佐々木と吉田   普通の人は、周りを決めつけ、自分らしく生きたがる編

zurvan496

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 典型的な普通の人

 レッテルを貼られるのは嫌だけど、自分は自分はレッテルを貼る

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「とりあえず、あき竹城さんのことは置いといて」
「置いといて」
 物を置く仕草を佐々木がするので、同じ仕草を吉田もする。


「話戻るんだけどさぁ」
「はい」
「若い女の人の歌とかあるじゃん」
「はい?」
「等身大の若い女性の気持ちを歌った歌みたいなのあるじゃん」
「ああっはいはいはいはい」

「そういうのでさぁ」
 佐々木は手を振る。
「周りはわかってくれない、大人は、男は、親は分かってくれない」
「はいはい」
「私はこんなに純粋で、繊細で、まぁなんだ」
「なんだって何?」
 苦笑しながら吉田がツッコむ。

「まぁとにかく、自分はこんなに繊細なのに、周りはガサツで無神経で、レッテル貼りをする、みたいなのがあるじゃん」
「まぁ、言ってることは分かりますけど、もう少し違うでしょう」
「まぁとにかく」
「はい、とにかく」

「周りは分かってくれない、みたいな歌がある」
「はい、はい」
「でもさぁ」
 佐々木が指を回す。
「周りは分かってくれない、とか言ってるけど、じゃぁ自分は周りを分かってるのかよって話」
「まぁまぁまぁ、それはね」
「レッテルを貼られる事を怒るけど、自分も周りを、八嶋智人だ、温水さんだ、あき竹城さんだってレッテル貼りをしてるわけじゃん」
「まぁ、そうですけど」

「レッテルを貼られるのが嫌だけど、自分はレッテルを貼る」
 佐々木が手を自分の方と吉田の方に交互に動かす。
「じゃぁ相手はなんでレッテル貼りをするんだろう?」
 吉田の方に手を向けたまま、佐々木は続ける。
「自分がレッテル貼りをしてる様に、相手もレッテル貼りをしてるだけじゃんって話」
 ハハハハハハッ、と吉田は笑う。

「言ってることはすごく分かります」
 吉田が応える。
「でもそれが、人間なんです」
 ハハハハハハッと笑い、
「まぁな」
と佐々木は応える。
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