ヤルことからはじめよう

相沢蒼依

文字の大きさ
8 / 14
サクセスストーリー始動!

3(小野寺目線)2

しおりを挟む
***
 
 幸か不幸か企画書が通ってしまったお蔭で、見事にイブ出勤している俺。月曜には本格始動するため資料を用意すべく、書類を作成したりとあくせく働いていた。

 勿論、二人で――

「鎌田課長、こんな感じでいいですか?」

「……却下、やり直しして下さい」

「だーっ、これで3回目じゃないですか。具体的にどこが駄目か、丁寧に教えて下さいっ」

 俺は鎌田課長の机に書類をバシバシ叩きながら、悔しさをアピールしまくった。
 ↑やってること、お子様だな

 鎌田課長は、深くため息をついて俺の顔を仰ぎ見る。

「君の作った書類で皆が動くんです。自分だけが分かる文章を書いてたら、どうなりますか?」

「そこは皆の想像力で悟って欲しいです……。んもぅ今からチマチマやってたら、絶対に間に合わない」

「焦っても、しょうがないでしょう。どうせフラれるんだから」

「部下の心をザックリ傷つける上司。パワハラだ、パワハラ!」

 俺が抗議すると、机に頬杖をついて呆れた顔をする。

「文句言う暇があるのなら、さっさとやっつけたらどうです。俺だって、好きで君の仕事を手伝っているワケじゃないんです。今日はクリスマスイブ、君だけ特別じゃないんですよ」

「すみません、仕事してきます……」

 鎌田課長にも、きっと約束があったんだろう。当然、嫌みの一つや二つくらいは言いたくなるよな。

 しかも上司として、部下の成長を考えているんだろう。正解を自分で出させる仕事をさせる。

 でも今日は年に一度のイベントなんだから、お互いの幸せのために仲良く手を取り合ってやっつければ、夕方までにはきっと終わるのに――

 どうして頭が堅いんだ、コノヤロー。

 恨めしく思いながら前方にいる鎌田課長を見ると、鮮やかにサクサク仕事をこなしていた。

 悔しいが見習うしかない。少しでも早く仕事を終わらせて、亜理砂さんとイブを過ごそう。

 焦る気持ちが見事に空回りしてこの後何度もやり直しをさせられることを、このときは思ってもみなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一条さん結婚したんですか⁉︎

あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎ 嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡ ((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜 ⭐︎本編は完結しております⭐︎ ⭐︎番外編更新中⭐︎

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

【完結】“熟年恋愛”物語

山田森湖
恋愛
妻を亡くし、独りで過ごす日々に慣れつつあった 圭介(56)。 子育てを終え、長く封じ込めていた“自分の時間”をようやく取り戻した 佳奈美(54)。 どちらも、恋を求めていたわけではない。 ただ——「誰かと話したい」「同じ時間を共有したい」、 そんな小さな願いが胸に生まれた夜。 ふたりは、50代以上限定の交流イベント“シングルナイト”で出会う。 最初の一言は、たった「こんばんは」。 それだけなのに、どこか懐かしいような安心感が、お互いの心に灯った。 週末の夜に交わした小さな会話は、 やがて食事の誘いへ、 そして“誰にも言えない本音”を語り合える関係へと変わっていく。 過去の傷、家族の距離、仕事を終えた後の空虚—— 人生の後半戦だからこそ抱える孤独や不安を共有しながら、 ふたりはゆっくりと心の距離を縮めていく。 恋に臆病になった大人たちが、 無理をせず、飾らず、素のままの自分で惹かれ合う—— そんな“優しい恋”の物語。 もう恋なんてしないと思っていた。 でも、あの夜、確かに何かが始まった。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

曖昧な距離で愛している

山田森湖
恋愛
結婚4年目のアラサー夫婦、拓海と美咲。仲は悪くないが、ときめきは薄れ、日常は「作業」になっていた。夫には可愛い後輩が現れ、妻は昔の恋人と再会する。揺れる心、すれ違う想い。「恋人に戻りたい」――そう願った二人が辿り着いた答えは、意外なものだった。曖昧で、程よい距離。それが、私たちの愛の形。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

処理中です...