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第14話(強引に単語を出す)
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征士郎が、本を閉じて視線をあげると、向かいの席に人が座っていた。
「ギルマスと、誰だ?」
席には、二人いた。一人はさっきも話したギルマス、もう一人は見覚えがないようで征士郎は問う。
「……」
征士郎が問いかけるも、その人物からは返答がない。だが、視線は征士郎の膝あたりに固定されている。
それに気づいた征士郎は、自分膝に視線を落とす。そこには、ノイエンスがいた。征士郎の太腿を枕にするようにしがみつき、ヨダレを垂らしながら熟睡モードになっていた。
「すうぅ、すうぅ……んんっ、むにゃ……」
征士郎は、ノイエンスの呼吸に合わせて、髪を梳くように頭を撫でる。征士郎の顔に、呆れたとも、慈しむとも、取れるような笑みが浮かぶ。
「で、お前さんは、誰だ?」
征士郎は視線を投げかけ、再び問いかける。
「ほぉぇぇぇ、想像以上のお父さんですぅぅ~」
しかし、問われた人物は、感嘆の声というか、よくわからない感想を述べて、ほっこりしている。
「ギルマス?」
征士郎は、鉾先を替えて、話の通じそうな人間に問うた。
「ふむ、それがな。薬草の開花が確認された」
「薬草がっ?!」
「ふにっ?!」
征士郎は、ギルマスの報告に驚き、その体が大きく動いた。そして、その衝撃を膝から直に受けたノイエンスが奇妙な悲鳴をあげる。
「ギルマスと、誰だ?」
席には、二人いた。一人はさっきも話したギルマス、もう一人は見覚えがないようで征士郎は問う。
「……」
征士郎が問いかけるも、その人物からは返答がない。だが、視線は征士郎の膝あたりに固定されている。
それに気づいた征士郎は、自分膝に視線を落とす。そこには、ノイエンスがいた。征士郎の太腿を枕にするようにしがみつき、ヨダレを垂らしながら熟睡モードになっていた。
「すうぅ、すうぅ……んんっ、むにゃ……」
征士郎は、ノイエンスの呼吸に合わせて、髪を梳くように頭を撫でる。征士郎の顔に、呆れたとも、慈しむとも、取れるような笑みが浮かぶ。
「で、お前さんは、誰だ?」
征士郎は視線を投げかけ、再び問いかける。
「ほぉぇぇぇ、想像以上のお父さんですぅぅ~」
しかし、問われた人物は、感嘆の声というか、よくわからない感想を述べて、ほっこりしている。
「ギルマス?」
征士郎は、鉾先を替えて、話の通じそうな人間に問うた。
「ふむ、それがな。薬草の開花が確認された」
「薬草がっ?!」
「ふにっ?!」
征士郎は、ギルマスの報告に驚き、その体が大きく動いた。そして、その衝撃を膝から直に受けたノイエンスが奇妙な悲鳴をあげる。
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