この想いは蜜よりも甘く――

相沢蒼依

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番外編

和臣による恭介への聖指導!?5

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「こうしてお互いのを擦り合わせることを、兜合わせって言うんだよ。一緒に気持ちよくなれるでしょ?」

「確かに。これなら和臣も気持ちよくなれるけど……」

 微妙な表情のまま、視線を下半身に移す。

「どうしたの?」

「こうやって和臣のモノを自分のと比較したら、大きさのあまりの違いに落ち込んでしまうなぁと」

 しゅんとする恭介に、和臣は黙ったまま自身をぎゅっと押しつけた。

「僕のがこんなに大きいのは、恭ちゃんをいっぱい感じさせるためなんだよ」

「和臣……」

「なぁんて言ったけど、面積が大きい分だけ僕もたくさん感じちゃうけどね」

 言いながら腰を上下させて、恭介が感じるように動いてみる。

「ん、ぁ……。和臣、気持ちいい、よ」

「あぅっ、あ、あっ……、ふたりでっ、気持ちよくなれるの、ぃ、いいよねっ」

「なぁキスしたい」

 恭介の言葉に導かれるように、自然と顔を寄せた。唇が触れた瞬間から舌が差し込まれ、音を立てて出し入れされる。

「ん、ふ、あぁ……」

 上と下から卑猥な水音が室内に響き渡り、それだけで達したくなってしまう。

「恭ちゃぁん、お願い。僕の中に恭ちゃんのを挿れて……」

「へっ? ちょっと待って。挿れる前に、ちゃんと馴らさないと駄目なんじゃ――」

 告げられた内容にぎょっとしたのか恭介はキスを中断するなり、まじまじと和臣の顔を見つめた。

「実は……、お風呂でそれなりに解してしまって。多分挿いると思う」

「自分の手で解したって!? 和臣ってばエロ――」

 その様子を想像したのか、恭介の頬がぶわっと赤く染まった。

「そうだよ、僕はエロいよ! だって恭ちゃんとずっと、エッチがしたかったんだもん。我慢できなかったんだ」

 開き直った和臣の目に、うっすら涙が溜まった(勿論これは演技だったりする)

「まっ待たせて悪かった。すぐに準備するから、ちょっと待っていてくれ!」

 恭介は膝の上に乗せていた和臣をベッドに横たわらせると、傍にあった棚からローションとゴムを取り出し、それぞれをセッティングする。

「お待たせ、かずお――」

 振り返った恭介の目に映ったのは、四つん這いになってこっちを見てる和臣の姿だった。

「このほうが、恭ちゃんが挿入しやすいかなぁと思って。早くおいでよ!」

 はじめてとは思えない行動の数々に、恭介は頭が追いつかなくなってきた。

「とりあえず滑りを良くするのに、ローションを塗っておく。指を入れるからな」

「いいよ。はい」

 和臣自らお尻を突き出して、恭介の指を向かい入れる体勢をとる。ドキドキしながら指先にローションを垂らして、にゅるりと2本挿入してみた。

「んんっ……ぁっ…っぁあ」

「苦しいか?」

「ぅ、ううん。気持ちいい、よ。もっと本数増やしても平気」

 恭介が指を動かす間もなく、和臣が勝手に腰を前後させた。

 言われた通りに、その後指の数を増やしても、まったく辛そうな感じを見せずに恭介の指を飲み込んでいく。その姿に堪らなくなって早々に指を引き抜くなり、自身を挿れてしまった。

「ああっ! 恭ちゃんっ!」

「和臣……、もう少し、で」

「ふぅっ、はあぁ……。うぁっ、指と全然っ違うぅっ」

 躰をぶるぶる震わせる和臣の姿を見て、恭介は腰を押し進めるのを止めた。

「大丈夫か? つらいんだったら、これ以上は何もしない」

「やめ、ないでっ! お願い、恭ちゃんとひとつになりたいから」

「和臣――」

「それにつらくない。恭ちゃんのおっきくて熱いのを受け止めるだけで、すごくすごく感じちゃってるんだ」

 瞳を潤ませながら振り返った和臣は、恭介に向かって微笑んでみせる。

「お願い、最後まで挿れて。恭ちゃんでたくさん感じたい!」

「分かった。あと少しだから」

 言いながら和臣の上半身をぎゅっと抱きしめた恭介の熱を、前を向いて目をつぶりながら全身で感じた。

 ゆっくり自分の中に挿入されるモノから与えられる圧迫感や快感が、じわじわと侵食していくみたいだった。

「和臣……、ぜんぶ、挿いった。つながったぞ」

「恭ちゃん――」

「俺たち今、ひとつになってるんだな」

 はじめてはつらいという覚悟をしていた。だけどそれ以上に嬉しいという感情が上回って、泣き出しそうになる。大好きな人に捧げることができた他にも、恭介のはじめてを貰えたのがすごくすごく嬉しかった。

「しばらく、このままでいていいか?」

「ふふっ。僕もそれを言おうと思ったんだ」

 耳元で囁かれた言葉を聞き、小さく笑って答える。

「もしかして、つらくて我慢しいるんだろ?」

「違うよ。恭ちゃんを躰全部で感じていたい。心の底から好きだって伝えたいから」

 言いながら恭介の首に両腕を回して、ぎゅっと抱きしめた。

「俺も同じ。和臣のすべてを感じたい。大好きだって伝えたい」

 どれくらいの間、そうしていたかは秘密だけど、ふたりのはじめては優しさに溢れているだけじゃなく、互いを思いやる気持ちと愛が満たされたものになった。

 だかこそ、忘れられないものになったのはいうまでもない。

おしまい
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