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「では早速私に出来ることがあるならおっしゃって下さい。なんでもお手伝い致します」
「ありがとう」
やる気を出すロレッタにフレッドは思わず笑った。
「な、なんで笑ったのですか…」
ロレッタは自分が出過ぎたことを言ったのかと恥ずかしさに顔を隠して頬をそめる。
「いや、さっきまで泣いていたのが嘘のようだと…でも笑っている方が可愛いよ」
「も、もう!からかわないで下さい」
ロレッタはいたたまれなくなって後ろを向いた。
「ごめんごめん」
フレッドは笑いながら謝ってロレッタを後ろから抱きしめる。
ロレッタは一瞬緊張して体が固まるが、恐る恐るフレッドの腕に自分の手を置き、フレッドの腕にそっと身を寄せる。
「ロレッタ…」
するとフレッドはさらに強くロレッタを抱きしめた。
自分のした行為がフレッドを喜ばせたのだとロレッタは力を抜いてフレッドに身を預けた。
「ロレッタ、そのままでいいから聞いてくれ」
フレッドからの真剣な声にロレッタは「はい」と返事を返す。
「この国にコスリガ国から逃げてきた民達を受け入れるのはいいが罪を犯した者は受け入れられない…それはわかってくれるか?」
ロレッタはフレッドの顔を見てこくっと頷いた。
「それはコスリガ国を破滅に導いた王族にも言える」
「そう…ですね」
ロレッタは悲しそうだが納得しているようだ。
「私も王子としてそんなことにならないように心がけているが…もしそうなったら責任をとる覚悟はある」
「はい、フレッド様にそんなことはないと思いますがその時はご一緒にいさせて下さい」
ロレッタは後ろを振り返り微笑んだ。
その顔には覚悟が見えた。
「ありがとう、君の命もかかっていると思うと…ますます無茶は出来なくなるな…」
フレッドは苦笑する。
ロレッタはフレッドの顔をじっと見つめていた。
「こんな話をするのは…もしかしてコスリガ国の王族の誰かがこの国にやってきたのでしょうか?」
ロレッタは恐る恐る聞いてきた。
フレッドは一瞬なんと言おうかと迷ってしまった…するとロレッタにはそれが答えなのだとわかった。
「誰…でしょうか?お父様?お母様?それとも…国王ですか?」
フレッドは首を振る。
「彼らの確かな情報はまだ入ってきていないが、こっちには来てないようだ…」
「そうですか…では、誰が…まさか!」
ロレッタは目を見開きフレッドを見つめる。
その表情から何かを察したのだとわかった。
「君の妹と、その婚約者だ」
「そうですか…ジョージ様とレミリアが…」
「彼らはコスリガ国に送還する予定でいる」
「わかりました。仕方ない…ですね」
ロレッタはそうは言いながらも悲しそうに目を伏せた。
「彼らはコスリガ国の崩壊に深く関わっている…それでなくても君と言う婚約者を人質のように送り込んできた。この国に取って歓迎すべき人達ではない、彼らが来れば何より君が悲しむと思っている」
「まさか…私の為に?」
「それもあるが…彼らと話して確信した。彼らは王族として相応しくない、それどころか国を腐敗する恐れがある」
「あの二人はそこまで…」
「それで彼らが君に会いたいと言っている」
「私に!?」
ロレッタは驚き少し大きな声を出した。
「す、すみません…驚いたもので、今まで会いたいと言われて会って、いい思い出がありませんので…」
ロレッタは不安そうにしていると、また体が震えてきた。
「ありがとう」
やる気を出すロレッタにフレッドは思わず笑った。
「な、なんで笑ったのですか…」
ロレッタは自分が出過ぎたことを言ったのかと恥ずかしさに顔を隠して頬をそめる。
「いや、さっきまで泣いていたのが嘘のようだと…でも笑っている方が可愛いよ」
「も、もう!からかわないで下さい」
ロレッタはいたたまれなくなって後ろを向いた。
「ごめんごめん」
フレッドは笑いながら謝ってロレッタを後ろから抱きしめる。
ロレッタは一瞬緊張して体が固まるが、恐る恐るフレッドの腕に自分の手を置き、フレッドの腕にそっと身を寄せる。
「ロレッタ…」
するとフレッドはさらに強くロレッタを抱きしめた。
自分のした行為がフレッドを喜ばせたのだとロレッタは力を抜いてフレッドに身を預けた。
「ロレッタ、そのままでいいから聞いてくれ」
フレッドからの真剣な声にロレッタは「はい」と返事を返す。
「この国にコスリガ国から逃げてきた民達を受け入れるのはいいが罪を犯した者は受け入れられない…それはわかってくれるか?」
ロレッタはフレッドの顔を見てこくっと頷いた。
「それはコスリガ国を破滅に導いた王族にも言える」
「そう…ですね」
ロレッタは悲しそうだが納得しているようだ。
「私も王子としてそんなことにならないように心がけているが…もしそうなったら責任をとる覚悟はある」
「はい、フレッド様にそんなことはないと思いますがその時はご一緒にいさせて下さい」
ロレッタは後ろを振り返り微笑んだ。
その顔には覚悟が見えた。
「ありがとう、君の命もかかっていると思うと…ますます無茶は出来なくなるな…」
フレッドは苦笑する。
ロレッタはフレッドの顔をじっと見つめていた。
「こんな話をするのは…もしかしてコスリガ国の王族の誰かがこの国にやってきたのでしょうか?」
ロレッタは恐る恐る聞いてきた。
フレッドは一瞬なんと言おうかと迷ってしまった…するとロレッタにはそれが答えなのだとわかった。
「誰…でしょうか?お父様?お母様?それとも…国王ですか?」
フレッドは首を振る。
「彼らの確かな情報はまだ入ってきていないが、こっちには来てないようだ…」
「そうですか…では、誰が…まさか!」
ロレッタは目を見開きフレッドを見つめる。
その表情から何かを察したのだとわかった。
「君の妹と、その婚約者だ」
「そうですか…ジョージ様とレミリアが…」
「彼らはコスリガ国に送還する予定でいる」
「わかりました。仕方ない…ですね」
ロレッタはそうは言いながらも悲しそうに目を伏せた。
「彼らはコスリガ国の崩壊に深く関わっている…それでなくても君と言う婚約者を人質のように送り込んできた。この国に取って歓迎すべき人達ではない、彼らが来れば何より君が悲しむと思っている」
「まさか…私の為に?」
「それもあるが…彼らと話して確信した。彼らは王族として相応しくない、それどころか国を腐敗する恐れがある」
「あの二人はそこまで…」
「それで彼らが君に会いたいと言っている」
「私に!?」
ロレッタは驚き少し大きな声を出した。
「す、すみません…驚いたもので、今まで会いたいと言われて会って、いい思い出がありませんので…」
ロレッタは不安そうにしていると、また体が震えてきた。
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