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異世界勇者、世界を楽しむ
勇者、心配する。あと安心する。
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「キタさーん!ちょっとわからないところがあって、コレ何なんですかね」
「おっ、どれだい?見せてごらんよ……何でアンタこんなに道徳の宿題出されてんだい……」
あの日あの時あの瞬間から意気投合したキタさん信吾の二人は凄まじいほど仲良くなった。数日たった今も信吾の勉強をキタさんの車の中で見てる。何でお前らちょっと前まであんなに歪みあってたんだよ。まぁいい、仲の良いことは問題じゃない。むしろいいことじゃないか。
でもさ、放置されてる俺、ずっと後部座席。今日は稽古の日じゃなかったっけ?師匠を放置すなと思うけどな俺な。寒いなー。仙台の冬は寒いなー。
「なんなんでしょうね。ぼく割としっかりした道徳観持ってると思うんですけどね」
「分からないって言ってる時点でないんじゃない?道徳」
「あー」
俺はなんかもう怖くなってきたよ信吾。初めて会った時、あんなに俺に良くしてくれたじゃないか。あの時の感情はどこに行ったんだ信吾。
「なんか、魔法を覚えたあたりから道徳心とか消えた気がしますねははは」
「え、こわ。そんなことあるの?ダーリン」
「ないよ!?」
魔力にそんな副作用があるなんて聞いたことないぞ。みんな感情豊かだったからな?マジで。
「それよりも宿題ですよ宿題。作者の意図とか心の移ろいとかわかるわけないじゃないですか他人ですよ?」
「そらそうさ!でもね信吾、アンタあれだよ、別に人の心を完全に理解する必要はないんだよ?ただ人の心の傾向を知っていれば、嫌われることは少なくなるし、そのうちおのずと人に好かれるって話さ」
「傾向と、対策……なるほど!」
キタさんの言っていることは正しい。心なんて完全に掌握できるわけがない。そういうことが出来るのは正真正銘バケモンか何かだ。
しかし信吾、その問題にその答えはあっているのか?ハンカチを拾って貰った返事に「汚れてますね」は正しいのか?
「……よし、わかった。シモン、今日は稽古お休みにしてくれるかい?」
「ん?ああ、わかった」
なんとなくだがキタさんのやりたいことが分かった。俺は二人を残して車から降りる。
「え?じゃあぼくもぐぇー」
続いて降りようとする信吾の首根っこを、キタさんが引っ掴まえる
「アンタはこっち。ほら、行くよ」
「きゃーーー!ひとさらいー!!!」
「やめな!!!!!!」
ワーワー言いながらふたりが車で遠くへ行く。キタさんの事だから大丈夫だと思うが、心配だ。
自慢の愛車を走らせて、仙台駅は東口の、結構簡素な住宅街に向かう。駅近辺に近ければ近いほど、駐車料金が跳ね上がるからだ。
「それで?ぼくを捕まえて、一体全体どうしようってんですか?まさか、体目的……?」
「おバカ」
自分の体を抱いて怖がる美少女風少年の額にチョップする。「あでっ」と言ってのけぞる信吾に
「さ、今日は遊ぼうか」
といって、車の外に出した。
「え?いやいいですよ。外で遊ぶより家の中の方が知識欲満たせるんですから」
「はーい、そういうこと言わないの。あと予習だけじゃあ知識とは言えないね!しっかり実践しなきゃあ体にはついてこないよ!」
そういって信吾の手を引っ張る。こういうひねくれちゃった子は、一度しっかり向き合わないとあらぬ方向へ向かって行ってしまう。かつてのアタシがそうだったように。
「アタシはね、こういう隠れ家的な店をいくつも知ってんのさ」
「へぇー、サイクリングショップの後ろに整体があるんですか」
物珍しそうに自転車の指ぬきグローブを見ながらつぶやく信吾。今はアタシの知っているこの町のいいところを信吾に見せていたところだ。
「ぼくはこういう、運動しなきゃーってのは苦手ですね」
「奇遇だね、アタシもさ」
そうさね、こんな切り口で話し始めるのはどうだろうか。
「え?」
ぽかんと口を開けてこっちを見る信吾。何でそんな意外そうな顔をしているんだろう。
「運動する暇があるならキーボード弾きたい!酒を飲みたい!それが人生ってもんだろう?」
「そ、そりゃあぼくだって運動より動画編集したいですし特撮みたいですし」
「楽しい事はずっとしてたいだろう?」
「もちろん!」
「じゃあそれでいいじゃあないの」
しばらくぽかんとしていた信吾は、急に電源が入ったように動き出した。
「いやいやいやいや!ダメですって!だって、しっかり働かない事には楽しいことできませんもの」
「運動って仕事に必要?」
「そうじゃなくて、楽しい事ばっかりしてちゃ生活できないって話をしてるんですよ今は!」
「アタシはできてるぜ?世界が輝いて見えるね!」
違くてぇー!と地団太を踏む信吾。これ以上はお店に迷惑が掛かりそうなので、外に出て大通りを歩きながら話を続ける。
「いいかい信吾。人生に絶対的な正解なんてないからね。これはこうしなきゃ、こっちはこうあるべき、なんてことは絶対にないんだ」
「それはそうですけど、ある一定ラインは絶対に必要とされるじゃないですか。そのラインは超えているべきですって。ほら、ぼくってびっくりするくらいにかわいいじゃないですか。そんな人間が何かできないと「でもかわいいからいいよね」とかいう謎理論にさらされますからね。そうなるなら、せめて内面は普通の人に見られたいです」
どこでひねくれてしまったか、原点分かった気がする。特殊な悩みだけれども、解決策がないわけじゃない。
「人の目なんか気にしないほうが楽だよ。見た目なんてあてにならないからね。ああ、それこそシモンの戦い方なんてのはまさしくそれさ」
「あれは外見だけの代物じゃあないですよ。しっかりと魔法には魔法の原理があって、その原理に則って行使される現象ですから。その原理を理解し、最大限に使って、複数の現象を使い分けるシモンさんは天才そのものですよ。そしてその才能を遺憾なく発揮して、並み居る強敵を撃破!ぼくもあやかりたいものです」
なるほどなるほど、信吾にはそう見えているわけだ。でも、それは事実であって本質じゃあないね。
「アタシからいわせりゃシモンは天才なんかじゃあないさ。ただ、努力が人より並外れていて、悟らせない術が高いんだね」
「努力?そんな、シモンさんがそんなことしているの見たことありませんよ」
「そらそうさ。信吾の見ているものは、アイツの努力の集大成だからね」
聞けばあの技術、過去に消えた技術を復活させて、自分なりのものを作り上げたんだろう?そこに至るまでにどんな試行錯誤があったのか、余りにも途方もない時間と、それ以上の苦悩があったはずだ。それをこの世界の人間の為に分け与えるなんて、アタシだったらとてもじゃないけど出来ない。
「それでいてアイツは人一倍優しいんだ。こっちでシモンのやってきたこと、アタシも聞いたよ。あれってつまり、誰かが困っているのを見過ごせないって話だろう?」
「え?……あっ」
信吾も何かに気が付いたみたいだね
「あの手の人間は何人か見てきたけどね、みんな一人で踏ん張ってんだ。シモンは特にそうさ。自分一人で他人の命を背負おうなんて、普通出来るもんじゃないからね」
「でも、それでもそういう仕事をしている人だっていますよ?」
「そりゃあそうさ。けどね、そういう人たちは、人類の中の何パーセントもいないんだぜ?それにシモンはね、アイツの意思だけで、法も金も一切関係ない中で戦ってんだ」
それはまさしくアイツの善性に他ならない。周りを全部しょい込んで、被害も死も自分一人の責任だと言い張る。あまりにも悲しい善性だ。
「だからね信吾。勘違いしちゃあいけないよ。アイツは無敵でも何でもない。ボロボロで、いまにも倒れそうで、悲鳴上げそうになりながら、必死に前に進んでいるんだ」
だからこそ、アタシはシモンを支えることにした。哀れみでもかわいそうという気持ちでもない。ただほっとけなかったという方が正しいか。
「そ、それ、は」
二の句の告げなくなった信吾に目線を合わせる。
「アタシもアンタも、シモンの生き方を完全に理解できることはないよ。そんなことは確実に無理さ。でもね信吾、今のアンタの心は確実にシモンを理解しようと動いている、違うかい?」
声を発することなく、刻々と何度も頷く信吾。
「その心が、アンタに必要な物さね。人の心を理解するんじゃなく、理解しようと歩み寄る。そばに寄り添って、こういうものかと考える。それさえ心得ていれば大丈夫!」
信吾の心情が、すぐに変わることはないかもしれない。でも、これが変わるきっかけになってくれれば一番だな、とアタシは思う。
「ただいま帰りましたー」
「おう、おかえり」
信吾の部屋でダラダラ過ごしていたら、部屋の主が帰ってきた。漫画、結構面白い。
「んで?どうだったキタさんと遊んできて」
「最終的に家電屋に連れてってもらってソフビ見てる間、キタさんが即興で曲弾いてて凄い人だかりになってましたよ」
どういう状態???本当に遊んできただけなのかもしれない。俺の勘鈍った?
「あ、と、ですね。まぁ、こういうことを改めて聞くのもあれなんですけど、向こうの世界のシモンさんってどういうことしてたんですか?」
お、こっちに来て初めての質問だ。俺自身に関する質問は初めてだな。少しは信吾の心が動いたのかもな。
「そうだな、どこから話すべきか……よし、それじゃあ俺が一人で国を落とした時の話をしよう」
「国を!?」
俺の話に興味を持つ信吾、その顔は年相応の子供のようで、どこか安心する自分がいた。なんか吹っ切れたのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。まぁ、あれだな、ここから少しずつ好転していけばいいな。
「おっ、どれだい?見せてごらんよ……何でアンタこんなに道徳の宿題出されてんだい……」
あの日あの時あの瞬間から意気投合したキタさん信吾の二人は凄まじいほど仲良くなった。数日たった今も信吾の勉強をキタさんの車の中で見てる。何でお前らちょっと前まであんなに歪みあってたんだよ。まぁいい、仲の良いことは問題じゃない。むしろいいことじゃないか。
でもさ、放置されてる俺、ずっと後部座席。今日は稽古の日じゃなかったっけ?師匠を放置すなと思うけどな俺な。寒いなー。仙台の冬は寒いなー。
「なんなんでしょうね。ぼく割としっかりした道徳観持ってると思うんですけどね」
「分からないって言ってる時点でないんじゃない?道徳」
「あー」
俺はなんかもう怖くなってきたよ信吾。初めて会った時、あんなに俺に良くしてくれたじゃないか。あの時の感情はどこに行ったんだ信吾。
「なんか、魔法を覚えたあたりから道徳心とか消えた気がしますねははは」
「え、こわ。そんなことあるの?ダーリン」
「ないよ!?」
魔力にそんな副作用があるなんて聞いたことないぞ。みんな感情豊かだったからな?マジで。
「それよりも宿題ですよ宿題。作者の意図とか心の移ろいとかわかるわけないじゃないですか他人ですよ?」
「そらそうさ!でもね信吾、アンタあれだよ、別に人の心を完全に理解する必要はないんだよ?ただ人の心の傾向を知っていれば、嫌われることは少なくなるし、そのうちおのずと人に好かれるって話さ」
「傾向と、対策……なるほど!」
キタさんの言っていることは正しい。心なんて完全に掌握できるわけがない。そういうことが出来るのは正真正銘バケモンか何かだ。
しかし信吾、その問題にその答えはあっているのか?ハンカチを拾って貰った返事に「汚れてますね」は正しいのか?
「……よし、わかった。シモン、今日は稽古お休みにしてくれるかい?」
「ん?ああ、わかった」
なんとなくだがキタさんのやりたいことが分かった。俺は二人を残して車から降りる。
「え?じゃあぼくもぐぇー」
続いて降りようとする信吾の首根っこを、キタさんが引っ掴まえる
「アンタはこっち。ほら、行くよ」
「きゃーーー!ひとさらいー!!!」
「やめな!!!!!!」
ワーワー言いながらふたりが車で遠くへ行く。キタさんの事だから大丈夫だと思うが、心配だ。
自慢の愛車を走らせて、仙台駅は東口の、結構簡素な住宅街に向かう。駅近辺に近ければ近いほど、駐車料金が跳ね上がるからだ。
「それで?ぼくを捕まえて、一体全体どうしようってんですか?まさか、体目的……?」
「おバカ」
自分の体を抱いて怖がる美少女風少年の額にチョップする。「あでっ」と言ってのけぞる信吾に
「さ、今日は遊ぼうか」
といって、車の外に出した。
「え?いやいいですよ。外で遊ぶより家の中の方が知識欲満たせるんですから」
「はーい、そういうこと言わないの。あと予習だけじゃあ知識とは言えないね!しっかり実践しなきゃあ体にはついてこないよ!」
そういって信吾の手を引っ張る。こういうひねくれちゃった子は、一度しっかり向き合わないとあらぬ方向へ向かって行ってしまう。かつてのアタシがそうだったように。
「アタシはね、こういう隠れ家的な店をいくつも知ってんのさ」
「へぇー、サイクリングショップの後ろに整体があるんですか」
物珍しそうに自転車の指ぬきグローブを見ながらつぶやく信吾。今はアタシの知っているこの町のいいところを信吾に見せていたところだ。
「ぼくはこういう、運動しなきゃーってのは苦手ですね」
「奇遇だね、アタシもさ」
そうさね、こんな切り口で話し始めるのはどうだろうか。
「え?」
ぽかんと口を開けてこっちを見る信吾。何でそんな意外そうな顔をしているんだろう。
「運動する暇があるならキーボード弾きたい!酒を飲みたい!それが人生ってもんだろう?」
「そ、そりゃあぼくだって運動より動画編集したいですし特撮みたいですし」
「楽しい事はずっとしてたいだろう?」
「もちろん!」
「じゃあそれでいいじゃあないの」
しばらくぽかんとしていた信吾は、急に電源が入ったように動き出した。
「いやいやいやいや!ダメですって!だって、しっかり働かない事には楽しいことできませんもの」
「運動って仕事に必要?」
「そうじゃなくて、楽しい事ばっかりしてちゃ生活できないって話をしてるんですよ今は!」
「アタシはできてるぜ?世界が輝いて見えるね!」
違くてぇー!と地団太を踏む信吾。これ以上はお店に迷惑が掛かりそうなので、外に出て大通りを歩きながら話を続ける。
「いいかい信吾。人生に絶対的な正解なんてないからね。これはこうしなきゃ、こっちはこうあるべき、なんてことは絶対にないんだ」
「それはそうですけど、ある一定ラインは絶対に必要とされるじゃないですか。そのラインは超えているべきですって。ほら、ぼくってびっくりするくらいにかわいいじゃないですか。そんな人間が何かできないと「でもかわいいからいいよね」とかいう謎理論にさらされますからね。そうなるなら、せめて内面は普通の人に見られたいです」
どこでひねくれてしまったか、原点分かった気がする。特殊な悩みだけれども、解決策がないわけじゃない。
「人の目なんか気にしないほうが楽だよ。見た目なんてあてにならないからね。ああ、それこそシモンの戦い方なんてのはまさしくそれさ」
「あれは外見だけの代物じゃあないですよ。しっかりと魔法には魔法の原理があって、その原理に則って行使される現象ですから。その原理を理解し、最大限に使って、複数の現象を使い分けるシモンさんは天才そのものですよ。そしてその才能を遺憾なく発揮して、並み居る強敵を撃破!ぼくもあやかりたいものです」
なるほどなるほど、信吾にはそう見えているわけだ。でも、それは事実であって本質じゃあないね。
「アタシからいわせりゃシモンは天才なんかじゃあないさ。ただ、努力が人より並外れていて、悟らせない術が高いんだね」
「努力?そんな、シモンさんがそんなことしているの見たことありませんよ」
「そらそうさ。信吾の見ているものは、アイツの努力の集大成だからね」
聞けばあの技術、過去に消えた技術を復活させて、自分なりのものを作り上げたんだろう?そこに至るまでにどんな試行錯誤があったのか、余りにも途方もない時間と、それ以上の苦悩があったはずだ。それをこの世界の人間の為に分け与えるなんて、アタシだったらとてもじゃないけど出来ない。
「それでいてアイツは人一倍優しいんだ。こっちでシモンのやってきたこと、アタシも聞いたよ。あれってつまり、誰かが困っているのを見過ごせないって話だろう?」
「え?……あっ」
信吾も何かに気が付いたみたいだね
「あの手の人間は何人か見てきたけどね、みんな一人で踏ん張ってんだ。シモンは特にそうさ。自分一人で他人の命を背負おうなんて、普通出来るもんじゃないからね」
「でも、それでもそういう仕事をしている人だっていますよ?」
「そりゃあそうさ。けどね、そういう人たちは、人類の中の何パーセントもいないんだぜ?それにシモンはね、アイツの意思だけで、法も金も一切関係ない中で戦ってんだ」
それはまさしくアイツの善性に他ならない。周りを全部しょい込んで、被害も死も自分一人の責任だと言い張る。あまりにも悲しい善性だ。
「だからね信吾。勘違いしちゃあいけないよ。アイツは無敵でも何でもない。ボロボロで、いまにも倒れそうで、悲鳴上げそうになりながら、必死に前に進んでいるんだ」
だからこそ、アタシはシモンを支えることにした。哀れみでもかわいそうという気持ちでもない。ただほっとけなかったという方が正しいか。
「そ、それ、は」
二の句の告げなくなった信吾に目線を合わせる。
「アタシもアンタも、シモンの生き方を完全に理解できることはないよ。そんなことは確実に無理さ。でもね信吾、今のアンタの心は確実にシモンを理解しようと動いている、違うかい?」
声を発することなく、刻々と何度も頷く信吾。
「その心が、アンタに必要な物さね。人の心を理解するんじゃなく、理解しようと歩み寄る。そばに寄り添って、こういうものかと考える。それさえ心得ていれば大丈夫!」
信吾の心情が、すぐに変わることはないかもしれない。でも、これが変わるきっかけになってくれれば一番だな、とアタシは思う。
「ただいま帰りましたー」
「おう、おかえり」
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どういう状態???本当に遊んできただけなのかもしれない。俺の勘鈍った?
「あ、と、ですね。まぁ、こういうことを改めて聞くのもあれなんですけど、向こうの世界のシモンさんってどういうことしてたんですか?」
お、こっちに来て初めての質問だ。俺自身に関する質問は初めてだな。少しは信吾の心が動いたのかもな。
「そうだな、どこから話すべきか……よし、それじゃあ俺が一人で国を落とした時の話をしよう」
「国を!?」
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