冬の窓辺に鳥は囀り

ぱんちゃん

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tapestries. 最終話の前日譚③

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前々から、違和感はあった。

抱き上げる度に、その軽さに驚きがあった。
自分の筋肉量や普段の訓練時の重量負荷を思えば、子供とはそんなものかとも思っていた。
けれど教会の裏で初めて抱きしめた時に、ふと疑問に思ったのだ。

こんなに華奢なものなのか?と。

身体を覆う黒のローブは、その身体をすっぽりと隠してしまっていた。
けれど夏になりコルスの子供達のローブがリボンタイに変わった時、その身体の線の細さに俺は目を見張ったのだ。
動揺を悟らせないよう、取り繕うのに随分と苦労した。

教会から出てセレスが魔術師塔に棲むようになると、その違和感は確信に変わった。
王城の食堂に並ぶ料理に、暫くの間毎回驚いていた。
屋敷に足を運ぶ度、出される食事に戸惑ってもいた。

『お城のご飯は沢山の人の為にたくさん用意してると思ってました。フォルティス様は騎士だから、お屋敷での食事も毎食肉料理が出るんですか?』

思わず絶句してしまった俺を補うように、絶妙なタイミングでデリオットが返事をする。

『そうでございます。騎士は身体が資本です。良い動きをするには、良い筋肉が必要です。そして良質な筋肉を作る為には、良質な赤身肉が最適なのです。』

『セレス様も、いずれ討伐に追従する日の為に、少しずつ食べる量を増やしてゆきましょう。大丈夫です。わたくしがきちんと管理し、王城で摂るメニューについてもフォルティス様に進言いたします。』

『どっちが主人か分からないな』

呆れるふりをして返事をする俺に、声を上げて笑う楽し気な表情。
俺は泣きそうになるのを、奥歯を噛みしめて笑って耐える。
問いただしに行った教会で、クレメンス司祭は僅かに瞳を暗くして俺を見た。

『ルーメン隊長は、何歳で声が変わりましたか?』
『……。』
『通常、男子の変声期は11~12歳と言われています。 なぜ、コルスの子供たちが14歳が節目と言われているのか。それを考えれば、おのずとわかる事です。』

『私たちは、あの子達の声を守らなければならない。それは同時に、不安定な時期を乗り越える心をも、守らなければならないのです。』

『成長を遅らせるために最低限の食事しか与えず。郷愁を誘わないために家族との繋がりすらも制限させて。全ては教会のエゴのために、この狭い世界に閉じ込めているのです。契約を結んでまで子供達を使うその代価に、私は…、私達は、きちんと向き合っていかなければならない。』

美しい、天上の歌声。
声を失うことを、そのぎりぎりまで恐れていたセレス。
目の前の司祭の、すでに苦悶を乗り越えた、固い意志の籠った紫の瞳を思い出す。

あの声に、出会わなければよかったとは、どうしても思えなかった。
何度人生をやり直したとしても、きっと求めずにはいられない。

ある日の帰り道、セレスが言ったことがある。

『僕は確かに、流されるようにしてここまで来ました。僕に選択の余地はなく、それに抗う術を持たなかった。』

『けれど全て飲み込んで、ここに居ることを選んだのは僕自身です。ここに居続けることを望むのも、僕自身なのです。』






すっかり息の上がった身体を、そっとベッドに横たえる。
頬はその肌の白さを浮き立たせるように上気して、潤む瞳が蕩けたままで俺を見ている。

セレスの口にぬるりと舌を差し入れて、すでに何度も味わっている舌のぬめりの心地よさを、飽きもせず堪能する。
柔らかく嘗めしゃぶり、ぬるぬるとした感触に頭の芯が霞んでいく気がする。
いつまでも舐めていたい気持ちと、先に進みたい気持ち。
その両方に苛まれながら離れがたく唇を離すと、追い縋る様に舌を突き出したまま、その口の端に銀の糸が引き、いやらしく垂れていく。

脳が、煮えたぎるようだ。

性急に暴きたてたい衝動を、ギリギリと抑え込みながら、内心自分の忍耐力に自分で賞賛の声を上げる。
めくりあげた夜着のボタンを外しながら、鎖骨から胸骨を口づけを落としながら進み、あばらをベロリと嘗める。

「あぁっ…!」

いたるところにキスを落としながら、胸の先端に触れないよう指でその周りをくるくると撫でる。
セレスの足の間に置いた俺の太ももに、その細い腰を擦り付けてくる動き。
甘く洩れる声と、同じ欲を抱えているその表情。
ズクズクと痛くて堪らない自分の熱をこの細い身体に押し付けてしまいたい。

硬く尖った胸の先端に触れると、びくりと震えてまた声がもれる。
指の腹で優しく捏ね、その小さな蕾をじわじわ嬲る。
はぁはぁと息を荒げる口から覗く、濡れた舌。
潤む瞳は熱っぽく俺を捉え、時折刺激に耐えられず眉根を寄せる。

たまらず、もう片方の胸に口を付けてぢゅっと吸う。

「んんっ!」

背がしなり、俺の右の太ももにセレスの細い足が絡みついてくる。
尖らせた舌で、そのわずかなふくらみを転がし、吸い、また舐める。
俺の頭を抱きかかえるようにしがみ付きながら、絶えず甘い声を漏らし、揺する腰。
ういたあばらに手を滑らせ、そのわき腹を撫で、しなやかな筋肉の付いている下腹を通って下穿きに手をかける。

上半身を起こして、夜着の全てを剥ぎ取ってしまった身体を見下ろすと、薄明かりの中、その身体の白さが際立って見える。

この身体は、セレスの誇りそのものだ。
その身と心の全てを歌に捧げて生きてきた。その覚悟の証がここにある。

ならばそれを、俺が嘆く理由はない。
それを貶める何者も、その心を踏みにじる誰かをも。
俺は決して許しはしない。


恥ずかし気に閉じようとする足に手をかけようとすると、いやいやと首を振って上半身を起こしてくる。
そして俺の夜着の上着に手をかけ、たどたどしくボタンを外す。
下から外しながらゆっくりと上がってきた顔に音を立ててキスを落とすと、ふふと笑って瞼を閉じ。
次のキスを待つ顔に、ぎゅうと胸と屹立が反応する。

口の中を蹂躙しながら、その気持ちよさにすっかり手が止まってしまっているのを、ひそかに笑んで眺める。
自分で下穿きを脱ぎ去り、口の中を舌でかき混ぜながら俺の胡坐の中に座らせ、足でセレスの細い腰を引き寄せる。
お互いの物がぴったりとくっ付くまで寄せると、もう、どちらのものかわからない先走りで濡れそぼったそれが、ぬるりとお互いを刺激した。

「ああっ!」

反らされる背に腕を回して抱き込む。
のけぞる首筋にぢゅうと吸い付き、もどかしい程の刺激の中、どちらともなく腰を揺する。

「あぁ……あっ……あぁ……。」

手に入れたいと、凶悪なほどの激しさで、一瞬にして俺の心を奪っていった君が。
今、露わな姿で。みだらな腰つきで俺の腕の中に居る。

「セレス…。好きだ……。愛してる。」

急に。胸が一杯になって言葉が溢れた。

「ぼく…も、すき…。だい…す……あぁ。あっ…あっ…ふぉるてぃすさま……ぼく、もう……」

ぎゅうっと、腰に絡んだセレスの太ももが俺を締め付けてくる。
強張る身体が徐々にのけぞり、眉根を寄せて目をきつく瞑る。

「あああっ……!!」

一際大きな嬌声と共に、セレスの屹立が弾けて俺の腹を白く汚した。

「かっ…」

かわいい!果てる瞬間まで、その全てが可愛い!!

「はぁー…っ たまらん…。」

くったりと肩口に預けてくる頭が、汗で僅かに湿っている。
思わずぎゅうっと抱きしめて腰を揺すると、甘い声を漏らして、首筋をちゅうと吸われた。

ふいに、セレスの手が俺の陰茎を握る。

「きもちいい、です…?」

その戸惑いがちな声。その上目遣い。

「わっ。おっきく…!?」
「もう少し、強く握って。」

耳元で囁くと、ふるふると震えて手の力が抜けていくのに笑ってしまう。

ちゅっちゅと、唇が腫れるんじゃないかというほどキスをしながら腰を揺すり。
結局、俺が果てるまで、セレスは3回絶頂した。




ぐったりと横たわる身体を拭って夜着を着せ、そっとその横に滑り込むと、もぞりと動いて自ら俺の懐に入ってくる。
その重みと体温に、俺は思わずにんまりとして、やんわりと抱き込んでキスを落とす。


どこまでも、俺と共に居ると誓ってくれたセレス。
羞恥に耐え、初めての夜を受け入れてくれた。

『教会のセレス』としての証を、今度は俺で満たそう。
ふくふくにして、隅々までケアしよう。
少しの痛みもなく、快楽だけを与えられるように。


ニヤリと笑った遠い過去の顔を思い出し、俺は決意を新たに心の中で気合を入れる。

フィックト・ストロンツォだなんて、心の中でも言わせない。
絶対に…。絶対にだ…!








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セレスはマラソン選手の筋肉をちょっとだけ脂肪に変えた感じ。
痩せてるけど飢餓感はありません。
フォルティスの周りは筋肉オバケなので必要以上にショックを受けていますが、教会時代でもローワン先生の基礎運動追加を食らっても平気な体力はありました。お腹は滅茶苦茶空きますが。
ただ痩せていて燃費が悪いので討伐追従に耐えられるほどの体力はないのでチームフォルティスが頑張ると思います。

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