5 / 5
5.ヤキモチ
「この間はすみませんでした⋯⋯ご挨拶も出来ずに」
お姉様が王子に謝ると王子はキラキラの笑顔を返す。
「気にするな。それに良かった事もある妹が倒れたと聞いて慌てる君が本当の姿なんだとわかったからな」
「「うっ」」
王子の歯の浮くようなセリフに胸焼けがすると隣から同じような声がする。
見ればジェイド様も気持ち悪そうにしていた。
そんな王子の言葉にお姉様は恥ずかしそうに微笑み返す。
まぁ見る人が見れば無表情に見えるかもしれないが⋯⋯まだまだ顔が固いようだ。
「あれは私のせいです!お姉様本当にごめんなさい」
何も答えないお姉様に代わり会話が続くようにと声をかけた。
「いいのよ、でもジェイド様が妹を見つけてくださって良かった。本当にありがとうございます」
「ジェイドは本当になんでもできて気が利くんだ。私が一番信頼してる男だよ」
王子はジェイド様にも笑顔を向ける。
「ありがとうございます⋯⋯」
ジェイド様は迷惑そうにでも嬉しそうに頭を下げた。
「今日はここでお茶をしながら話そう」
通された部屋は日当たりがよく外に出れる作りになっていて庭園と繋がっていた。
席へと通されると私はお姉様の横の長椅子へと腰掛ける。
「お姉様、アレを出さないと⋯⋯」
侍女達がお茶を用意する中私お姉様に耳打ちする。
「そうね、アンナお菓子を出して」
お姉様が侍女に声をかけると私達が作ったクッキーを持ってきてくれた。
「ありがとう、なんだろ?クッキーか、美味しそうだ」
「お姉様が作ったんですよ!」
お姉様が何も言わずに渡すので慌てた付け足す。
「え?ガーネットが作ったのかい?」
お姉様はコクッと頷いた。
「ありがとう!早速頂こう」
王子様が食べようとすると従者がそれを止めた。
「王子、毒味を致しませんと⋯⋯」
申し訳なさそうにガーネットお姉様の顔を見る。
「もちろんです」
しかしお姉様はそれが当たり前だと頷いた。
「いや、ガーネットなら大丈夫だ」
「しかし⋯⋯」
王子様は食べようとするが従者としては止めなければならないのだろう。
「なら私が!」
私は揉める二人の間に手を伸ばしてクッキーを一つ掴むと口に放り込んだ。
「んー!美味し~お姉様のクッキーは最高です!」
美味しさに頬っぺをさすった。
「これで大丈夫だな」
王子が従者に笑いかけると従者はすごすごと後ろに下がった。
「すまないね、みんな仕事をしてるだけだから」
「はい、一国の王子となれば当然です」
お姉様がわかってると頷くと王子は嬉しそうに微笑みクッキーを手に取った。
そして一口食べると驚いた顔をする。
「美味しい!」
その言葉にお姉様はホッとして笑顔を見せた。
「おっ今ガーネットは笑ったのか?」
よく見せてくれと王子がお姉様の顔を覗き込む。
「お、おやめ下さい」
お姉様は顔を赤くして隠してしまった。
「そうか、可愛らしかったのになぁ」
王子は残念そうに席に腰掛ける。
そんなイチャイチャした様子を私は唖然と見ていた。
な、なんだこの幸せな空間は!
お姉様が喜んでる!それに王子はちゃんとお姉様を好いているように見える。
なんか一気に自分が邪魔な存在に思えた。
「ジェイドも食べてみろよ」
王子がお姉様のクッキーをジェイド様に渡そうとすると⋯⋯
「「あっ」」
お姉様と私が同時に声を出した。
その反応にジェイド様はなにかに気がついた。
「王子、それは婚約者のガーネット様があなたに作った物だ。他の男にやるのはまずいんじゃないか?」
そう言われて王子はガーネットお姉様とクッキーを見つめる。
「確かに他の男に食わせるのはなんか面白くないな。これは全部私が食べよう」
「そ、そんなことをしなくてもまたいつでも作りますから」
「本当か!ならそれは全部私のだな」
「違います!私の分もあります!」
お姉様のクッキーが全部王子のと聞いて思わず声を出した!
「ん?アリアネルもガーネットのクッキーが欲しいのか?」
「お姉様が私に焼いてくれるクッキーは私の物です!お姉様の愛情が一番こもったクッキーは私のです!」
これはまだ譲れない!いくら王子でも!
私は王子を睨みつけた。
「ふふ、わかったわかった。今はまだアリアネルにガーネットのクッキーをやろう」
王子は子供をあやす様に笑いながら答えた。
くー!
なんか悔しい、お姉様が王子と両思いになればと思ったけど⋯⋯こんなに早く仲良くなるとは!
お姉様の感じから全然王子の気持ちがないのかと思っていたがそんなことなかった!
私は肩透かしを食らって落ち込んでいた。
「アリア、あなたも渡すんでしょ?」
お姉様がそんな私に優しく声をかける。
そうだった、私もジェイド様にクッキーを渡そうと思っていたのだ。
「えっと⋯⋯お姉様には全然及びませんが教えてもらい作りました。この間のお礼に⋯⋯」
私はジェイド様にクッキーを渡した。
お姉様が王子に謝ると王子はキラキラの笑顔を返す。
「気にするな。それに良かった事もある妹が倒れたと聞いて慌てる君が本当の姿なんだとわかったからな」
「「うっ」」
王子の歯の浮くようなセリフに胸焼けがすると隣から同じような声がする。
見ればジェイド様も気持ち悪そうにしていた。
そんな王子の言葉にお姉様は恥ずかしそうに微笑み返す。
まぁ見る人が見れば無表情に見えるかもしれないが⋯⋯まだまだ顔が固いようだ。
「あれは私のせいです!お姉様本当にごめんなさい」
何も答えないお姉様に代わり会話が続くようにと声をかけた。
「いいのよ、でもジェイド様が妹を見つけてくださって良かった。本当にありがとうございます」
「ジェイドは本当になんでもできて気が利くんだ。私が一番信頼してる男だよ」
王子はジェイド様にも笑顔を向ける。
「ありがとうございます⋯⋯」
ジェイド様は迷惑そうにでも嬉しそうに頭を下げた。
「今日はここでお茶をしながら話そう」
通された部屋は日当たりがよく外に出れる作りになっていて庭園と繋がっていた。
席へと通されると私はお姉様の横の長椅子へと腰掛ける。
「お姉様、アレを出さないと⋯⋯」
侍女達がお茶を用意する中私お姉様に耳打ちする。
「そうね、アンナお菓子を出して」
お姉様が侍女に声をかけると私達が作ったクッキーを持ってきてくれた。
「ありがとう、なんだろ?クッキーか、美味しそうだ」
「お姉様が作ったんですよ!」
お姉様が何も言わずに渡すので慌てた付け足す。
「え?ガーネットが作ったのかい?」
お姉様はコクッと頷いた。
「ありがとう!早速頂こう」
王子様が食べようとすると従者がそれを止めた。
「王子、毒味を致しませんと⋯⋯」
申し訳なさそうにガーネットお姉様の顔を見る。
「もちろんです」
しかしお姉様はそれが当たり前だと頷いた。
「いや、ガーネットなら大丈夫だ」
「しかし⋯⋯」
王子様は食べようとするが従者としては止めなければならないのだろう。
「なら私が!」
私は揉める二人の間に手を伸ばしてクッキーを一つ掴むと口に放り込んだ。
「んー!美味し~お姉様のクッキーは最高です!」
美味しさに頬っぺをさすった。
「これで大丈夫だな」
王子が従者に笑いかけると従者はすごすごと後ろに下がった。
「すまないね、みんな仕事をしてるだけだから」
「はい、一国の王子となれば当然です」
お姉様がわかってると頷くと王子は嬉しそうに微笑みクッキーを手に取った。
そして一口食べると驚いた顔をする。
「美味しい!」
その言葉にお姉様はホッとして笑顔を見せた。
「おっ今ガーネットは笑ったのか?」
よく見せてくれと王子がお姉様の顔を覗き込む。
「お、おやめ下さい」
お姉様は顔を赤くして隠してしまった。
「そうか、可愛らしかったのになぁ」
王子は残念そうに席に腰掛ける。
そんなイチャイチャした様子を私は唖然と見ていた。
な、なんだこの幸せな空間は!
お姉様が喜んでる!それに王子はちゃんとお姉様を好いているように見える。
なんか一気に自分が邪魔な存在に思えた。
「ジェイドも食べてみろよ」
王子がお姉様のクッキーをジェイド様に渡そうとすると⋯⋯
「「あっ」」
お姉様と私が同時に声を出した。
その反応にジェイド様はなにかに気がついた。
「王子、それは婚約者のガーネット様があなたに作った物だ。他の男にやるのはまずいんじゃないか?」
そう言われて王子はガーネットお姉様とクッキーを見つめる。
「確かに他の男に食わせるのはなんか面白くないな。これは全部私が食べよう」
「そ、そんなことをしなくてもまたいつでも作りますから」
「本当か!ならそれは全部私のだな」
「違います!私の分もあります!」
お姉様のクッキーが全部王子のと聞いて思わず声を出した!
「ん?アリアネルもガーネットのクッキーが欲しいのか?」
「お姉様が私に焼いてくれるクッキーは私の物です!お姉様の愛情が一番こもったクッキーは私のです!」
これはまだ譲れない!いくら王子でも!
私は王子を睨みつけた。
「ふふ、わかったわかった。今はまだアリアネルにガーネットのクッキーをやろう」
王子は子供をあやす様に笑いながら答えた。
くー!
なんか悔しい、お姉様が王子と両思いになればと思ったけど⋯⋯こんなに早く仲良くなるとは!
お姉様の感じから全然王子の気持ちがないのかと思っていたがそんなことなかった!
私は肩透かしを食らって落ち込んでいた。
「アリア、あなたも渡すんでしょ?」
お姉様がそんな私に優しく声をかける。
そうだった、私もジェイド様にクッキーを渡そうと思っていたのだ。
「えっと⋯⋯お姉様には全然及びませんが教えてもらい作りました。この間のお礼に⋯⋯」
私はジェイド様にクッキーを渡した。
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
奏音 美都
恋愛
ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。
そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。
それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
先生、新作もおもしろいです!更新楽しみにしています。
4話で肘で寝るとはどんな寝方なんだろうかと思ってしまった。
将来はどうか判らないけれど、現在の王子は取り敢えず紳士ですし、きちんと姉上を見てくれている様子。
このまま愛を育んでくれれば安心も出来るんですけどねぇ…