モブな私の学園生活

上結 しいか

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1.正門イベント(改)

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 身分制度や魔法が存在するこの世界で、私ミルフィー=ノルークはシリクサーシェ王国の伯爵家の三女として過ごしていた。結婚適齢期になり勧められた結婚から逃げた。このまま家にいてはまた結婚話があがると考えた私は修復魔法の適正があったため、貴族の子供が通う学園に修復職員として就職し家を出ることにした。

 普通の貴族令嬢は、就職など考えず学園卒業後結婚するのが一般的。そんな環境の中で私が結婚から逃げたのは、前世の記憶を持っているから。
 前世は日本人OL・二十四歳の白山 椿という名前の女性だった。
 前世がどう終わったかは覚えていない。起きたら赤ん坊になっていたのだ。前世の後悔もなかった私は、ミルフィーとしての新しい人生を受け入れた。

 新しい人生を受け入れても考え方が変わるわけでは無いので、知らん人といきなり結婚とか無理っと就職することにした。

 修復職員の仕事内容は、学園の結界、魔法練習場や魔法武具の修復、その他諸々の雑用だ。就職してから数年がたった現在、私の年齢も二十二歳になり仕事もだいぶ慣れた。

 今日から学園は新学期。気合いを入れる。
 職員が使う休憩所に入ると同僚のニックがいた。

「おはよ~ニック」

「おはよ。ミルフィー」

「学園長から、今年度は高位貴族が多いから気をつけて行動するようにってさ」

「了解、学園長がわざわざ言ってくるってよっぽど多いのね」

「王太子殿下が入学だろ」

「あ~忘れてた」

「忘れていいのか? 伯爵令嬢?」

「だって、私の家出世欲ないんだもん」

「そんなもんか?」

「そんなもんよ」

「あっ! そういえばさ、さっきピンクの髪の新入生が正門で転けてるの見た。王太子殿下が助けてた」

「何よそれ! 縁起が悪い。その子もウキウキで登校してただろうに。後で他の子も滑らないように滑り止めの魔法かけとかなきゃ」

「あっ、そっちに注目するのね」

「そっちって、どっちよ!」

 私の今日の仕事に、正門に滑り止めの魔法をかけることが追加された。
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