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田中のこと
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とある一人の男について書きたいと思う。なぜその男を書いたのかについては、最後まで読んでもらうとわかるはずだ。その男は、日本を、いや……世界を救ったんだから……。
名前を田中春男と言った。しかし本人はその名前を嫌い、自分のことを昴ペペロンチーヌと呼ばせていた。なぜその名前なのか、誰もが疑問に思ったが、田中春男は最後まで頑として理由を言うことは無かった。
年齢は三十を超えていたが、本人も自分が今何歳なのか忘れていたようで、誰も正確な年齢はわからない。脳に先天的な障害を持っており、十歳の頃両親に捨てられた。その後の壮絶な暮らし振りは、わざわざ説明しないでもわかるだろう。この日本で、マンホールに住み残飯を漁って生きてきた。幸いなことにホームレス連中に可愛がられ、何とか生き延びることができたようだが、筆者はその時代の田中については何も知らない。本人ですら忘れているのだからそれも仕方あるまい。
「僕はね、カルファーラ神の生まれ変わりなんだよ」
私が差し入れた煙草をゆるゆるとふかしながら言う田中は、優しげな表情をしていた。カルファーラ神とは一体何なのか、私にはわからなかった。「カンルグ様が僕の一生を守ってくれるんだ」
田中は、自分のことを昴ペペロンチーヌと呼ばない人に対してとても冷たく当たっていた。暴力も厭わなかったようだ。新しい人間として生まれ変わりたかったのかもしれない。今となっては憶測でしかないのだが。
時として、自分としてはそういうつもりはなかったものの、人を助けることがあった。一人で学校から帰っていた幼女を連れ去った時は凄まじい騒ぎになったが、その騒ぎの合間に幼女の家が火事になって全焼してしまったのだ。あのまま帰っていれば、死んでいた。幸い幼女以外の家族は全員出かけており、死者はでなかったようだが。田中は町の人々に感謝され、愛されていた。こういう人間――と言っては失礼だが――が一人で生きていくことができるだけの土壌がそこにあったのだ。
なぜ幼女を連れ去ったのか、と聞いたことがある。その時の理由を聞いて、思わず私は笑ってしまった。
「だって、可愛かったから。カルファーラ神の生まれ変わりなんだよ僕は」
とある一軒家が、真昼間に突然爆発した。近隣に被害を与えない程度の爆発だったが、家は崩壊し、そこに住んでいた年寄り夫婦が死んだ。私は知っていた。この年寄り夫婦が田中を虐めていたことを。
そして次の日もまた家が爆発した。その家族も田中に関係していた。
「僕がね、お願いすれば、なんでも叶うんだよ」
私はその日、布団の中で震えた。田中に対して何かよくないことをやったんじゃないのか、と記憶を探り、死ぬかもしれない恐怖に慄いた。しかし次の日、田中とは全く関係の無い家が爆発した。
「僕は知らないよ。全てカルファーラ神の思し召しなんだから」
私だけでない、街の人々はそれまでの態度を一変し、あからさまに田中を避けるようになった。田中が家を爆発させるなんてできるわけが無いと思うのが普通だが、誰かを犯人にしたかったのだ。この街は小さい。住人の誰もが知り合いだ。その中で疑いあうのはよくないことだ。そこで田中が犠牲になった。
街の人が田中を避けるようになってから、爆発件数が飛躍的に増加した。家だけでなく、野良犬や野良猫といった動物も原因不明の爆発で死んでいった。無関係のゴミ箱や、たまたまそこを通りかかったトラックまで。警察の発表によると、爆弾のようなものは見つからなかったようだ。突然爆発した。それだけしかわからなかった。
「爆発はみんなにとっていいことなんだ。マイナスに考える人がいるけど、それは違う」
みなが避けるようになっても、私は毎日田中の元へ訪れていた。監視するという意味合いもあるが、田中に嫌われたら殺されるという思いのほうが強かった。
私はその日、いつものように田中の後をついてまわっていた。田中には気づかれないように細心の注意を払いながら。
「未成年が煙草なんか吸っちゃ、いけないよ」
田中が、道端に座り込む高校生の集団に近づきながら言った。高校生はこの街の人間ではないのだろうか、田中のことは知らないようだ。田中の汚い身なりを笑いあい、リーダー各の男が田中の前に立った。
「何だよおっさん」
「未成年が煙草なんか吸っちゃ、いけないよ」
「こいつ頭イカれてんぜ!」
リーダー各が振り向き、集団に笑いかける。それに合わせるように集団も下品に笑った。
私はそれを電柱の影に隠れながら見ていた。助けようなどとは思わなかった。田中がやったという証拠が欲しかった。あわよくばここで田中が殺されてくれでもすれば、夜に一人で怯えることも無い。固唾を飲みながら一部始終を見る。
「おっさん、文句あっかよ」
リーダー格が、これ見よがしに田中に煙を吐きかけた。苦しそうな表情でそれを払いのける田中に、また大声で笑った。
「このおっさん、障害者なんだよ」
座り込んでいた集団の一人が立ち上がりながら言った。髪の毛を茶色に染め、制服をだらしなく着ている。私はその少年を知っている。同じ街に住む少年だ。両親が厳しいのか、街では優等生を演じているが、まさかこんな裏の顔があったとは……。私はこのことを誰かに言いたくなる衝動に駆られたが、ぐっと堪えて一部始終を見届ける。
「キチガイかよ!」
「でも、ちょっとした噂があってさ」と茶髪の少年が言った時には、リーダー格の男は田中を殴り飛ばしていた。小さく悲鳴を上げて後ろに吹き飛ぶ田中を、また大声で笑った。
「キチガイを心配する奴なんざいねえだろ。やっちまおうぜ」
茶髪の少年以外がそれに賛同し、うずくまる田中を次々に殴りつけてゆく。恐怖に怯える茶髪の少年が「お、俺は知らない」と呟きながらどこかへ走り去って行った。そんなことはお構いなしに田中を殴りつけるリーダー格の男の首から上が吹き飛んだ。少年たちは何かを喚きながら、自分に突然降りかかった肉片をわけもわからず振り払う。ゆっくりと田中が立ち上がり、首から下だけになったリーダー格が倒れこむのをただ無表情で眺めている。
「なんだよこれ!」と叫んだ少年の右手が吹き飛んだ。苦痛に歪む顔が、握りこぶしを開くようにしてばっくりと開いた。逃げようとする少年の足が吹き飛び、地面に倒れこんですぐに、ぱんという小さな音を立てて全身が吹き飛んだ。腰を抜かし涙を浮かべ小便を垂れ流す少年の頭が吹き飛んだ。全員死亡した。私はそこから立ち去ることもできず、震えながらそれを見ていた。全身が恐怖という文字に支配され、口の中が乾く。いつの間にか少年と同じように小便を垂らしていた。
田中が私を見た。全身の毛穴が開き、汗が一気に噴き出る。私は動かない足を無理やり前に出し、一目散でそこから逃げ出した。次の日、それは大きなニュースになった。しかし私は部屋から出ることもせず、ただ布団の中で怯えていた。次は私が殺される、少年たちと同じように爆発させられる、と。昼過ぎ、部屋のチャイムが一度だけ鳴った。当然私は居留守を使おうと、固唾を飲んで布団の中で震えていた。扉が小さな音を立てて爆発した。
「僕と君は親友だよ」
私の前で微笑みながら座る田中に目を合わせることが出来ず、私はただ震えていた。
「この世には悪が多すぎる」
「私は違う!」
思わず私は叫んでいた。一瞬びっくりした表情になるが、また微笑を浮かべた。
「わかってる。僕は、悪い人が憎いんだ」
吹き飛んだ扉の向こうから、小さな爆発音が聞こえたた。
「あの人はね、自分の子供を虐待してたんだ」
また、爆発音。
「あの人はね、年寄りを騙してお金を得てたんだ」
次も、爆発音。
「あの人はね、僕を虐めたんだ」
そして、部屋に置いてあるテレビが小さく爆発した。次は足元に転がる空き缶が爆発した。徐々に爆発は近づいている。しかし私はそこから指先一つも動かす事ができない。
「君はね、僕を助けなかった」
私は泣きながら土下座をし、謝罪の言葉を繰り返した。死にたくない、死にたくない、許してください、お願いします。
「大丈夫。誰だって怖いから。でも、カンルグ様の導きにより、楽園に行くことができるんだ」
田中の言葉など耳に入らなかった。ただ私は謝罪を繰り返していた。
「楽園に行きたくないかい?」
「お前だって人を殺しまくっただろうが!」
私は思わず叫んでいた。鼻水や唾が勢い良く田中にかかった。田中は顔一つ変えず、私をじっと見ている。
「わかってる。先に楽園へ行っておくよ――」
田中の頭が音も鳴く爆発した。私は田中の亡骸を抱きかかえながら、ただただ泣いていた。
終
名前を田中春男と言った。しかし本人はその名前を嫌い、自分のことを昴ペペロンチーヌと呼ばせていた。なぜその名前なのか、誰もが疑問に思ったが、田中春男は最後まで頑として理由を言うことは無かった。
年齢は三十を超えていたが、本人も自分が今何歳なのか忘れていたようで、誰も正確な年齢はわからない。脳に先天的な障害を持っており、十歳の頃両親に捨てられた。その後の壮絶な暮らし振りは、わざわざ説明しないでもわかるだろう。この日本で、マンホールに住み残飯を漁って生きてきた。幸いなことにホームレス連中に可愛がられ、何とか生き延びることができたようだが、筆者はその時代の田中については何も知らない。本人ですら忘れているのだからそれも仕方あるまい。
「僕はね、カルファーラ神の生まれ変わりなんだよ」
私が差し入れた煙草をゆるゆるとふかしながら言う田中は、優しげな表情をしていた。カルファーラ神とは一体何なのか、私にはわからなかった。「カンルグ様が僕の一生を守ってくれるんだ」
田中は、自分のことを昴ペペロンチーヌと呼ばない人に対してとても冷たく当たっていた。暴力も厭わなかったようだ。新しい人間として生まれ変わりたかったのかもしれない。今となっては憶測でしかないのだが。
時として、自分としてはそういうつもりはなかったものの、人を助けることがあった。一人で学校から帰っていた幼女を連れ去った時は凄まじい騒ぎになったが、その騒ぎの合間に幼女の家が火事になって全焼してしまったのだ。あのまま帰っていれば、死んでいた。幸い幼女以外の家族は全員出かけており、死者はでなかったようだが。田中は町の人々に感謝され、愛されていた。こういう人間――と言っては失礼だが――が一人で生きていくことができるだけの土壌がそこにあったのだ。
なぜ幼女を連れ去ったのか、と聞いたことがある。その時の理由を聞いて、思わず私は笑ってしまった。
「だって、可愛かったから。カルファーラ神の生まれ変わりなんだよ僕は」
とある一軒家が、真昼間に突然爆発した。近隣に被害を与えない程度の爆発だったが、家は崩壊し、そこに住んでいた年寄り夫婦が死んだ。私は知っていた。この年寄り夫婦が田中を虐めていたことを。
そして次の日もまた家が爆発した。その家族も田中に関係していた。
「僕がね、お願いすれば、なんでも叶うんだよ」
私はその日、布団の中で震えた。田中に対して何かよくないことをやったんじゃないのか、と記憶を探り、死ぬかもしれない恐怖に慄いた。しかし次の日、田中とは全く関係の無い家が爆発した。
「僕は知らないよ。全てカルファーラ神の思し召しなんだから」
私だけでない、街の人々はそれまでの態度を一変し、あからさまに田中を避けるようになった。田中が家を爆発させるなんてできるわけが無いと思うのが普通だが、誰かを犯人にしたかったのだ。この街は小さい。住人の誰もが知り合いだ。その中で疑いあうのはよくないことだ。そこで田中が犠牲になった。
街の人が田中を避けるようになってから、爆発件数が飛躍的に増加した。家だけでなく、野良犬や野良猫といった動物も原因不明の爆発で死んでいった。無関係のゴミ箱や、たまたまそこを通りかかったトラックまで。警察の発表によると、爆弾のようなものは見つからなかったようだ。突然爆発した。それだけしかわからなかった。
「爆発はみんなにとっていいことなんだ。マイナスに考える人がいるけど、それは違う」
みなが避けるようになっても、私は毎日田中の元へ訪れていた。監視するという意味合いもあるが、田中に嫌われたら殺されるという思いのほうが強かった。
私はその日、いつものように田中の後をついてまわっていた。田中には気づかれないように細心の注意を払いながら。
「未成年が煙草なんか吸っちゃ、いけないよ」
田中が、道端に座り込む高校生の集団に近づきながら言った。高校生はこの街の人間ではないのだろうか、田中のことは知らないようだ。田中の汚い身なりを笑いあい、リーダー各の男が田中の前に立った。
「何だよおっさん」
「未成年が煙草なんか吸っちゃ、いけないよ」
「こいつ頭イカれてんぜ!」
リーダー各が振り向き、集団に笑いかける。それに合わせるように集団も下品に笑った。
私はそれを電柱の影に隠れながら見ていた。助けようなどとは思わなかった。田中がやったという証拠が欲しかった。あわよくばここで田中が殺されてくれでもすれば、夜に一人で怯えることも無い。固唾を飲みながら一部始終を見る。
「おっさん、文句あっかよ」
リーダー格が、これ見よがしに田中に煙を吐きかけた。苦しそうな表情でそれを払いのける田中に、また大声で笑った。
「このおっさん、障害者なんだよ」
座り込んでいた集団の一人が立ち上がりながら言った。髪の毛を茶色に染め、制服をだらしなく着ている。私はその少年を知っている。同じ街に住む少年だ。両親が厳しいのか、街では優等生を演じているが、まさかこんな裏の顔があったとは……。私はこのことを誰かに言いたくなる衝動に駆られたが、ぐっと堪えて一部始終を見届ける。
「キチガイかよ!」
「でも、ちょっとした噂があってさ」と茶髪の少年が言った時には、リーダー格の男は田中を殴り飛ばしていた。小さく悲鳴を上げて後ろに吹き飛ぶ田中を、また大声で笑った。
「キチガイを心配する奴なんざいねえだろ。やっちまおうぜ」
茶髪の少年以外がそれに賛同し、うずくまる田中を次々に殴りつけてゆく。恐怖に怯える茶髪の少年が「お、俺は知らない」と呟きながらどこかへ走り去って行った。そんなことはお構いなしに田中を殴りつけるリーダー格の男の首から上が吹き飛んだ。少年たちは何かを喚きながら、自分に突然降りかかった肉片をわけもわからず振り払う。ゆっくりと田中が立ち上がり、首から下だけになったリーダー格が倒れこむのをただ無表情で眺めている。
「なんだよこれ!」と叫んだ少年の右手が吹き飛んだ。苦痛に歪む顔が、握りこぶしを開くようにしてばっくりと開いた。逃げようとする少年の足が吹き飛び、地面に倒れこんですぐに、ぱんという小さな音を立てて全身が吹き飛んだ。腰を抜かし涙を浮かべ小便を垂れ流す少年の頭が吹き飛んだ。全員死亡した。私はそこから立ち去ることもできず、震えながらそれを見ていた。全身が恐怖という文字に支配され、口の中が乾く。いつの間にか少年と同じように小便を垂らしていた。
田中が私を見た。全身の毛穴が開き、汗が一気に噴き出る。私は動かない足を無理やり前に出し、一目散でそこから逃げ出した。次の日、それは大きなニュースになった。しかし私は部屋から出ることもせず、ただ布団の中で怯えていた。次は私が殺される、少年たちと同じように爆発させられる、と。昼過ぎ、部屋のチャイムが一度だけ鳴った。当然私は居留守を使おうと、固唾を飲んで布団の中で震えていた。扉が小さな音を立てて爆発した。
「僕と君は親友だよ」
私の前で微笑みながら座る田中に目を合わせることが出来ず、私はただ震えていた。
「この世には悪が多すぎる」
「私は違う!」
思わず私は叫んでいた。一瞬びっくりした表情になるが、また微笑を浮かべた。
「わかってる。僕は、悪い人が憎いんだ」
吹き飛んだ扉の向こうから、小さな爆発音が聞こえたた。
「あの人はね、自分の子供を虐待してたんだ」
また、爆発音。
「あの人はね、年寄りを騙してお金を得てたんだ」
次も、爆発音。
「あの人はね、僕を虐めたんだ」
そして、部屋に置いてあるテレビが小さく爆発した。次は足元に転がる空き缶が爆発した。徐々に爆発は近づいている。しかし私はそこから指先一つも動かす事ができない。
「君はね、僕を助けなかった」
私は泣きながら土下座をし、謝罪の言葉を繰り返した。死にたくない、死にたくない、許してください、お願いします。
「大丈夫。誰だって怖いから。でも、カンルグ様の導きにより、楽園に行くことができるんだ」
田中の言葉など耳に入らなかった。ただ私は謝罪を繰り返していた。
「楽園に行きたくないかい?」
「お前だって人を殺しまくっただろうが!」
私は思わず叫んでいた。鼻水や唾が勢い良く田中にかかった。田中は顔一つ変えず、私をじっと見ている。
「わかってる。先に楽園へ行っておくよ――」
田中の頭が音も鳴く爆発した。私は田中の亡骸を抱きかかえながら、ただただ泣いていた。
終
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