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破壊神、小春爆誕!
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尚史がいつも 以上に、自宅にいない。常にケージの中にいる小春は、何かを悟ったのかも知れない。
ケージの外に出たら所構わずはばかっていたのに、お利口さんなところを示そうと考えたのか、ケージの中にあるトイレで用を足しはじめた。これは今までになかったことである!
進んでいいことをする小春に「偉いねぇ、超絶偉いわぁ。偉いコにはおやつがあたります。なまら偉い!」
などと褒める言葉をあれこれ考えながら、病院からもらっていた猫の餌の試供品をちょっとだけあげた。嬉しさのあまりに丸飲みする小春。
たまに勢い余って飲み込み、えずく仕草をするときがあるのが心配だったりしたけど、彼女はよほどのことがない限り吐かないことが分かっていたので、様子見していた。
しかも知恵がついたのか、おしっことうんちょすを3~5分の間隔をあけてることにより、おやつを倍増して貰うことに成功している。だからこのセットがないときは別の場所にて用を足しているので、汚されている場所の捜索をしなければいけなかった。
しかも人の顔をわざわざ見て、思いついた場所ではばかることもあるので、「あ~っ!」と絶叫しても止められないのが多々あった。
そんなお利口になった小春は、尚史が自宅にいる時間がなくなった第一週に、お気に入りにしている玩具を壊した。
丸い発泡スチロールが頭の部分になっているピンクのウサギさん。通称ピンクさんの頭に巻いてる布を破り、それを食べながら発泡スチロールを破壊したのである。
布を食べている量が少なかったのでとりあえず様子見したら、5日くらいかけてピンク色のうんちょすが出てきた。
砕かれた発泡スチロールはベッドにばら撒かれていて、掃除機で吸っても回収不能だったから新しいベッドを買った。
しかーし、そのベッドが気に入らなかったのか、次の日には顎乗せ部分の布地を破り、綿をまき散らして以下同文――。
「くそぅ、壊したら新しいのを買ってもらえると思ったら、大間違いなんだからな! お前のベッドを買うために働いてるんじゃねぇぞ!」
老眼になりかけているっぽい両目を使って、必死に破かれた部分を頑張って縫い合わせた。
尚史が自宅にいる時間がなくなった第二週目。破かれたベッドを補修したのに、別の部分を食いちぎり以下同文!
「ホームセンターに売ってる、安っぽいヤツだったからダメだったんだって。ペットショップで、新しいのを買ってあげよう。今流行りの涼しい布地を使ってるベッド」
そう言った相方は自分の少ない小遣いから千円を投資し、尚史セレクトで新しくてちょっと高めのベッドを購入した。水色と白のストライプ模様が見た目からも涼しさを演出していて、寝心地もホームセンターで買ったベッドよりもいいと思われる。
それなのにだ、購入して3日目に布地を引っ掻いて口で破り、中身の低反発っぽいクッション部分を露にした。
もう縫い合わせる気にもなれなくて、そのままにした。当然布地が日々破れていくが、中身が飛び出ることがなかったので、よほどのことがない限り買い替えしないもんねという態度を小春に表した。実際表したところで、伝わらないけどね。
何が気に食わないのやらと、娘とともに頭を捻っていた8月1日。ベッドに血がついていることに気がつく。
玩具の噛みすぎで、いつものように歯ぐきから出血しているのかしらんと思っていたところに、床にもめちゃくちゃ少量の血が点々と落ちていて、まさかと察したからこそ小春を横抱きにして股間を観察した。
見慣れていた股間がかなり腫れて形が変わっているだけじゃなく、いい感じに出血しているではないか!
「おう、ヒート(生理)がきてしまった」
生まれてまだ1年も経っていないというのに、大変な体になったもんだ。
そういや実家で飼っていた裕次郎も、発情したのがこれくらいの月齢だった気がする。
真夜中のリビングから「ぁあおぉおん」という変な声と一緒に、首に付けた鈴がチリンパチリンパという音を立てていて、たたん、たんたんというリズミカルな足音が聞こえていた。
呪いの五寸釘の儀式かよと、内心馬鹿にしながらその音を聞きながら眠りについた次の日、妹に起こされて現場に引っ張られた。
前日までは遊び仲間兼喧嘩仲間だった三毛猫のぬいぐるみのミーさんの首根っこをかじりながら、一心不乱に腰をかくかく動かしている裕次郎の姿がそこにあった。
ベストポジションを確保するためなのか、ときおり足をリズミカルに踏みしめていて、真夜中の音の原因がそれで分かってしまった。
左右を人間に囲まれて観察されているのに、そんなの知らねぇよと行為を続行する裕次郎に、以前のようなピュアな面影がなかった。まぁこれがきっかけで去勢したのだが、たまに思い出してはミーさんを襲っていたのが懐かしい。
こういう経緯からオス猫のことは知っていたものの、メス関連のことはさっぱりだったので、ここから検索しまくりのことがてんこ盛りだったのである。
年に何回ヒートするものなのか。ヒート中の散歩はどうするのか。去勢したほうがいいのか悪いのか。マナーパンツは履かせたほうがいいのか等々、手当たり次第に調べまくった。
『ヒート中の雌のワンちゃんを追いかける為に、窓ガラスを突き破ったり、リードを引きちぎってしまう雄のワンちゃんがいる』
ちょっと待て。窓ガラスを突き破るってどんだけなんだよと思ったのは、尚史だけじゃないはずだと思いたい。しかも二階から飛び降りて、雌犬を追いかけた雄犬もいたとかなんとか(;'∀')
それだけヒート中の雌犬の香りは、雄犬にスイッチを入れてしまうものなのだなぁと勉強になった。しかもこの香りは、半径2km周辺まで広がるそうな。
娘の話だと、近所で飼っている犬は雄が多いそうなので、やはり気をつけなければなるまいと、散歩の数を減らした。というか、『ヒート中は家から出るな』という書き込みを読んだせいで、なおさら出にくくなった。
自分が雄犬を飼っていた場合、雌犬の香りに当てられて我を失って暴れるところを想像しただけで(しかも大型犬だったりしたら大変だよな)頭痛が痛くなるし。
通院している動物病院では去勢手術ができないと言われているので、一から病院探しをしなければなりません。とりあえずその費用を稼ぐべく、仕事を頑張ります。
ケージの外に出たら所構わずはばかっていたのに、お利口さんなところを示そうと考えたのか、ケージの中にあるトイレで用を足しはじめた。これは今までになかったことである!
進んでいいことをする小春に「偉いねぇ、超絶偉いわぁ。偉いコにはおやつがあたります。なまら偉い!」
などと褒める言葉をあれこれ考えながら、病院からもらっていた猫の餌の試供品をちょっとだけあげた。嬉しさのあまりに丸飲みする小春。
たまに勢い余って飲み込み、えずく仕草をするときがあるのが心配だったりしたけど、彼女はよほどのことがない限り吐かないことが分かっていたので、様子見していた。
しかも知恵がついたのか、おしっことうんちょすを3~5分の間隔をあけてることにより、おやつを倍増して貰うことに成功している。だからこのセットがないときは別の場所にて用を足しているので、汚されている場所の捜索をしなければいけなかった。
しかも人の顔をわざわざ見て、思いついた場所ではばかることもあるので、「あ~っ!」と絶叫しても止められないのが多々あった。
そんなお利口になった小春は、尚史が自宅にいる時間がなくなった第一週に、お気に入りにしている玩具を壊した。
丸い発泡スチロールが頭の部分になっているピンクのウサギさん。通称ピンクさんの頭に巻いてる布を破り、それを食べながら発泡スチロールを破壊したのである。
布を食べている量が少なかったのでとりあえず様子見したら、5日くらいかけてピンク色のうんちょすが出てきた。
砕かれた発泡スチロールはベッドにばら撒かれていて、掃除機で吸っても回収不能だったから新しいベッドを買った。
しかーし、そのベッドが気に入らなかったのか、次の日には顎乗せ部分の布地を破り、綿をまき散らして以下同文――。
「くそぅ、壊したら新しいのを買ってもらえると思ったら、大間違いなんだからな! お前のベッドを買うために働いてるんじゃねぇぞ!」
老眼になりかけているっぽい両目を使って、必死に破かれた部分を頑張って縫い合わせた。
尚史が自宅にいる時間がなくなった第二週目。破かれたベッドを補修したのに、別の部分を食いちぎり以下同文!
「ホームセンターに売ってる、安っぽいヤツだったからダメだったんだって。ペットショップで、新しいのを買ってあげよう。今流行りの涼しい布地を使ってるベッド」
そう言った相方は自分の少ない小遣いから千円を投資し、尚史セレクトで新しくてちょっと高めのベッドを購入した。水色と白のストライプ模様が見た目からも涼しさを演出していて、寝心地もホームセンターで買ったベッドよりもいいと思われる。
それなのにだ、購入して3日目に布地を引っ掻いて口で破り、中身の低反発っぽいクッション部分を露にした。
もう縫い合わせる気にもなれなくて、そのままにした。当然布地が日々破れていくが、中身が飛び出ることがなかったので、よほどのことがない限り買い替えしないもんねという態度を小春に表した。実際表したところで、伝わらないけどね。
何が気に食わないのやらと、娘とともに頭を捻っていた8月1日。ベッドに血がついていることに気がつく。
玩具の噛みすぎで、いつものように歯ぐきから出血しているのかしらんと思っていたところに、床にもめちゃくちゃ少量の血が点々と落ちていて、まさかと察したからこそ小春を横抱きにして股間を観察した。
見慣れていた股間がかなり腫れて形が変わっているだけじゃなく、いい感じに出血しているではないか!
「おう、ヒート(生理)がきてしまった」
生まれてまだ1年も経っていないというのに、大変な体になったもんだ。
そういや実家で飼っていた裕次郎も、発情したのがこれくらいの月齢だった気がする。
真夜中のリビングから「ぁあおぉおん」という変な声と一緒に、首に付けた鈴がチリンパチリンパという音を立てていて、たたん、たんたんというリズミカルな足音が聞こえていた。
呪いの五寸釘の儀式かよと、内心馬鹿にしながらその音を聞きながら眠りについた次の日、妹に起こされて現場に引っ張られた。
前日までは遊び仲間兼喧嘩仲間だった三毛猫のぬいぐるみのミーさんの首根っこをかじりながら、一心不乱に腰をかくかく動かしている裕次郎の姿がそこにあった。
ベストポジションを確保するためなのか、ときおり足をリズミカルに踏みしめていて、真夜中の音の原因がそれで分かってしまった。
左右を人間に囲まれて観察されているのに、そんなの知らねぇよと行為を続行する裕次郎に、以前のようなピュアな面影がなかった。まぁこれがきっかけで去勢したのだが、たまに思い出してはミーさんを襲っていたのが懐かしい。
こういう経緯からオス猫のことは知っていたものの、メス関連のことはさっぱりだったので、ここから検索しまくりのことがてんこ盛りだったのである。
年に何回ヒートするものなのか。ヒート中の散歩はどうするのか。去勢したほうがいいのか悪いのか。マナーパンツは履かせたほうがいいのか等々、手当たり次第に調べまくった。
『ヒート中の雌のワンちゃんを追いかける為に、窓ガラスを突き破ったり、リードを引きちぎってしまう雄のワンちゃんがいる』
ちょっと待て。窓ガラスを突き破るってどんだけなんだよと思ったのは、尚史だけじゃないはずだと思いたい。しかも二階から飛び降りて、雌犬を追いかけた雄犬もいたとかなんとか(;'∀')
それだけヒート中の雌犬の香りは、雄犬にスイッチを入れてしまうものなのだなぁと勉強になった。しかもこの香りは、半径2km周辺まで広がるそうな。
娘の話だと、近所で飼っている犬は雄が多いそうなので、やはり気をつけなければなるまいと、散歩の数を減らした。というか、『ヒート中は家から出るな』という書き込みを読んだせいで、なおさら出にくくなった。
自分が雄犬を飼っていた場合、雌犬の香りに当てられて我を失って暴れるところを想像しただけで(しかも大型犬だったりしたら大変だよな)頭痛が痛くなるし。
通院している動物病院では去勢手術ができないと言われているので、一から病院探しをしなければなりません。とりあえずその費用を稼ぐべく、仕事を頑張ります。
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