ユウヤさんには名乗っておかないとって、思って……」
どういう心の変わりようか、彼はボクに名乗ってきた。きっとスズエさんが信用しようとしているのが分かったからだろう。
「これ、なんなんすかね……?」
シルヤ君が渡してきたのは指輪。見た感じ、婚約指輪みたいな……?
「ここにあるの、おかしいっすよね……?」
「そうだね……おしゃれ目的のものならともかく……」
謎解きとは関係なさそうだが、だとしたらなんでここにあるのかという疑問もわいてくる。
「どうしたんですか?」
そんなボク達にスズエさんが声をかけた。
「す、スズ。何でもないぜ?」
「そう?それならいいけど……そうそう、あのパソコンだけメールが使えるみたいだ」
挙動不審になっているシルヤ君を不思議そうに見ながら彼女はそう言った。
「メール?」
ボクが覗き込むと、画面に違和感を覚える。だけど、それが何なのか分からなかった。
一度モニター室を出て、別の部屋に向かう。次に入った部屋は食堂だった。
「食堂なんてあるんだな……」
「数日……下手すれば数か月は閉じ込める気なのかもな。妙な行動はしない方がいい」
シルヤ君とスズエさんがそんな会話をする。それを聞きながらボクが食器棚を見ると紙があった。
(なんだろ……?)
それを手に取ると、紙にはこんなことが書かれていた。
お前達の中に裏切り者がいる。そいつはお前らを殺すだろう。
(……裏切り者……?)
どういうことかと考えていると、「……ん?」とスズエさんの小さな声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
「いえ……この椅子、少しおかしくないですか?」
彼女の質問にボクも見てみると、確かに何かが挟まっている気がする。
「スズー、これなんだろ?」
遠くから、シルヤ君がスズエさんを呼んだ。一緒にそちらに向かうと机の上に花瓶と「真の友情を捧げよ」という紙があった。どうやら机の引き出しを開けるための仕掛けらしい。
「真の友情……?ゼラニウムのことかな……?」
そう呟きながら、スズエさんは棚を見る。そこにはいろんな造花が置かれていた。
「えっと……あ、あったあった」
その中から赤い造花を持ち、花瓶に挿す。すると机の引き出しが開いた。
引き出しにはドライバーと封筒があった。封筒の中身は勝率票と参加者一覧だった。
祈花 佑夜 自営業 12%
野白 啓 元警察官 11%
道新 舞華 パン屋 10%
松浦 麻実 歌手 10%
歌川 羽奈 大学生 10%
三代 孝 ボクサー 9%
梶谷 ゴウ 野球選手 9%
中松 廉人 会社員 8%
霜月 怜 大学生 8%
神邦 真次 高校教師 7%
高比良 ゆみ 大学生 7%
秋原 蘭 高校生 7%
松浦 実弘 殺人犯 6%
須賀 亜里夏 警察官 5%
珠理 風 小学生 5%
七守 恵漣 シェフ 3%
如月 奈子 小学生 3%
憶知 記也 高校生 2%
佐藤 希菜 中学生 1%
佐藤 菜々美 中学生 1%
森岡 涼恵 高校生 0%
(どういうことだろう……?)
ボクが首を傾げながらそれをポケットに入れた。
ケイさんの言葉に全員顔を見合わせた。
「スズ、一緒に探索しないか?」
「あぁ、そうだな」
もちろんと言うべきか、スズエさんとシルヤ君は行動を共にするようだ。
「ボクも一緒にいいかな?」
二人に声をかけるとシルヤ君はスズエさんの後ろに隠れたが、
「えぇ、いいですよ。一緒に回った方が安心しますし」
スズエさんはそう言って微笑んだ。それを見た彼もおずおずと前に出てきた。
エレンさんはケイさん、ゴウさん、ミヒロさんと一緒に探索するようだ。カナクニ先生と女性陣はフウ君と少女を見ながら探索してくれると言ってくれた。
三人で探索しに向かう。最初に来たのはモニター室だった。
「これは……」
スズエさんがパソコンを触っている間、ボクとシルヤ君は他のところを探してみる。DVDを見つけ、なんだろうと思っていると、
「その、ユウヤさん……」
シルヤ君に話しかけられた。
「どうしたの?」
「……その……オレ、記也って言うっす……ユウヤさんには名乗っておかないとって、思って……」
どういう心の変わりようか、彼はボクに名乗ってきた。きっとスズエさんが信用しようとしているのが分かったからだろう。
「これ、なんなんすかね……?」
シルヤ君が渡してきたのは指輪。見た感じ、婚約指輪みたいな……?
「ここにあるの、おかしいっすよね……?」
「そうだね……おしゃれ目的のものならともかく……」
謎解きとは関係なさそうだが、だとしたらなんでここにあるのかという疑問もわいてくる。
「どうしたんですか?」
そんなボク達にスズエさんが声をかけた。
「す、スズ。何でもないぜ?」
「そう?それならいいけど……そうそう、あのパソコンだけメールが使えるみたいだ」
挙動不審になっているシルヤ君を不思議そうに見ながら彼女はそう言った。
「メール?」
ボクが覗き込むと、画面に違和感を覚える。だけど、それが何なのか分からなかった。
一度モニター室を出て、別の部屋に向かう。次に入った部屋は食堂だった。
「食堂なんてあるんだな……」
「数日……下手すれば数か月は閉じ込める気なのかもな。妙な行動はしない方がいい」
シルヤ君とスズエさんがそんな会話をする。それを聞きながらボクが食器棚を見ると紙があった。
(なんだろ……?)
それを手に取ると、紙にはこんなことが書かれていた。
お前達の中に裏切り者がいる。そいつはお前らを殺すだろう。
(……裏切り者……?)
どういうことかと考えていると、「……ん?」とスズエさんの小さな声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
「いえ……この椅子、少しおかしくないですか?」
彼女の質問にボクも見てみると、確かに何かが挟まっている気がする。
「スズー、これなんだろ?」
遠くから、シルヤ君がスズエさんを呼んだ。一緒にそちらに向かうと机の上に花瓶と「真の友情を捧げよ」という紙があった。どうやら机の引き出しを開けるための仕掛けらしい。
「真の友情……?ゼラニウムのことかな……?」
そう呟きながら、スズエさんは棚を見る。そこにはいろんな造花が置かれていた。
「えっと……あ、あったあった」
その中から赤い造花を持ち、花瓶に挿す。すると机の引き出しが開いた。
引き出しにはドライバーと封筒があった。封筒の中身は勝率票と参加者一覧だった。
祈花 佑夜 自営業 12%
野白 啓 元警察官 11%
道新 舞華 パン屋 10%
松浦 麻実 歌手 10%
歌川 羽奈 大学生 10%
三代 孝 ボクサー 9%
梶谷 ゴウ 野球選手 9%
中松 廉人 会社員 8%
霜月 怜 大学生 8%
神邦 真次 高校教師 7%
高比良 ゆみ 大学生 7%
秋原 蘭 高校生 7%
松浦 実弘 殺人犯 6%
須賀 亜里夏 警察官 5%
珠理 風 小学生 5%
七守 恵漣 シェフ 3%
如月 奈子 小学生 3%
憶知 記也 高校生 2%
佐藤 希菜 中学生 1%
佐藤 菜々美 中学生 1%
森岡 涼恵 高校生 0%
(どういうことだろう……?)
ボクが首を傾げながらそれをポケットに入れた。
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