33 / 37
秘められた熱
10
しおりを挟む
***
次の日いつものように奈美がいるクラスの授業に行ったのだが、僕と目を合わせようとせず、変なタイミングで俯いたり、教科書で顔を隠す姿に違和感を覚えた。
もしかして昨日僕が無理強いしてイケメンから引き離してしまったことで、親に何か言われたのかもしれない。だから素っ気無い態度を、こうしてとらせてしまっているのかもしれないな――
そんなことを気にしつつも授業中に声をかけることができないので、内心悶々としながら黒板に向かった。
そして授業が終わり、どうやって奈美に事情を聞こうか考えあぐねているところに、隣のクラスの生徒に声をかけられる。
話を聞きながら、手渡されたテストを見ていると。
「みっ、三木先生!」
顔を赤らめた奈美が、困った顔して僕に声をかけてきた。ナイスタイミングだと思いながら、反射的に微笑んでしまう。
「どうした、さっきの授業の質問か?」
「えっと、あのぅ、ちょっと……」
言い出しにくそうにしてる姿に、機転を利かせるべく口を開いてみた。
「山口悪い、この答案は預かっておくから。お前は例の話があって、ここまで来たんだろ? 辞典返しに行くから、図書室について来い。そこで話を聞いてやる」
困惑したままの表情を浮かべる奈美を引きつれ図書室に向かうと、中に入ってすぐさま疑問を口にした。
「お前さー、授業中といい今といい、何か態度が変だぞ。もしかして昨日のこと親父さんに、何か言われたとか? 僕が結構無理強いして、イケメン御曹司から奈美を連れ去ってしまったから」
僕の質問を聞き、微妙な表情をキープしたまま、ふるふると首を横に振る。
「違うよ。そのことについては向こうからこっちに、何も言ってきてないし」
「じゃあ、その変な態度のワケは一体何だ? 非常に気になるんだが」
グイッと顔を近づけるとあからさまに視線を外して、頬を赤らめさせ俯いた。
むーこの態度、何かを隠しているようにしか見えない。
「何だ何だ、そうやって目をそらすなんて。やましいことでも、あるんじゃないのか? 怒らないから言ってみろ、ん?」
「やましいことなんて、全然何もありませんって! そんな疑うような目で、見ないでください……」
ついには背中を向ける始末。絶対に怪しいだろ。更なる追求をすべく、口を開きかけたら予鈴が鳴った。
チッ、もう少しだったのに!
「今日いつもの時間にウチに来い。どうもお前、おかしいぞ。じっくりと話を聞いてやるから、思い切って打ち明けろ。分ったな?」
「えっ、そんな――」
「もし来なかったら、お前の家まで迎えに行くから」
ここまで言えば、もう逃げられないだろう。自宅で聞き出してやるからな。
困った顔をした奈美を一瞥し、図書室を後にした。
次の日いつものように奈美がいるクラスの授業に行ったのだが、僕と目を合わせようとせず、変なタイミングで俯いたり、教科書で顔を隠す姿に違和感を覚えた。
もしかして昨日僕が無理強いしてイケメンから引き離してしまったことで、親に何か言われたのかもしれない。だから素っ気無い態度を、こうしてとらせてしまっているのかもしれないな――
そんなことを気にしつつも授業中に声をかけることができないので、内心悶々としながら黒板に向かった。
そして授業が終わり、どうやって奈美に事情を聞こうか考えあぐねているところに、隣のクラスの生徒に声をかけられる。
話を聞きながら、手渡されたテストを見ていると。
「みっ、三木先生!」
顔を赤らめた奈美が、困った顔して僕に声をかけてきた。ナイスタイミングだと思いながら、反射的に微笑んでしまう。
「どうした、さっきの授業の質問か?」
「えっと、あのぅ、ちょっと……」
言い出しにくそうにしてる姿に、機転を利かせるべく口を開いてみた。
「山口悪い、この答案は預かっておくから。お前は例の話があって、ここまで来たんだろ? 辞典返しに行くから、図書室について来い。そこで話を聞いてやる」
困惑したままの表情を浮かべる奈美を引きつれ図書室に向かうと、中に入ってすぐさま疑問を口にした。
「お前さー、授業中といい今といい、何か態度が変だぞ。もしかして昨日のこと親父さんに、何か言われたとか? 僕が結構無理強いして、イケメン御曹司から奈美を連れ去ってしまったから」
僕の質問を聞き、微妙な表情をキープしたまま、ふるふると首を横に振る。
「違うよ。そのことについては向こうからこっちに、何も言ってきてないし」
「じゃあ、その変な態度のワケは一体何だ? 非常に気になるんだが」
グイッと顔を近づけるとあからさまに視線を外して、頬を赤らめさせ俯いた。
むーこの態度、何かを隠しているようにしか見えない。
「何だ何だ、そうやって目をそらすなんて。やましいことでも、あるんじゃないのか? 怒らないから言ってみろ、ん?」
「やましいことなんて、全然何もありませんって! そんな疑うような目で、見ないでください……」
ついには背中を向ける始末。絶対に怪しいだろ。更なる追求をすべく、口を開きかけたら予鈴が鳴った。
チッ、もう少しだったのに!
「今日いつもの時間にウチに来い。どうもお前、おかしいぞ。じっくりと話を聞いてやるから、思い切って打ち明けろ。分ったな?」
「えっ、そんな――」
「もし来なかったら、お前の家まで迎えに行くから」
ここまで言えば、もう逃げられないだろう。自宅で聞き出してやるからな。
困った顔をした奈美を一瞥し、図書室を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
敏腕SEの優しすぎる独占愛
春咲さゆ
恋愛
仕事も恋愛も、兎に角どん底の毎日だった。
あの日、あの雨の夜、貴方に出逢うまでは。
「終わらせてくれたら良かったのに」
人生のどん底にいた、26歳OL。
木崎 茉莉 ~kisaki matsuri~
×
「泣いたらいいよ。傍にいるから」
雨の日に現れた、30歳システムエンジニア。
藤堂 柊真 ~Todo Syuma~
雨の夜の出会いがもたらした
最高の溺愛ストーリー。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜
葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」
そう言ってグッと肩を抱いてくる
「人肌が心地良くてよく眠れた」
いやいや、私は抱き枕ですか!?
近い、とにかく近いんですって!
グイグイ迫ってくる副社長と
仕事一筋の秘書の
恋の攻防戦、スタート!
✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼
里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書
神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長
社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい
ドレスにワインをかけられる。
それに気づいた副社長の翔は
芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。
海外から帰国したばかりの翔は
何をするにもとにかく近い!
仕事一筋の芹奈は
そんな翔に戸惑うばかりで……
年下ワンコは狼でした
音無野ウサギ
恋愛
「恋って楽しいことだけでいいの?」
森野スミレはいつものBARで一人ごちた。30歳の足音が近づくにつれ仲良したちが結婚しはじめて気付けば一人で飲み歩くようになっていたそんなある日のこと。
「人生ちゃんと考えないと!」ふわふわ恋愛からの卒業を誓うスミレに声をかけてきたのはかわいい年下くん。
どう考えても最後の恋の相手になりそうにない彼なのに昔の飼い犬を思わせるかわいさに絆されて一杯だけ付き合うことに。
戸瀬つぐみさま企画「はじめまして恋におちました」参加作品です。
#はじ恋企画
他サイトでも公開しています。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる