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第七十四話 子供達とフォウの出会い
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フォウを眺めつつ小声で会話していた二人はふと部屋の中が明るくなっている事に気づいた。
「あ、朝だ」
窓の外を見て、最初に声をあげたのはサイリールだった。
二人は顔を見合わせて、クスリと笑いあった。
「うっかりしていたなぁ。寝なくても辛くはないからつい話し込んじゃったや」
そんなアソートの言葉にサイリールも頷いた。
そんな二人の声でフォウが目を覚ました。
キョロキョロと見回し、ぴぃと一声鳴いてからサイリールに飛びついた。
するすると登ると、サイリールの肩を自分の場所と決めたのか、座りこんでぴぃと声を出した。
「おはよー、フォウ」
「おはよう、フォウ。まだお腹は空いてないかい?」
サイリールの言葉にぴぃと鳴いて頷いた。
「しかし、本当に賢いねぇ。昨日少し教えただけなのに」
「アソートの教え方がすごく上手だったから、それもあるかもしれないね」
サイリールの言葉に照れたアソートは誤魔化すように少し早口で話した。
「そうかな?サーシャに教えてた経験があるからかもしれないね!」
照れるアソートを見てサイリールはふわりと微笑んだ。
「さて、そろそろ行こうか。あの子達ももう起きたみたいだ」
「あ、本当?じゃあ行こうか!フォウも紹介しないとねー」
そうして二人共部屋を出ると、ちょうど隣の部屋からもエルと子供達が出てきた。
「おはよう、みんな」
「おはよー」
「おはようございます、マスター、アソート様」
「ぱぱ、にーに、おあよー」
「パパ、おにいちゃん、おはよー」
軽く頭を下げるエルと、まだ少し眠いのか目をこすりながら挨拶するファニー、そして元気いっぱいのサーシャ。
そんなサーシャがサイリールの肩の上でちょこんと座っているかわいい動物に気づいた。
目をキラキラさせて、サイリールに質問をする。
「わー!かわいい!パパ!そのこなにー?さわりたいー!」
サーシャの言葉にファニーもサイリールを見上げる。
眠たげに半開きだった目がみるみると開いていき、サーシャと同じキラキラした目になった。
子供達が騒ぎ出し、指を口にあてたサイリールが慌てて宥めはじめた。
「しー。静かに。馬車に乗ったら紹介してあげるから。まだ寝てる人もいるんだから、ね?」
サイリールの言葉に二人共口をばっと押さえるとしょんぼりとして謝罪をした。
「ごめんなさい……。しずかにする」
「ごめちゃ……」
そんな二人を見てサイリールはニコリと微笑むと頭を撫でた。
「うん、二人共いい子だね。さ、馬車に行こう」
サイリールの言葉に二人共、にへらと笑い元気よく、しかし小声で話しながら階段を下っていった。
「あ、朝だ」
窓の外を見て、最初に声をあげたのはサイリールだった。
二人は顔を見合わせて、クスリと笑いあった。
「うっかりしていたなぁ。寝なくても辛くはないからつい話し込んじゃったや」
そんなアソートの言葉にサイリールも頷いた。
そんな二人の声でフォウが目を覚ました。
キョロキョロと見回し、ぴぃと一声鳴いてからサイリールに飛びついた。
するすると登ると、サイリールの肩を自分の場所と決めたのか、座りこんでぴぃと声を出した。
「おはよー、フォウ」
「おはよう、フォウ。まだお腹は空いてないかい?」
サイリールの言葉にぴぃと鳴いて頷いた。
「しかし、本当に賢いねぇ。昨日少し教えただけなのに」
「アソートの教え方がすごく上手だったから、それもあるかもしれないね」
サイリールの言葉に照れたアソートは誤魔化すように少し早口で話した。
「そうかな?サーシャに教えてた経験があるからかもしれないね!」
照れるアソートを見てサイリールはふわりと微笑んだ。
「さて、そろそろ行こうか。あの子達ももう起きたみたいだ」
「あ、本当?じゃあ行こうか!フォウも紹介しないとねー」
そうして二人共部屋を出ると、ちょうど隣の部屋からもエルと子供達が出てきた。
「おはよう、みんな」
「おはよー」
「おはようございます、マスター、アソート様」
「ぱぱ、にーに、おあよー」
「パパ、おにいちゃん、おはよー」
軽く頭を下げるエルと、まだ少し眠いのか目をこすりながら挨拶するファニー、そして元気いっぱいのサーシャ。
そんなサーシャがサイリールの肩の上でちょこんと座っているかわいい動物に気づいた。
目をキラキラさせて、サイリールに質問をする。
「わー!かわいい!パパ!そのこなにー?さわりたいー!」
サーシャの言葉にファニーもサイリールを見上げる。
眠たげに半開きだった目がみるみると開いていき、サーシャと同じキラキラした目になった。
子供達が騒ぎ出し、指を口にあてたサイリールが慌てて宥めはじめた。
「しー。静かに。馬車に乗ったら紹介してあげるから。まだ寝てる人もいるんだから、ね?」
サイリールの言葉に二人共口をばっと押さえるとしょんぼりとして謝罪をした。
「ごめんなさい……。しずかにする」
「ごめちゃ……」
そんな二人を見てサイリールはニコリと微笑むと頭を撫でた。
「うん、二人共いい子だね。さ、馬車に行こう」
サイリールの言葉に二人共、にへらと笑い元気よく、しかし小声で話しながら階段を下っていった。
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