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エピローグ
信念を貫いた先
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数日後、スズエさんが慌てた様子で「ねぇ、フウがどこに行ったか知らない!?」と聞いてきた。
「朝からどこを探しても見当たらなくて……」
「え、マジで?」
「さすがに探しに行こうか。一人じゃ危ないだろうし」
ボク達がスズエさんを落ち着かせながら提案すると、来ていたユキナさんに「あー、フウ君?」とのんびり声をかけてきた。
「……多分、あの子は未来から来た子なんじゃない?」
「……え?」
「だって、フウ君だったよね?あの子、どこにも情報がなかったからね」
何を言っているのだろうか?と思うけれど、ボク達やスズエさんも不思議な力を使えるんだからそんなことがあってもおかしくない。
「……そっか……無事ならいいけど……」
スズエさんも少し考え込んで、そう呟いた。
それからのスズエさんの行動は早かった。高校生ながら祖父母の研究を受け継ぎ、研究所を再建させた。それから、キナちゃんナナミさんやナコちゃんの両親に話をつけに行き、ミヒロさんの容疑も晴らして一緒に住めるようにしたのだ。
「意外と行動派なんだね……」
レントさんに言われ、「まぁ、善は急げなんて言葉がありますからね」と夕食を作りながらスズエさんは答えた。
「それに、私も受験の片手間に出来ることしたいですし」
「片手間、で片付けられるものじゃないと思うけど?研究所の経営なんて」
苦笑するレイさんに「そうですか?」と彼女は首を傾げる。
「まぁ、いざとなれば情報屋で生計は立てられますからね。だから割と気軽に出来るんですよね」
「君の思考が分からない……」
それでいいのか?この子は……。
でも、この子なら普通にやっていけそうだと思ってしまうのは彼女が本当に強い人だからだろう。
「兄さん、これ運んでいい?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
エレンさんに聞くスズエさんはどこか楽しそうだった。
それから数年後、研究所も軌道に乗ってきたころ。
「きれいですよ、スズエ」
「ありがとう、兄さん」
「スズ姉!結婚おめでとー!」
スズエさんが純白のドレスを着ていた。
この日は、スズエさんの結婚式だった。よく見知った人達だけの所長としては小さな式だけど、それがスズエさんらしい。
「でも、まさかスズエさんがアイトと結婚するなんてね」
「アハハ……あいつは私が手綱握ってないとダメですからね」
「なんか言った?」
ボクとスズエさんで話していると、後ろからアイトが声をかけてきた。
「何でもない」
「へぇ……まぁユウヤだしいいけど」
そう言いながら、アイトがスズエさんの手を握った。
「本当に……幸せにしろよ?」
「もちろんだよ。ボク、スズエのことが大好きだから」
アイトにそう言うと、彼は笑顔でそう答えた。
――愛する人が幸せなら、それでいい。
たとえ叶うことのない恋でも、君のことを愛しているよ。
「朝からどこを探しても見当たらなくて……」
「え、マジで?」
「さすがに探しに行こうか。一人じゃ危ないだろうし」
ボク達がスズエさんを落ち着かせながら提案すると、来ていたユキナさんに「あー、フウ君?」とのんびり声をかけてきた。
「……多分、あの子は未来から来た子なんじゃない?」
「……え?」
「だって、フウ君だったよね?あの子、どこにも情報がなかったからね」
何を言っているのだろうか?と思うけれど、ボク達やスズエさんも不思議な力を使えるんだからそんなことがあってもおかしくない。
「……そっか……無事ならいいけど……」
スズエさんも少し考え込んで、そう呟いた。
それからのスズエさんの行動は早かった。高校生ながら祖父母の研究を受け継ぎ、研究所を再建させた。それから、キナちゃんナナミさんやナコちゃんの両親に話をつけに行き、ミヒロさんの容疑も晴らして一緒に住めるようにしたのだ。
「意外と行動派なんだね……」
レントさんに言われ、「まぁ、善は急げなんて言葉がありますからね」と夕食を作りながらスズエさんは答えた。
「それに、私も受験の片手間に出来ることしたいですし」
「片手間、で片付けられるものじゃないと思うけど?研究所の経営なんて」
苦笑するレイさんに「そうですか?」と彼女は首を傾げる。
「まぁ、いざとなれば情報屋で生計は立てられますからね。だから割と気軽に出来るんですよね」
「君の思考が分からない……」
それでいいのか?この子は……。
でも、この子なら普通にやっていけそうだと思ってしまうのは彼女が本当に強い人だからだろう。
「兄さん、これ運んでいい?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
エレンさんに聞くスズエさんはどこか楽しそうだった。
それから数年後、研究所も軌道に乗ってきたころ。
「きれいですよ、スズエ」
「ありがとう、兄さん」
「スズ姉!結婚おめでとー!」
スズエさんが純白のドレスを着ていた。
この日は、スズエさんの結婚式だった。よく見知った人達だけの所長としては小さな式だけど、それがスズエさんらしい。
「でも、まさかスズエさんがアイトと結婚するなんてね」
「アハハ……あいつは私が手綱握ってないとダメですからね」
「なんか言った?」
ボクとスズエさんで話していると、後ろからアイトが声をかけてきた。
「何でもない」
「へぇ……まぁユウヤだしいいけど」
そう言いながら、アイトがスズエさんの手を握った。
「本当に……幸せにしろよ?」
「もちろんだよ。ボク、スズエのことが大好きだから」
アイトにそう言うと、彼は笑顔でそう答えた。
――愛する人が幸せなら、それでいい。
たとえ叶うことのない恋でも、君のことを愛しているよ。
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