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突然のことに私は一瞬固まってしまった。
「この状況は…」
ウィリアムの顔を見ると眠っている。
彼は寝ぼけてこのような行動をとったようだ。
私は起こさないように身動きし解放されようと試みるが力が強く抜け出せそうになかった。
起こそうかしら?
このまま寝る訳にもいかないので声をかけようかと迷うがあまりに気持ちよさそうな寝顔に起こすのが可哀想になる。
まぁ仮にも夫婦なのだし問題ないかな。
そのうち力が緩んだ時にでも抜け出そうと思っていたが、彼の心地よい温もりにいつの間にか寝落ちしてしまった。
◆
「ん…」
耳元で聞こえる吐息に私は目を覚ました。
仕事で疲れていたが久しぶりにぐっすりと寝る事が出来たが少し体が痛い。
まだ少し寝ぼけた頭でボーッと考えながら目を開くと目の前にプルメリアが寝ていた。
ユウリを挟み一緒に寝てはいたが今日は近く肌が触れ合った状態で寝てしまったらしい。
驚いて起き上がろうとすると寝ている場所がソファーだと気が付き身動きが取れなくなる。
私が動いた事でプルメリアも目が覚めたのか腕の中でモゾモゾと動き出した。
私の胸元に顔を近づけ擦り寄ってくる。
プルメリアとはユウリを作る時に数回寝た時以外はほとんど一緒に寝ておらず、こうして肌を合わせるのも久しぶりだった。
初めての時も事務仕事のようにこなし終われば部屋を出ていってしまっていた。
今思うとプルメリアに対して酷い態度を取っていたのだろうと思う。
謝罪の意味も込めてプルメリアの髪をそっと梳かすと気持ちよさそうな表情になった。
「ん?」
すると何故か胸の奥が少し苦しい、なんともいえない気持ちが沸き上がり落ち着かない。
首を傾げているとプルメリアが目を覚ました。
「あっ…おはようございます」
プルメリアは自分の状況に気まずそうな顔をする。
「退きますね」
体を起こして身だしなみを整え少し離れた場所から声をかけてきた。
「昨日ソファーで寝てしまって、気持ちよさそうだったので起こせませんでした…寝かせようと位置を変えたら、そのあなたが寝ぼけて抱きしめてきて」
「それは、すまない」
恥ずかしそうに言い訳をするプルメリアに私のせいだったのかと申し訳なくなる。
「大丈夫です、それよりソファーで寝て体を痛くしていませんか?」
少し心配した顔で聞いてきた。
「このくらい大丈夫だ、それよりも君は大丈夫か?」
「はい、そうしっかり支えられていたようなので」
プルメリアはそう言うと頬を少し赤くした。
「おかーさま?」
ちょうどユウリも起きたらしく私達の様子に戸惑った様子で声をかけてきた。
「ユウリ、おはよう!」
プルメリアは一気に母親の顔になるとユウリに近づき声をかけ、恭しく世話を焼いている。
「羨ましいな」
「何かいいました?」
プルメリアがよく聞こえなかったと声をかけてきた。
「なんでもない」
私は口を押さえた。
あんなこと言うつもりでは無かったのに思わず、といった感じで漏れてしまった。
私はユウリが羨ましいのか…
思わず漏れ出た感情に自分の本心を知ってしまった。
「この状況は…」
ウィリアムの顔を見ると眠っている。
彼は寝ぼけてこのような行動をとったようだ。
私は起こさないように身動きし解放されようと試みるが力が強く抜け出せそうになかった。
起こそうかしら?
このまま寝る訳にもいかないので声をかけようかと迷うがあまりに気持ちよさそうな寝顔に起こすのが可哀想になる。
まぁ仮にも夫婦なのだし問題ないかな。
そのうち力が緩んだ時にでも抜け出そうと思っていたが、彼の心地よい温もりにいつの間にか寝落ちしてしまった。
◆
「ん…」
耳元で聞こえる吐息に私は目を覚ました。
仕事で疲れていたが久しぶりにぐっすりと寝る事が出来たが少し体が痛い。
まだ少し寝ぼけた頭でボーッと考えながら目を開くと目の前にプルメリアが寝ていた。
ユウリを挟み一緒に寝てはいたが今日は近く肌が触れ合った状態で寝てしまったらしい。
驚いて起き上がろうとすると寝ている場所がソファーだと気が付き身動きが取れなくなる。
私が動いた事でプルメリアも目が覚めたのか腕の中でモゾモゾと動き出した。
私の胸元に顔を近づけ擦り寄ってくる。
プルメリアとはユウリを作る時に数回寝た時以外はほとんど一緒に寝ておらず、こうして肌を合わせるのも久しぶりだった。
初めての時も事務仕事のようにこなし終われば部屋を出ていってしまっていた。
今思うとプルメリアに対して酷い態度を取っていたのだろうと思う。
謝罪の意味も込めてプルメリアの髪をそっと梳かすと気持ちよさそうな表情になった。
「ん?」
すると何故か胸の奥が少し苦しい、なんともいえない気持ちが沸き上がり落ち着かない。
首を傾げているとプルメリアが目を覚ました。
「あっ…おはようございます」
プルメリアは自分の状況に気まずそうな顔をする。
「退きますね」
体を起こして身だしなみを整え少し離れた場所から声をかけてきた。
「昨日ソファーで寝てしまって、気持ちよさそうだったので起こせませんでした…寝かせようと位置を変えたら、そのあなたが寝ぼけて抱きしめてきて」
「それは、すまない」
恥ずかしそうに言い訳をするプルメリアに私のせいだったのかと申し訳なくなる。
「大丈夫です、それよりソファーで寝て体を痛くしていませんか?」
少し心配した顔で聞いてきた。
「このくらい大丈夫だ、それよりも君は大丈夫か?」
「はい、そうしっかり支えられていたようなので」
プルメリアはそう言うと頬を少し赤くした。
「おかーさま?」
ちょうどユウリも起きたらしく私達の様子に戸惑った様子で声をかけてきた。
「ユウリ、おはよう!」
プルメリアは一気に母親の顔になるとユウリに近づき声をかけ、恭しく世話を焼いている。
「羨ましいな」
「何かいいました?」
プルメリアがよく聞こえなかったと声をかけてきた。
「なんでもない」
私は口を押さえた。
あんなこと言うつもりでは無かったのに思わず、といった感じで漏れてしまった。
私はユウリが羨ましいのか…
思わず漏れ出た感情に自分の本心を知ってしまった。
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