Piece of arcadia

上原久介

文字の大きさ
21 / 36
chapter.4

二つの出会い

しおりを挟む
******

 ジブリールの内部は混乱していた。
「エネルギー供給はどれくらい回復した?」
「ようやく七十パーセントってとこだ。ヤバいとこはなんとかなったってうちの隊長が」
「じゃあバージェス隊の出番だな。俺らガジェッド隊はしばらく待機か~」
「羨ましいぞおまえ! はぁ、あいつら変に弄らないといいけど」
「ま、頑張れスタイナー隊。胃薬は用意してやるよ」
 廊下を行き交うそんな会話を聞きながら、シェスカは焦げないように鍋をゆっくりと掻き回す。

 二日前のことである。ジブリールに謎の魔物騒動が起こった。それまでただの木だったものが、急に意思を持っているかのように動き始めたのだ。その騒動の中心は、紛れもなく彼女、シェスカ・イーリアスで。シェスカを追うフード付きマントの人物の、その仲間。それが今回の件を引き起こした張本人だった。
 なんとかジブリールとジェイクィズと協力して、魔物騒動は抑えたものの、そこからさらに大きな問題が起こった。

 ジブリールの施設内のエネルギーを供給しているもの​──大魔石が、何者かに盗まれた。

 そのせいでジブリールの全機能が一時的に停止し、ジブリールはさらなる大混乱へと陥れられた。おもに医療機関である第二分隊舎と、総合詰所の打撃は強烈で、今もなお第二分隊の隊員たちはあちこちを走り回っている。
 大魔石の調査は、第一分隊、第四分隊が担当しており、その場に残っていた魔術の残滓から、魔物騒動を起こした連中と同じ人物ということが判明したらしい。それについて、第一分隊は侵入経路等を徹底的に洗い出しているようだが、二日経った今でも手掛かりは掴めていない、とのこと。
 シェスカは、原因の一端は自分にあると、休んでおけというサキやジェイクィズたちの言葉を半ば無視する形で、こうして炊き出しの手伝いをしていたわけだが……。
 なんだか、いつの間にかとんでもないことになってるなぁと、シェスカは重い重い溜息を吐いた。
「シェスカちゃ~ん、溜息吐くと幸せが逃げちゃうぜ~?」
「……あなたも溜息の原因なんだけどね。ジェイクィズ」
 ことあるごとにスキンシップを図ろうとするジェイクィズを制止しつつ、鍋の火加減を調節する。なんでも、このジブリールは火を起こすことさえ大魔石からのエネルギー供給で賄っていたらしく、つまみを捻るだけで炎が出る便利なカマドがある。が、今は使えないため、仕組みを利用して魔術を掛けて使っている状態だ。
「ところで、ヴィルの様子……どう?」
「変わってない。まだ寝てるぜ」
 ジェイクィズは肩を竦めてそう答えた。
 ヴィル・シーナーは、二日前の魔物騒動の際、重症を負って以来、まだ目を覚ましていない。重症とは言っても、シェスカによる迅速な治療のお陰で傷自体は直ぐに塞がっていたのだが、出血が多かったためか、危険な状態だった。
 彼女が魔術で魔物たちを一掃した後、すぐさま第二分隊​──医療集団だと聞いた​──の隊長、サラサネイア・ロゼが治療に当たっていた。そしてひとまず昨日には容体は落ち着いたと、ロゼが言っていた。
「シェスカちゃん、こっちの手伝いにヴィルの看病とかで寝てないっしょ? おにーさんは心配よ?」
「ありがと。でも平気よ。私のせいでもあるわけだし」
「だっからさァ、シェスカちゃんのせいじゃないってば。加害意識強すぎね」
「でも、私がいなかったら、こんなことにならなかったでしょ。……少なくともヴィルは、あんな死にそうな怪我、しなくて済んだわ」
 かれこれ彼女はずっとこの調子である。ジェイクィズはもう一度やれやれと肩を竦めた。
「あ、おはようございます! シェスカさん! ジェイクィズさん!」
「いい匂いね」
 そう言いながら厨房へ入ってきたのは、病院服を着たレオンハルトとアシュリーだった。彼らはあちこちに包帯をぐるぐる巻きにされている。
 なんでも、先日の騒動の時は、一時的に傷を塞いでいた状態で、パルウァエで奴らに負わされた傷は未だ完治していないらしい。無理を言って作戦に参加したのだそうだ。アシュリー曰く「私たちのほうが、彼らの顔を知ってるし、話したこともあるからなりきるには有利だ」だ、そうだ。
「君ら寝てなくていいの~? またロゼさんに怒られんぜ?」
「だってもうウチの病院食飽きたんだもの」
「あんまり美味しくないですしねぇ」
 そう言いながら、二人は出来上がっている鍋から勝手に料理を盛り付けていく。どうせ配るのだから勝手にどうぞ食べてくださいと言ったところ、昨日からこんな調子である。
「食べたら、ちゃんと戻って休んでくださいね」
「ええ、わかってるわ。早く治して復帰しないと」
「なら、早く食べてベッドにお戻りなさいね。アシュリー・ガーランド、レオンハルト・カッセルズ」
 トゲトゲしい言葉を投げかけたのは、青い軍服の上から白衣を羽織った女性だった。歳は三十代後半ほどだろう。たっぷりとしたウェーブのかかった髪を流している。キリッとした眉とは裏腹に、その瞳は優しく、慈愛に溢れた眼差しだ。そんな彼女は、厨房の入り口で腰に手を当て大変ご立腹の様子で立っている。
「ろ、ロゼ隊長……」
 いたずらが見つかった子供のようにレオンハルトがするすると小さくなっていく。
 彼女はサラサネイア・ロゼ。ジブリール第二分隊の隊長である。
「あんまり病室を抜け出すようなら、スタイナー隊長に言いつけちゃうわよ」
「ロゼさん、それあんまし効果ない脅し文句だぜ?」
「じゃあ痛い薬塗ります」
 さあっとアシュリーとレオンハルトの顔が青くなった。効果はてきめんだったようだ。急いで皿に盛った料理をかき込む。
「……ってこんなこと言ってる場合じゃなかった」
 ロゼは誰かを探しているらしく、厨房の中をきょろきょろと見渡した。
「どうかしましたか?」首を傾げながら、アシュリーが尋ねた。
「ヴィルくん、ここに来てないかしら?」
 病室のどこにもいないのよ、と困ったように肩を竦める。それを聞いて、ジェイクィズは驚きで目を見開いた。
「え、あいつさっきまで寝てたのに!? ……ってシェスカちゃん! 鍋! 火!」
「消しといて!」
 いてもたってもいられず、シェスカは入り口のロゼを押しのけるように厨房から転がり出た。そのままヴィルの病室への道へ向かう。
 目が覚めて嬉しいのと、いないという焦燥感で頭がごちゃごちゃだ。
 そのせいか、前を歩く人物に全く気づかなかった。
「っ、きゃ……!」
「おっと」
 思い切り誰かにぶつかった。
​──転ぶ! そう確信したその時だった。腕を掴まれて、ふわりと身体が浮く。その次の瞬間には何事もなかったように立っている自分と、目の前の人物。
「大丈夫ですか? ちゃんと前を見ないと危ないですよ」
「え、ええ。ごめんなさい。ありがとうございます」
 ジブリールのものではない軍服を着た青年だった。黒く長い髪をゆったりとひとつに纏め、左目には片眼鏡。どこか紳士然としている。
 だが、それとは別に、シェスカは彼に言いようのない不快感というか、一種の気味悪さを感じていた。
「怪我はないですか? 女の子が身体に傷でも残ったら大変です」
 青年は細い瞳をさらに細めて微笑んだ。引かれた手にさらに手のひらを重ねられる。
 何故だろう。彼の笑顔はいたって普通の、当たり障りないものなのに。彼の手は極端に冷たいだとか、熱いだとか、湿っているわけでもないのに。それなのに、首のあたりがピリピリする。自分の中の何かが、彼を拒絶していた。
「大丈夫です。気にしないでください」
 助けてくれた相手に失礼だとは承知しているが、少し乱暴に手を振り払う。早くこの場から離れたい。離れたい離れたい離れたい……! シェスカはもう一度「ありがとうございました」とお礼を言ってから、すぐさま走り出した。
「そうだ、お嬢さん」
 その後ろから呼びかけられる。びくり、と肩が跳ねた気がした。一度止まって振り返る。
「私はゲニウス。貴方のお名前は?」
 青年​──ゲニウスの赤い瞳とかち合った。彼は変わらず微笑んでいる。
「私は…………シェスカ」
「いいお名前ですね、シェスカさん。またぶつからないようにお気をつけて」
 ゲニウスの声を背中に、シェスカは再び走り出す。その後から遅れて、ジェイクィズが彼女を追いかけていく。その様子を、ゲニウスは笑みを崩さずに見送っていた。
「シェスカ……シェスカ……」
 残されたゲニウスは何度も小さくその単語を繰り返す。

「今の『器』はシェスカ​──ねぇ」

 そう呟いて、彼は静かに身を翻し、彼女らと反対方向へと歩き出した。


******

「あっ、ヤバい迷ったかも」
 辺りを見渡して、ヴィルは途方にくれていた。外の空気を吸いに適当にうろついていたら、いつのまにか変な場所に出てしまったらしい。
 建物の境らしいこの場所は、全く人の気配がない。等間隔に並んだアーチ状の柱がいくつも並び、それに囲われるようにたくさんの花たちが咲き乱れている。やけに広いが、中庭のようなもののようだ。
 建物内には慌ただしく駆け回るジブリールの人たちがいたから、おそらくここはジブリールの中なのだろうと結論付けたものの、ジブリールになど入ったことがないヴィルにとっては未知の場所である。
「うーん……オレ、どっちから来たっけ……?」
 似たような風景が広がっているせいで、自分がどこの通路からここに来たのか全くわからない。
「そこの君。迷子かい? ここは関係者以外は立ち入り禁止だよ」
 背後から声を掛けられ、思わず肩がびくりと跳ねる。
「すいません! オレ入っちゃいけないとこって知らなくて……」
 謝罪しながら振り返る。そこには背筋をぴん、と伸ばして毅然と立っている軍人がいた。
 身長は自分とそう変わらないくらいだろうか。しかし、その立ち居振る舞いのせいか、かなり長身に見えた。
 オレンジに近い長い赤毛を高い位置で一つにまとめ、耳には金色のピアスがキラリと揺れてその存在を主張していた。身に纏うブルーグレーを基調とした軍服は、紫の太いラインと、細かな金の刺繍が施されており、胸や襟には数々の勲章やメダルが輝いている。一目で、かなり位の高い人間なのは一目瞭然だった。圧倒的な威圧感のようなものを、ひしひしと感じる。
「仕方ないさ。ここは似たような建物が多くて迷いやすいから」
 軍人はそう青い瞳を細めた。
「病院服を着ている……と、いうことは、君は第二分隊の患者かな。病棟まで案内しよう」
「ありがとうございます。えっと……」
「私の名はオグマだ。さぁ、行こうか少年」
 オグマは言い終わらない内にヴィルに背を向けて歩き出す。置いていかれるとまた迷子になってしまう、と彼の背中を追うことにした。
​──ジブリールの軍服じゃないってことは、この人アメリ軍の人かな?
 揺れるポニーテールを眺めつつぼんやりとそう思った。
「あの、ここってどこなんですか?」
 置いていかれまいと数歩下がって彼について行く。ついでに気になっていたことも聞いてみることにしてみた。
「中庭と隊員たちの修練場だよ。病棟は君が進もうとしていたのと逆方向」
「じゃあやっぱりここってジブリール?」
「君は自分が入院している場所も知らないのかい?」
「気付いたらここにいたんです」
 少しムッとしながら答える。
 このオグマという人間はどうも苦手だ。笑みを浮かべながらも、何を考えているのか、その底が見えない。
 そんなことを考えているヴィルをよそに、オグマはふふふ、と笑う。
「オグマ……さんは、ジブリールの人じゃないですよね。どうしてここに?」
「人探しをしていてね。見ていないかい? 赤毛の、剣を持った魔術師なんだけど」
「​──!」
​──こいつ、シェスカを知ってる!? ヴァラキアとかいう奴らの仲間なのか……!?
 咄嗟に身構える。そんなヴィルを見て、オグマはさらに声を上げて笑った。
「あはは! 済まない冗談さ。私が探しているのは違う人物だ。金髪の黒いローブを着た男だよ。見ていないかい?」
「……見てません」
「そうかい」
 ことごとく相手のペースだ。気に食わない。やはりこの軍人は苦手だ。
 会話はそこで途切れ、不本意ながらもオグマの後ろをついていく。
 ふと、視界の端に見たことのある影が写った。花壇の前にしゃがみ込んで、花をじーっと見ている。蜜のような金髪を耳の下で揃え、黒地に白いフリルをあしらった、背中の空いたポンチョのようなものを着たその影は、確か​──
「セレーネ!」
 弾かれたように彼女はこちらを振り向いた。驚いたのか、それとも別の何かがあるのか、彼女は少し怯えたような瞳をしていた。が、それもすぐに何処かへ引っ込み、怪訝そうに口を開く。
「目が覚めたの」
 疑問系なのか確認してるのかわからない言い回しだな、と彼女の元へ駆け寄りながら苦笑する。
「うん。なんか傷も治ってるし大丈夫。あ、そうだ、きみの名前、セレーネであってた……よね?」
「名前はベルシエル。ベルシエル・セレーネ」
 大きな瞳をぱちぱちとさせて、ベルシエルは答えた。
「そっか。オレはヴィル。よろしくな、ベルシエ……」
 ル、と続けようとしたが、ものすごい形相で睨まれた。先日のアリスに対する彼女を思い出す。ぽやっとしているところからの落差が怖い。
「勝手に呼ばないで」
 ベルシエルは短く拒絶した。名前が嫌いなのだろうか。それともなにか事情があるのだろうか。とりあえずごめん、と謝っておこう。
「少年、君は彼女と知り合いなのかい?」
 遅れてやってきたオグマが、ヴィルに尋ねた。
「えっと……知り合いではあるけどほとんど初対面っていうか……」
「セレーネ殿、兄上殿の居所を知っているかな?」
 オレの話を聞く気がないなら最初から訊くなよ。
 ベルシエルはオグマから一定の距離を保ちたいようで、オグマが一歩踏み出すたび、一歩後ろに後ずさっていた。
「知らない。」
 その声にもはっきりとした拒絶が見える。そんな彼女の様子を意にも介さず、オグマは笑みを返すと、
「なら仕方ないね。出直すとしよう。少年も知り合いと会えたようだし、私はここで消えるよ」
 そう残して、つかつかと踵を鳴らして去っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...