お題：一万字で、薬草を手に入れること。

第５話

「はい、ストップです。ゼルちゃん、このろくでなしにはちゃんと仕事があります」

「え～～」

何故か、残念そうな声を出すゼルダ。おまえ、あとで覚えていろよ。

「で、新人アルケミストおじょうちゃん。俺の仕事は？」

「むぅー、お嬢ちゃんじゃ、ありません！　ノイエンスです！　何度言ったらわかるんですかっ？　まごうことなきろくでなしです」

ノイエンスとは、ちょっとしたことがあり、ろくでなし呼ばわりされている。

「いやあー、どう見てもお嬢ちゃんだろ」

手の届く範囲にいたので頭の上に手を置きポンポンと軽く叩く。

「ほやあぁぁ……」

なんだか、だらしなくニヤニヤした顔で惚けている。ゼルダが横から頬をツンツンと突いているが反応はない。

「っ？！　ろくでなしの仕事はアレもっと、わたしのあたまをなでなでポンポンですっ」

頭を差し出して、何を言っているのかわからない。取り敢えず、なでなでポンポンはすぐに実行できるので、やっておく。

「ふぇっふぇっふぇっ……よきかなよきかなですぅ」

ご満悦なミニマムレディの頭をさらに可愛がる。身長は俺の半分くらい、年齢は半分未満。甥っ子、姪っ子の面倒を見ている気分になる。