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第一章 癒しの矢
15 シーナの能力
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リオが勢いよく立ち上がって、イスが大きな音を立てる。
「カイさん、シーナさんは?」
「よく寝てるよ。リオは身体の調子はどうだ?」
「僕は違和感などもなく、本調子です」
リオは右手を動かして戸惑っている。
「シーナさんは大丈夫なんでしょうか?」
「シーナは疲れて寝てるだけ。どこか悪くしたわけじゃないから」
チアはシーナの能力を知っている。俺が聞くより早く、チアがルーカスさんに話しかけた。
「ルーカスさんとリオで依頼を受けたんですよね? なんであんな大怪我を負ったんですか?」
Sランクのルーカスさんと、Aランクのリオだ。護衛依頼だと言っていたが、厳しい依頼なら人数を増やすはずだ。
俺とマイルズは初依頼を知らずに二人で受けたが、ルーカスさんとリオは俺たちとは違って、何年もボンドにいるはずなのに。
「依頼事態はたいしたことではなかった。商人たちを、取引先までの行き帰りを護衛をするという物だったから。列車の中で襲ってこられたが、すぐに制圧して乗客も無傷。だが、護衛対象に裏切り者がいた。戦い終わり、私とリオが列車の中にまだ隠れていないか手分けをして確認している時に、一人が敵が落とした剣を掴んで、依頼人に斬りかかった。隣の車両にいたリオが、咄嗟に依頼人を守るために間に入って斬られた」
「なんで剣を抜かなかったの?」
「守らなきゃってことしか頭になくて、気付いたら身体で庇っていました。僕の失態です」
チアに尋ねられて、リオはシュンと身体を小さくする。
「すぐに取り押さえて、私の使い魔に近くにいるギルド員を探させて、応援を頼んだ。待っている間に私の魔術で傷口を焼いて止血した。使い魔が連れてきたギルド員に後を任せ、ここまで飛んできた」
ルーカスさんの使い魔は大鷲で、空を飛んでここまできたそうだ。
「シーナのは治癒術じゃないってマナが言ってた。シーナはなんの能力を持っているんだ?」
魔術は炎、雷、風、水の四つのはずだ。どれにも当てはまらない。
言い淀むチアとルーカスさんだが、リオとマイルズからも知りたいと目で訴えられると、顔を見合わせて息を吐いた。
「シーナは時の魔術師。時間操作ができるの」
チアの言葉に静まり返る。
「シーナは時間を操って治癒術を使っているってことか?」
俺の疑問にチアが首を振る。
「ううん、治癒術も使える。治癒術はそこまで強くない。ボンドの治癒術師にはシーナより強い人がたくさんいる。シーナは時と治癒の二つが使えるの」
「待って! 治癒術は別として、属性って炎、雷、水、風の四つじゃないの?」
マイルズが俺も疑問に思っていたことを聞く。
「私もシーナ以外にその能力を知らない。シーナが初めて能力を使った時に『時間を戻した』と教えてくれた。呼び方がないから、時の魔術と私たちは呼んでいる」
「初めて能力を使った時ですか? ルーカスさんはそれを見たってことですか?」
リオの問いにルーカスさんは頷く。
「シーナが初めて能力を使ったのは十二年前。彼女が五歳の時だ」
シーナが五歳って、故郷が魔物に襲撃された時だよな。
「十二年前、当時十三歳だった私は、バージルさんについて商人の護衛任務をしていた。近くにあった村の異変に気付き、商人の了承を得て寄った。建物は崩壊して、瓦礫の山。魔物に蹂躙され、すでに事切れている人々がいたるところで倒れていた」
想像をして胃液がせり上がり、不快感に胸を撫でる。そんな村の状態で、五歳のシーナは、三歳のマナを連れて逃げていたのか。涙ぐみそうになり、唇を噛み締めた。
「魔物を倒しつつ、生きている人がいないか探していると、泣き声が聞こえた。まだ助けられる人がいると、そちらに駆け寄る。瓦礫の下敷きになっているマナを、シーナが泣きながら引っ張り出そうとしていた。その場にいた全員で瓦礫を退かすことはできたが、マナの下半身は潰れて、かろうじて生きているという状態だった。治癒術士はおらず、どうすることもできない。そんな時『死なないで』と何度も繰り返しながらシーナはマナをキツく抱きしめた。するとマナの身体は綺麗な状態になり、本人もけろりとしている。代わりにシーナがその場に倒れた」
リオの時と一緒だ。マナを助けたい一心で、時の魔術を発動させたんだ。
「バージルさんが『シーナの能力を悪用するような輩が現れないとも限らない』と保護することに決めた。ボンドと提携している道具屋が孫として育てることになった。後日、シーナにマナを助けた時のことを聞けば『マナの時間を少し戻した』と言っていた。その時が初めてで、一度使ったら戻し方も分かるようになったと教えてくれた」
「チアちゃんはなんで、シーナちゃんの時の魔術を知っているの?」
マイルズがチアに優しく尋ねる。
チアとシーナは、シーナが道具屋に住むようになって会ったと言っていた。チアはシーナがマナを助けた時のことは知らないはずだ。
「私はルルを助けてもらった」
不安気にチアの膝に乗るルルが、チアを見上げる。安心させるようにチアはルルを撫でた。
「遺跡調査の依頼でトラップに引っかかった私たちを、ルルが庇って大怪我したの。一緒に調査していた治癒術師に治してもらおうとしたけれど、無理だと言われた。『絵なんだからまた描けばいい』って。……でもそれは見た目は同じでも、一緒に過ごしたルルじゃなくなっちゃうの」
チアはその時のことを思い出しているのか、目を赤くして鼻を啜った。ルルがチアを心配するようにか細い声で鳴く。「大丈夫」とチアはルルを撫でた。
「諦められなくてルルを抱え、すぐに風の魔術でテアペルジまで飛んだ。一番能力の高い治癒術師に見せるために。ボンドに着いたら薬の納品に来ていたシーナがいたの。ルルを治すって言ってくれたけど、シーナに治せると思えなくて断った。でもシーナは私からルルを取り上げてギュッと抱きしめた。『治って』って繰り返しながら。シーナはルルを私の手に戻すとその場に崩れ落ちた。ルルは私の腕から飛び降りて、大きくなるとシーナを乗せた。近くにいたルーカスさんが、バージルさんの部屋まで連れて行ってくれて、シーナの能力を知ったの」
シーナは時間を戻すことができる時の魔術師。それならばなぜファントムのギルドマスターを助けることをしなかったのだろう。
話を聞いたり、今まで一緒に行動してきて、シーナは傷付いた人を見捨てるようなことなんてしない。
「ファントムのギルドマスターは、どうして助けようとしないんだ?」
俺が聞くと、ルーカスさんとリオが「ファントムのギルドマスター?」と眉を顰める。昨日のケイルの森で起こったことを話した。
「ファントムのギルドマスターはご高齢だ。怪我とは違う。時の魔術は不死の力ではない」
「見たでしょ? シーナはリオの時間を数時間戻しただけで倒れたの。ファントムのギルドマスターは何年巻き戻せばいいの? シーナには無理」
ルーカスさんとチアの言葉で納得した。時の魔術は万能ではない。シーナは膨大なエネルギーを使って、時間を巻き戻しているのだ。
「三人ともシーナの能力は秘密にして。ボンドでも知っている人は少ない。どこから漏れて、悪用しようとする人に知られるかわからないから」
「ボンドにそんな人間がいるの?」
マイルズの問いを即座に否定したのはルーカスさんだ。
「いや、いない。それだけは信用できる。だが、どこで誰が聞いているかわからない。この店は私の使い魔に見張らせているから、今は安心して話せている」
「シーナのこと絶対に守ってよ!」
目つきを鋭くするチアに、俺もマイルズもリオも頷いた。
「当たり前だ!」
「シーナちゃんは絶対に守るよ」
「シーナさんを危険になんて晒させません」
チアはやっと強張っていた身体の力を抜いた。シーナがリオを治すあたりから、ずっと気を張り詰めていた。
「そろそろおいとましよう」
「え? シーナさんが目覚めるまで待たないんですか?」
ルーカスさんにリオが目を見張る。
「まだ目覚めないだろう。もう遅いから明日出直す」
「俺はマナに帰るって伝えてくる」
階段を登り、部屋の扉をノックすると「どうぞ」と声がかかった。
扉を開いた。ベッドで横たわるシーナの手を、傍に座るマナがギュッと握っている。
「シーナは?」
「お姉ちゃんはまだ寝ています」
近付いてシーナの顔を確認する。寝息は穏やかでホッとした。
「もう遅いし、明日また来る。飲み物とか持ってきた方がいい?」
「大丈夫ですよ」
「マナも寝なよ」
「はい、今日はお姉ちゃんと一緒に寝ます」
「そうか、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
扉を閉めて階段を降りる。
ルーカスさんとリオとは別れ、チアを家まで送った。マイルズと寮に戻る。
明日の朝イチでシーナの様子を見に行こう。ベッドに入ったが、シーナが気になってなかなか寝付けなかった。
「カイさん、シーナさんは?」
「よく寝てるよ。リオは身体の調子はどうだ?」
「僕は違和感などもなく、本調子です」
リオは右手を動かして戸惑っている。
「シーナさんは大丈夫なんでしょうか?」
「シーナは疲れて寝てるだけ。どこか悪くしたわけじゃないから」
チアはシーナの能力を知っている。俺が聞くより早く、チアがルーカスさんに話しかけた。
「ルーカスさんとリオで依頼を受けたんですよね? なんであんな大怪我を負ったんですか?」
Sランクのルーカスさんと、Aランクのリオだ。護衛依頼だと言っていたが、厳しい依頼なら人数を増やすはずだ。
俺とマイルズは初依頼を知らずに二人で受けたが、ルーカスさんとリオは俺たちとは違って、何年もボンドにいるはずなのに。
「依頼事態はたいしたことではなかった。商人たちを、取引先までの行き帰りを護衛をするという物だったから。列車の中で襲ってこられたが、すぐに制圧して乗客も無傷。だが、護衛対象に裏切り者がいた。戦い終わり、私とリオが列車の中にまだ隠れていないか手分けをして確認している時に、一人が敵が落とした剣を掴んで、依頼人に斬りかかった。隣の車両にいたリオが、咄嗟に依頼人を守るために間に入って斬られた」
「なんで剣を抜かなかったの?」
「守らなきゃってことしか頭になくて、気付いたら身体で庇っていました。僕の失態です」
チアに尋ねられて、リオはシュンと身体を小さくする。
「すぐに取り押さえて、私の使い魔に近くにいるギルド員を探させて、応援を頼んだ。待っている間に私の魔術で傷口を焼いて止血した。使い魔が連れてきたギルド員に後を任せ、ここまで飛んできた」
ルーカスさんの使い魔は大鷲で、空を飛んでここまできたそうだ。
「シーナのは治癒術じゃないってマナが言ってた。シーナはなんの能力を持っているんだ?」
魔術は炎、雷、風、水の四つのはずだ。どれにも当てはまらない。
言い淀むチアとルーカスさんだが、リオとマイルズからも知りたいと目で訴えられると、顔を見合わせて息を吐いた。
「シーナは時の魔術師。時間操作ができるの」
チアの言葉に静まり返る。
「シーナは時間を操って治癒術を使っているってことか?」
俺の疑問にチアが首を振る。
「ううん、治癒術も使える。治癒術はそこまで強くない。ボンドの治癒術師にはシーナより強い人がたくさんいる。シーナは時と治癒の二つが使えるの」
「待って! 治癒術は別として、属性って炎、雷、水、風の四つじゃないの?」
マイルズが俺も疑問に思っていたことを聞く。
「私もシーナ以外にその能力を知らない。シーナが初めて能力を使った時に『時間を戻した』と教えてくれた。呼び方がないから、時の魔術と私たちは呼んでいる」
「初めて能力を使った時ですか? ルーカスさんはそれを見たってことですか?」
リオの問いにルーカスさんは頷く。
「シーナが初めて能力を使ったのは十二年前。彼女が五歳の時だ」
シーナが五歳って、故郷が魔物に襲撃された時だよな。
「十二年前、当時十三歳だった私は、バージルさんについて商人の護衛任務をしていた。近くにあった村の異変に気付き、商人の了承を得て寄った。建物は崩壊して、瓦礫の山。魔物に蹂躙され、すでに事切れている人々がいたるところで倒れていた」
想像をして胃液がせり上がり、不快感に胸を撫でる。そんな村の状態で、五歳のシーナは、三歳のマナを連れて逃げていたのか。涙ぐみそうになり、唇を噛み締めた。
「魔物を倒しつつ、生きている人がいないか探していると、泣き声が聞こえた。まだ助けられる人がいると、そちらに駆け寄る。瓦礫の下敷きになっているマナを、シーナが泣きながら引っ張り出そうとしていた。その場にいた全員で瓦礫を退かすことはできたが、マナの下半身は潰れて、かろうじて生きているという状態だった。治癒術士はおらず、どうすることもできない。そんな時『死なないで』と何度も繰り返しながらシーナはマナをキツく抱きしめた。するとマナの身体は綺麗な状態になり、本人もけろりとしている。代わりにシーナがその場に倒れた」
リオの時と一緒だ。マナを助けたい一心で、時の魔術を発動させたんだ。
「バージルさんが『シーナの能力を悪用するような輩が現れないとも限らない』と保護することに決めた。ボンドと提携している道具屋が孫として育てることになった。後日、シーナにマナを助けた時のことを聞けば『マナの時間を少し戻した』と言っていた。その時が初めてで、一度使ったら戻し方も分かるようになったと教えてくれた」
「チアちゃんはなんで、シーナちゃんの時の魔術を知っているの?」
マイルズがチアに優しく尋ねる。
チアとシーナは、シーナが道具屋に住むようになって会ったと言っていた。チアはシーナがマナを助けた時のことは知らないはずだ。
「私はルルを助けてもらった」
不安気にチアの膝に乗るルルが、チアを見上げる。安心させるようにチアはルルを撫でた。
「遺跡調査の依頼でトラップに引っかかった私たちを、ルルが庇って大怪我したの。一緒に調査していた治癒術師に治してもらおうとしたけれど、無理だと言われた。『絵なんだからまた描けばいい』って。……でもそれは見た目は同じでも、一緒に過ごしたルルじゃなくなっちゃうの」
チアはその時のことを思い出しているのか、目を赤くして鼻を啜った。ルルがチアを心配するようにか細い声で鳴く。「大丈夫」とチアはルルを撫でた。
「諦められなくてルルを抱え、すぐに風の魔術でテアペルジまで飛んだ。一番能力の高い治癒術師に見せるために。ボンドに着いたら薬の納品に来ていたシーナがいたの。ルルを治すって言ってくれたけど、シーナに治せると思えなくて断った。でもシーナは私からルルを取り上げてギュッと抱きしめた。『治って』って繰り返しながら。シーナはルルを私の手に戻すとその場に崩れ落ちた。ルルは私の腕から飛び降りて、大きくなるとシーナを乗せた。近くにいたルーカスさんが、バージルさんの部屋まで連れて行ってくれて、シーナの能力を知ったの」
シーナは時間を戻すことができる時の魔術師。それならばなぜファントムのギルドマスターを助けることをしなかったのだろう。
話を聞いたり、今まで一緒に行動してきて、シーナは傷付いた人を見捨てるようなことなんてしない。
「ファントムのギルドマスターは、どうして助けようとしないんだ?」
俺が聞くと、ルーカスさんとリオが「ファントムのギルドマスター?」と眉を顰める。昨日のケイルの森で起こったことを話した。
「ファントムのギルドマスターはご高齢だ。怪我とは違う。時の魔術は不死の力ではない」
「見たでしょ? シーナはリオの時間を数時間戻しただけで倒れたの。ファントムのギルドマスターは何年巻き戻せばいいの? シーナには無理」
ルーカスさんとチアの言葉で納得した。時の魔術は万能ではない。シーナは膨大なエネルギーを使って、時間を巻き戻しているのだ。
「三人ともシーナの能力は秘密にして。ボンドでも知っている人は少ない。どこから漏れて、悪用しようとする人に知られるかわからないから」
「ボンドにそんな人間がいるの?」
マイルズの問いを即座に否定したのはルーカスさんだ。
「いや、いない。それだけは信用できる。だが、どこで誰が聞いているかわからない。この店は私の使い魔に見張らせているから、今は安心して話せている」
「シーナのこと絶対に守ってよ!」
目つきを鋭くするチアに、俺もマイルズもリオも頷いた。
「当たり前だ!」
「シーナちゃんは絶対に守るよ」
「シーナさんを危険になんて晒させません」
チアはやっと強張っていた身体の力を抜いた。シーナがリオを治すあたりから、ずっと気を張り詰めていた。
「そろそろおいとましよう」
「え? シーナさんが目覚めるまで待たないんですか?」
ルーカスさんにリオが目を見張る。
「まだ目覚めないだろう。もう遅いから明日出直す」
「俺はマナに帰るって伝えてくる」
階段を登り、部屋の扉をノックすると「どうぞ」と声がかかった。
扉を開いた。ベッドで横たわるシーナの手を、傍に座るマナがギュッと握っている。
「シーナは?」
「お姉ちゃんはまだ寝ています」
近付いてシーナの顔を確認する。寝息は穏やかでホッとした。
「もう遅いし、明日また来る。飲み物とか持ってきた方がいい?」
「大丈夫ですよ」
「マナも寝なよ」
「はい、今日はお姉ちゃんと一緒に寝ます」
「そうか、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
扉を閉めて階段を降りる。
ルーカスさんとリオとは別れ、チアを家まで送った。マイルズと寮に戻る。
明日の朝イチでシーナの様子を見に行こう。ベッドに入ったが、シーナが気になってなかなか寝付けなかった。
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