恋の撃鉄(ハンマー)―挨拶からはじまる恋―

相沢蒼依

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ライバル登場⁉

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***

 微妙な雰囲気を漂わせながら去って行く大和に視線を注ぎつつ、星野さんに頭を下げる。

「星野さん、本当にすみません。大和のヤツ、ワガママなんですよ」

「花園さんがしっかりした島田さんにベッタリなのは、見ていて微笑ましくなっちゃいました」

「アハハ……あまりベッタリしてほしくないんですけど」

 むしろ、付きまとわないでほしいと願ってしまった。

「島田さんは面倒見がいいから、なんだかんだ文句を言っても、花園さんを可愛がっちゃうのかなって」

「いえいえ、むしろ俺のほうが翻弄されていると思いマス」

 実際のところ、スマホに残された殴打の写メで脅されているので、思いっきり翻弄されているのである。

「島田さんさっきの話、本気にしてくれませんか?」

「さっきの話?」

「付き合ってくださいって言ったの」

「あー、アレですか」

 なんだか照れくさくて、無意識に頭を掻いてやりすごす。

「私じゃダメですか?」

「すみません。俺の見た目がこんなだし、キレイな星野さんが隣にいるのが、なんだか申し訳ない気がして」

 当たり障りない会話を心がけたが、俺のこのセリフで諦めてくれないだろうかと思った。

「誰かの目を気にして、お付き合いするようなこと、私はしませんよ?」

 俺の顔をきちんと見て答えてくれた言葉に、星野さんの本気を感じた。

「へっ?」

「島田さん、さっきからご自分の気持ちよりも、周りを気にした発言ばかりしてます。それって、過去になにかあったんですよね?」

 一瞬だけ口を引き結んだが、言わないときっと納得しないだろう。

「大学時代に付き合った彼女がいまして、並んで歩いてると、いつもいろいろ言われたんです。美女と野獣的なコトばかり」

「それは島田さんとしては、彼女に気を遣いますね」

「はい。俺がもう少しだけいい男だったなら、こんなことを言われずに済むのにって。彼女がフォローしてくれるたびに、いたたまれない気持ちになってしまって、結局別れたんです」

 大和のように整った容姿だったら、なにも気にすることなく、星野さんとお付き合いすることができるだろう。

「周りが気にならなくなるくらいに、島田さんを私に夢中にさせたいかも!」

「星野さん……」

「だったらまずは、お友達になってみません? LINEの交換しましょ?」

 友達という言葉で、なんだか気が楽になったので、LINEの交換をした。

「島田さん、私たちは友達同士なんですから、仕事の愚痴とかいろいろやり取りしましょうね」

「はい、よろしくお願いします」

 こうして星野さんとLINEを交換したことで、毎日やり取りすることになってしまったのだった。
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