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絶対にやりません、あくまで空想の話
プロだから
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「でもまぁ真面目な話・・・・・真面目な話?」
吉田は自分の言葉に自分でツッコむ。
「出版社も何か対策してると思いますよ」
「そうかな」
「そもそも論としてね」
ポリポリと吉田は背中を掻く。
「俺が週刊少年ナニガシで連載している漫画家なら、連載が決まった時に、家族や親戚、友達に電話しまくって、後で必ず返すから、十冊でも二十冊でもいいから漫画買ってアンケートハガキ送って、って頼みますよ」
ハハハハッと笑い、
「それじゃあ、人気漫画家に必要なのは、絵のうまさでもお話のうまさでもなく、友達の数?」
と佐々木が言う。
まぁ、そうですね、と吉田も笑いながら頷く。
「要は俺が言いたいのは・・・・」
吉田が告げる。
「そんな先輩のような怪しい業者に頼まず、知ってる人に頼むって事です」
うんうん、と佐々木が頷く。
「俺が例えば、甥っ子とかが漫画家になって、おじさん頼むよ、って言われたら、まぁ二千円くらいは・・・」
「かわいい甥っ子のために?十冊?」
「まぁ、十冊・・・・・二千円出すのはいいけど、十冊買うのとハガキを送るのと、十冊処理するのがメンドくさいですね」
「ハハハハッ、漫画家に必要なのは、金持ちで、雑誌を処分するのがめんどくさく無いおじさん」
「でもさぁ吉田」
「はい」
「それだとさぁ、出版社がそのハガキをチェックしている時にさぁ」
「はいはい」
「こいつ作者と同じ苗字だぞ、とか、同じ住所から大量に送られているぞ、ってバレうじゃん」
「そうっすね」
「そのへん、俺プロだから」
「何のプロなんですか?」
笑いながら吉田が言うと、
「知らん」
と佐々木が応える。
「だからプロの俺に任せてくれれば・・・・・」
「何のプロかわからんけど」
ハハハハッまぁそうだけど、と言って佐々木は話を続ける。
「電話帳見ながら架空の住所と名前を・・・・」
ハハハハハッと吉田が笑う。
違う違う、と吉田が首を振る。
「俺が言いたいのはね、先輩」
「ああっ」
「その家族や友達に頼んだりする奴が絶対居るんだから、毎週必ず編集部で集まって会議すんじゃないんすかねぇ、って話」
ふんふん、と佐々木が相槌を打つ。
「そこでさぁ、今、この作品に千票も入るなんておかしい、みたいな事になるんじゃなかってこと」
「いや、そこ俺プロだから」
「だから何のプロなんすか」
吉田が笑う。
「作者が千票頼むね、って依頼が来た時に、今、千票入ると疑われます、五百票にしときましょう」
ハハハハハッと吉田は笑う。
「ただまぁ、こちらはお客さま第一主義ですから」
「当然、当然」
「先生がどうしても千票にしてくれって言うなら、そうしますけど、って俺は答えるわけじゃん」
ハハハハハハハハッと吉田は笑いが止まらない。
「あのさぁ」
「はい」
「思うんだけどさぁ」
軽く笑いながら佐々木が言う。
「お前の言う通り、毎週会議をしてるんだったら、アンケートなんかする必要なくない?」
「でもまぁ、実際の人気を知りたいわけじゃないですか」
「それ単行本の売上でいいじゃん」
「まぁそうですけど・・・・・・でもそれ一緒じゃないですか」
んん?と佐々木は眉を寄せる。
「だからそれだったら、先輩がアンケートハガキ送るか、単行本買うかの違いだけじゃないですか」
「ああ、そうか一緒か」
「だからやっぱり、コンビニで百円でアンケートハガキ売るしかないって」
「そんなもの、先輩しか買わないから」
「俺もこち亀終わっているから、買わねえよ」
「だったら誰も買いません」
「ああそうか」
「そうですよ」
ハハハハッと二人は笑う。
吉田は自分の言葉に自分でツッコむ。
「出版社も何か対策してると思いますよ」
「そうかな」
「そもそも論としてね」
ポリポリと吉田は背中を掻く。
「俺が週刊少年ナニガシで連載している漫画家なら、連載が決まった時に、家族や親戚、友達に電話しまくって、後で必ず返すから、十冊でも二十冊でもいいから漫画買ってアンケートハガキ送って、って頼みますよ」
ハハハハッと笑い、
「それじゃあ、人気漫画家に必要なのは、絵のうまさでもお話のうまさでもなく、友達の数?」
と佐々木が言う。
まぁ、そうですね、と吉田も笑いながら頷く。
「要は俺が言いたいのは・・・・」
吉田が告げる。
「そんな先輩のような怪しい業者に頼まず、知ってる人に頼むって事です」
うんうん、と佐々木が頷く。
「俺が例えば、甥っ子とかが漫画家になって、おじさん頼むよ、って言われたら、まぁ二千円くらいは・・・」
「かわいい甥っ子のために?十冊?」
「まぁ、十冊・・・・・二千円出すのはいいけど、十冊買うのとハガキを送るのと、十冊処理するのがメンドくさいですね」
「ハハハハッ、漫画家に必要なのは、金持ちで、雑誌を処分するのがめんどくさく無いおじさん」
「でもさぁ吉田」
「はい」
「それだとさぁ、出版社がそのハガキをチェックしている時にさぁ」
「はいはい」
「こいつ作者と同じ苗字だぞ、とか、同じ住所から大量に送られているぞ、ってバレうじゃん」
「そうっすね」
「そのへん、俺プロだから」
「何のプロなんですか?」
笑いながら吉田が言うと、
「知らん」
と佐々木が応える。
「だからプロの俺に任せてくれれば・・・・・」
「何のプロかわからんけど」
ハハハハッまぁそうだけど、と言って佐々木は話を続ける。
「電話帳見ながら架空の住所と名前を・・・・」
ハハハハハッと吉田が笑う。
違う違う、と吉田が首を振る。
「俺が言いたいのはね、先輩」
「ああっ」
「その家族や友達に頼んだりする奴が絶対居るんだから、毎週必ず編集部で集まって会議すんじゃないんすかねぇ、って話」
ふんふん、と佐々木が相槌を打つ。
「そこでさぁ、今、この作品に千票も入るなんておかしい、みたいな事になるんじゃなかってこと」
「いや、そこ俺プロだから」
「だから何のプロなんすか」
吉田が笑う。
「作者が千票頼むね、って依頼が来た時に、今、千票入ると疑われます、五百票にしときましょう」
ハハハハハッと吉田は笑う。
「ただまぁ、こちらはお客さま第一主義ですから」
「当然、当然」
「先生がどうしても千票にしてくれって言うなら、そうしますけど、って俺は答えるわけじゃん」
ハハハハハハハハッと吉田は笑いが止まらない。
「あのさぁ」
「はい」
「思うんだけどさぁ」
軽く笑いながら佐々木が言う。
「お前の言う通り、毎週会議をしてるんだったら、アンケートなんかする必要なくない?」
「でもまぁ、実際の人気を知りたいわけじゃないですか」
「それ単行本の売上でいいじゃん」
「まぁそうですけど・・・・・・でもそれ一緒じゃないですか」
んん?と佐々木は眉を寄せる。
「だからそれだったら、先輩がアンケートハガキ送るか、単行本買うかの違いだけじゃないですか」
「ああ、そうか一緒か」
「だからやっぱり、コンビニで百円でアンケートハガキ売るしかないって」
「そんなもの、先輩しか買わないから」
「俺もこち亀終わっているから、買わねえよ」
「だったら誰も買いません」
「ああそうか」
「そうですよ」
ハハハハッと二人は笑う。
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