symbolic【短文・詩】

琥珀

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手を伸ばせば

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手を伸ばせば 届く距離にあるのに

勇気を振り絞って手を伸ばしても

見えない壁で遮断される

いつもの独りよがりが 胸を締め付ける


助けを求めていたのかもしれない

勝手に水滴が 音もなく零れ落ちて

『どうしたらいい?』と踠く

鍵のついた足枷は 重くて鈍色に光り

泥水の溜池に繋がっている

前だけ向いて 新しい風に靡く髪を解いて

こびり付いた煤を

何度も何度も擦り落とす

綺麗になったフリをするだけでは

中途半端で誤魔化せない本心



駄目だ

鍵を外し削ぎ落として 終焉を迎える

そして、0から始めて──






この日を待ち望んでいた

全てを解放して

また手を伸ばす

瞬間が永遠となるように
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