Piece of arcadia

上原久介

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chapter.4

ジブリール局長

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 連れて来られたのは、ジブリールでも一際大きな建物だった。装飾の少ない他の建物とは違い、ここは豪華な飾りや彫刻があちこちに置かれている。貴族の豪邸、というものはきっとこういうものを指すのだろう、とヴィルはなんとなく思っていた。
 歩いている最中、ベルシエルに振られて、シェスカにも振られて、自業自得の末、暇を持て余したジェイクィズ曰く、ここがジブリールの本部で、同時に局長の邸宅でもあるのだそうだ。先程ヴィルが迷い込んだのは、各分隊の詰所の、ちょうど真ん中あたりにある庭園で、地下に各隊員が訓練をする修練場があり、寝ていた部屋はジブリールの入り口にあたる総合詰所(ここは一般の人間が入ってもいい場所らしい)にあったらしい。
「ところで隊長殿。お偉いさんに会うのにコイツのこの格好どーなん」
 ジェイクィズがヴィルの襟をちょいちょい、と引っ張る。
「このままだと失礼かもしれないわね」
 確かに、とシェスカは顎に手を当てた。
 そのまま連れて来られたせいで、ヴィルは病院服を着たままである。特に気にしていなかったが、確かにまずいような気がしないでもない。
「気にするような人か、アレが」
「だよなぁ」
 しかしサキはさらに気にしていないようだった。おまけに自分の上司をアレ呼ばわりである。いいのかそれで。そしてそれに同意するジェイクィズもどうなんだ。この組織大丈夫なのか。
 彼は振り返りもせずにそのまますたすたと階段を登っていく。四階まで登ると、右手へ曲がり、突き当たりの部屋へと向かって、止まる。ここが局長の自室のようだ。
「局長。サキです。二人を連れてきました」
 コンコンコン、と三回ノックした後、サキ・スタイナーは扉に向かってそう言った。
 扉に掛けられたプレートには局長室と書かれており、扉の周辺にはフラスコによく似た縦長いガラス容器の中に、見たこともない薬草の類いや、ギョロギョロと大きなまん丸い目を光らせるカエルによく似ている謎の生物などが入っている。
 赤を基調とする壁紙も、他のところと違いこの部屋周辺だけが変色しているのか、黒っぽい紫色をしている。異臭でもしてきそうな勢いだ。どことなく師匠・ヘカテの部屋を思い出す。
 ちらりと横目で周りを見ると、シェスカだけが青い顔をしていた。「こ、こんなとこにいるの……」と、絶句している。サキやジェイクィズ、ベルシエルは何食わぬ顔で扉の向こうからの返事を待っていた。
 確かに慣れてなければ衝撃の光景だよなぁ。うんうん、とヴィルは頷いた。
「はーい、どーぞー」
 扉の向こうから若い男の声が返ってきた。高くもなく、低くもないがよく通る声だった。
「失礼します」
 返事が来てすぐ、サキはギィ、と重たい扉を開けた。開ける視界。ろうそくで照らされた部屋は薄暗い。
 正面にはカーテンの閉まった大きな窓と、本と書類が山積みにされたデスク。本棚にぎっちりと詰まった本に、豪奢な部屋にミスマッチすぎる壁から掛けられている実験器具と思わしき道具。
 デスクの書類は床にも散らばっており、来客用のソファやローテブルの上にまで乗せられていた。
「ごめんねー。すぐ片付けるからもう少し待ってね」
 ばさばさとソファに乗った本を散らしながら、黒いローブを着た男が言う。先程の声の主は彼のようだ。
 ベルシエルが誰よりも先に部屋へと踏み出した。そのままカツカツと窓まで向かうと、無言でそれを開け放つ。澱んでいた空気は新しい清々しい空気におし流されるように部屋を通り抜けていく。窓から差す日の眩しさに思わず目を細めた。
「兄様くさい」
「ははは、おれが臭いみたいな言い方はよしてくれよ」
 ひどいなぁ、と兄様と呼ばれた男は笑う。濃い金色をした髪。細められる赤い瞳。その顔立ちはベルシエルにとてもよく似ていた。なるほど兄妹なのか、と納得するほど、ベルシエルと彼はそっくりだ。もっとも、よく笑うところはあまり似ていないが。
「君がヴィルくんに、シェスカさんだね?」
 彼はヴィルたちを指しながら、確認するように尋ねた。
「ヘカテから少し話は聞いてるよ。さ、座って座って」
「えっ」
 思いがけない名前を聞いて、思わずぽかん、と固まってしまう。
「局長さんは、ヘカテ師匠と知り合いなんですか……?」
「知り合いもなにも、古い友人だよ。少なくともおれはそう思ってる」
 苦笑気味に彼は笑った。
「はじめまして。ヘカテの弟子のヴィルくん。おれの名はルシフェル・セラーフ。このジブリールの局長さ」
 開け放たれた窓から風が吹いてくる。黒いローブがふわり、とはためいた。
「じゃあ、師匠が言ってたアメリの……」
「ルシフェルって……」
「「この人!?」」
 ヴィルとシェスカの驚く声が綺麗に重なる。それがさぞ愉快だったのか、ルシフェルはさらに笑みを深くした。
「はーい、ぴんぽーん! その通り!」
 どこから出したのか紙吹雪まで出してくる。よく見たらビリビリに破いた書類だったことはとりあえず黙っておこう。
「何よ……目的地ここだったの……めちゃくちゃ警戒して損したじゃない……」
 シェスカはどっと疲れが出た気がして、軽くこめかみを抑えた。そんな様子に苦笑する。
「? 何だ、シェスカちゃんたち局長に会いに来たワケ? なら最初から言ってくれたらもっと早く連れて来たのに」
「……あんたがもっと胡散臭くなかったら言ってたかもね」
 よほど疲れているらしい。ジェイクィズが抱きついてもスルーしている。
「ままま、立ち話もアレだし座って座って。トールく~んお茶ぁ~!」
 ルシフェルが部屋の奥へそう声を投げかけると、
「私は家政婦ではないのですが」
 と、本棚の隙間からひょっこりと男性が顔をのぞかせた。本棚で見えないが、どうやら奥にも部屋があるようだ。
 トールと呼ばれた男性は、ルシフェルと同じ黒い色をした軍服を身にまとっていた。デザインはサキや他の隊員と同じものだ。黒いうねった髪に、こけた頬。目の下には濃いクマができている。一目見ただけでもう寝てくれと言いたくなるような容姿である。
「つれないこと言わないの~! さっさとお客にお茶出す!」
「いいサボりの口実見つけやがって」
「何か言った?」
「いいえ何も」
 トールがしれっとした顔で奥へ引っ込むと、ルシフェルはこほん、と咳払いして、
「ささ、座って!」
 と、苦笑いを浮かべながら、再び席へと促したのだった。


******

「さて、何から話そうか?」
 ヴィルとシェスカが来客用のソファへ座ったのを確認すると、ルシフェルは自分の椅子に腰掛けてそう切り出す。
「局長、私達は一度席を外します。部屋の外におりますので、話が終わり次第お声掛け下さい」
 これ以上この場にいるべきではないと察したのだろうか、サキは居座ろうとするジェイクィズの首根っこを掴み、ベルシエルを促しながら部屋を出て行こうとした。が、
「っと待った」
 というルシフェルの声に足を止めた。
「サキくんもジェイクィズくんもここに残ってね」
「何故です?」
「君たちに関係のある話だからさ」
 サキはまだ納得のいっていない様子だったが、彼の上司はただ笑みを浮かべるだけで、今はそれ以上答えるつもりはない、と言外に示しているようだった。
 根負けしたようにサキは軽く息を吐くと、ジェイクィズから手を離してそのまま扉の横の壁へともたれかかった。それに倣うようにベルシエルもサキの隣に並ぶ。解放されたジェイクィズはというと、嬉々としてシェスカの座るソファへやってきて、その背もたれに腕を置いた。
「話の腰を折ってすまないね。……質問がないと話しづらいな。何から聞きたい?」
 ルシフェルは居住まいを正すと、ヴィルたちの方へ視線を戻す。シェスカは軽く頷いてから、まっすぐ彼を見据えて唇を開いた。
「『器』と『鍵』について。ヴィルのお師匠さまがあなたのほうが詳しいって」
「オーケー。ヘカテからは特に何も聞いていないんだね」
「はい。……えっと、『器』の中身はこの世の理を覆すもので、『鍵』は形あるものですらどうかわからない……ってことくらいしか」
 と、今度はヴィルが答えた。ルシフェルはなるほどね、と呟くと、座ったままぐっと伸びをする。
「んー、じゃあ軽くお勉強からいこう。君たちはこの世界以外にもうひとつ、別の世界があることを知っているかい?」
「この世界以外……? いや、世界は世界だろ?」
 いきなり突拍子もない話が来るとは思っていなかったので、かなり困惑した。この世界以外という単語にいまいちピンとこないのだ。
 何せ生まれてから今まで、自分が生きてきたのは紛れもなくこの世界ひとつだけだ。この生きている場所、大地、それがそのまま世界という定義であると認識している。
 それはシェスカも同じようで、ヴィルと同じくルシフェルの言葉をどう解釈するべきなのか戸惑っているようだった。
 しかしルシフェルはそんな二人を気にせずどんどん話を進めていく。
「もうひとつの世界では、この世界はアルダと呼ばれてる。
 昔々、その世界はこのアルダと元は一つの世界だった。しかし神によって分けられてしまったのさ」
「あの……宗教的な話なら今は……」
 まるで教会の説法だ。ヴィルがそう感じた頃、困ったようにシェスカが口を挟んだ。けれど彼は気にも留めない。
「そうして生まれた世界の名前は『サン=ドゥア』。そこに住まう者たちは、その昔悪さをしたから、神によってそこに隔離されたわけ。
 けど、それを良しとしなかった彼らは悪魔を従え、邪悪な魔なるものとしてこのアルダへと侵攻しようとしている」
 ルシフェルはそこでようやく言葉を止めると、ゆっくりとした所作でシェスカを指差した。
「その侵攻の『鍵』になるのが、その『器』の中に入っているモノだよ」
 その声は静かな部屋に、重く響く。
「待って……。待ってください……! いきなり世界がどうとか、話が広がりすぎでしょう?」
 そう返すシェスカは、どういう反応をしたらいいのかわからない、というような表情をしていた。膝の上で握られた拳は、微かにだけれど震えている。
「それにおかしいじゃない。そんなものが人間の身体に入ってるなんて……!」
「そうだね。普通じゃない。おれが嘘を吐いていると思うならそれも結構。けど、君はきっと、自分が普通じゃないってわかっているんじゃないかな?」
「そ、それは……!」
 シェスカはぎゅ、と強く拳を握りしめた。無意識か、それとも震えを隠そうとしたのか、ヴィルにはわからなかった。
「あの、さっき言ってた悪魔ってなんなんだ?」
 俯くシェスカの代わりに、気になっていた質問を投げかける。
「簡単に言うなら、さっきまでは死んでいたはずの魔物が急に蘇る。動かない木が動き出す。その原因が『悪魔』だ」
 それまでずっと黙っていたサキが答えた。
「悪魔は視覚的に捉えることはできない。実体がないからな。だが、何かに憑依することによって力を発揮する。それこそがあの蘇る魔物だ」
 と、いうことは、シェスカと出会った時に遭遇したデカいカエルや、ジブリールを襲っていた木々は悪魔に憑依されていたということになるのだろう。
「そして、それを従え操るのが魔族と呼ばれる種族さ。報告書にあったヴァラキアやアリスティドたちはいわゆる魔族だね。
 ……それにしてもなんだいこれ? 簡潔なのはいいけど、魔族の女の子が可愛かったとか報告書に書いちゃダメだよ」
 そう付け加えながら、ルシフェルは眺めていた紙束をぽいっとその辺に放り投げる。「ちょっ、オレの報告書の扱い!」と、不服そうにジェイクィズが声を上げた。
「でも、どうしてシェスカを狙うんだろう? そんな悪魔なんて力があるなら、それを使って侵略しちゃえばばいいのに」
 率直な感想を言うとこれだ。そんな大きな力があるなら、シェスカに入っているとかいう特別なモノを使う必要なんてない。
「そりゃあアレだ。シェスカちゃんが可愛いから」
「ジェイクィズは黙ってて」
 茶化すジェイクィズを、顔を上げたシェスカが睨みつけた。窘められた彼は大袈裟にしながらしょんぼり煙草を咥えたが、「ここは禁煙だよ」とルシフェルにトドメを刺され、さらにがっくりと肩を落としていた。
 そんなジェイクィズを無視して、サキが口を開く。
「悪魔と魔族の関係は完全な協力関係じゃない。互いに互いを利用しているんだ。
 悪魔はヒトの負の感情によって力を増大させ、より大きな存在になろうとしている。本来魔族が従えられるモノじゃない」
 うんうん、とそれにルシフェルは満足気に頷いた。
「サキくんの言う通り。悪魔の使い方を誤ると、彼ら自身自滅してしまう。だから侵略なんて大々的な行為に悪魔を使えない。自らが飲まれて化け物になってオシマイってこと。
 だからそれに代わる力が欲しいんだよ」
 彼はここで一度区切ると、「何か質問はあるかい?」と問いかけた。
「さっきからはぐらかしてるけど、その力って一体なんなんだよ?」
 そう、さっきからアレだのソレだの、誰も明確にその『力』を呼んでいないのだ。まるで隠し事をされているようで、あまりいい気分がしない。それはシェスカも同じらしく、ヴィルの言葉に小さく頷いている。
 ルシフェルはそんな二人の様子を見て、勿体振るようににっこりと微笑んでから話を切り出した。

「『賢者の石』って、知ってるかい?」

 と。
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